2017年8月13日 (日)

Special EFX 「Deep as the Night」(2017)

Deep_2

現在のスペシャルEFXは、ギター奏者キエリ・ミヌッチのソロ・プロジェクトである。かつてのオリジナル・メンバー、ジョージ・ジンダが他界(2001年)した後、ミヌッチがバンド名を引き継いだ。前作「Genesis」(2013)に継ぐ新作で、アーティスト名義は「スペシャルEFX」と表示されていて、キエリ・ミヌッチの名前が無いが、実質的にはミヌッチの作品。1983年のデビュー作から数えて、バンド名義の作品としては21作品目。 M1「Deep as the Night」は、キャッチーな都会的なメロディーが、まさにジャケットの景色のよう。サックスはデヴィッド・マンで、ミヌッチとのアンサンブルが聴きもの。 M2「Another Day, Another Smile」は、アコースティック・ギターとバイオリン奏者アントワーヌ・シルバーマンの掛け合いが温かいムードを作り出す、フォーキーな曲。 M3「Lavish」はスペイン風のメランコリー・メロディーがポップで、リピートしたくなるハイライト曲。客演は、キーボード奏者ニコラス・コール、サックスはエラン・トロットマン。客演が入る冒頭の3曲以外の曲は、ほとんどがミヌッチのギター中心のワンマン演奏のおもむき。M5「Across the Seven Seas」は、ギター演奏はパット・メセニーを思わせる牧歌的な佳曲。M6「Night Shift」、M7「Garden of Eden」の2曲はミヌッチらしい、マイナーなムードのファンキーな音色で、いずれも打ち込み系のサウンドだけれど、ギターのフレージングがアーシーな感じで印象的。ミヌッチの技量的でドリーミーな音色で魅了するギター演奏、ドラマチックなアレンジメント、いつもの路線だけれど、これがファンとしては安心して浸れる、ミヌッチの音楽世界。

2017年8月10日 (木)

Chuck Loeb (1955〜2017)

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ギター奏者チャック・ローブさんが亡くなった。先日の7月31日、享年61歳。近年は癌と戦っていたとのこと。なんとまあ、早すぎる旅立ちではないか。スムーズジャズの才能溢れる逸材が逝ってしまった。最近は体調不良を理由に、フォープレイの公演も参加せず、カーク・ウェイラムやラリー・カールトンが代役を務めていた。今年のグラミー賞にノミネートされた「Unspoken」(2016)がソロ遺作となってしまった。1989年のデビュー作「My Shining Hour」以来、20作品のソロ・アルバムを残した。マイケル・フォアマンとのバンド、メトロのメンバーでもあり、2010年からは、フォープレイのギタリストとして参加して、近作「Silver」(2015)まで3作品に参加。ジェフ・ローバー、エバレット・ハープとの新しいユニット「ジャズ・ファンク・ソウル」にも参加。その他、サイドマンやプロデューサーとして数多くの演奏と幅広い功績を残している。奥さまは、ボサノバ歌手のカルメン・クエスタ、チャック・ローブのプロデュースで新作「Palabras」を出したばかり。スペイン語で歌うクエスタの歌声と、チャック・ローブの温かいアコースティック・ギターの音色、相まって美しいボサノヴァ、まるで2人だけのデュエットのような作品。これが遺作になるなんて。悲しくなんと沁みること。合掌。

2017年7月29日 (土)

Julian Vaughn 「Bona Fide」(2017)

Bonafide

スムーズジャズのベーシストと言えば、若くして亡くなったウェイマン・ティスデイルが忘れられない。元NBAプレイヤーで、2mの巨漢、左利きのベーシスト。ベースとはいえ、ギター顔負けにファンキーなメロディを弾きまくるその奏法とフレージングは今もエバーグリーン。そのティスデイルを彷彿とする、ベース奏者ジュリアン・ヴァーンの、4作目となる新作。ジュリアンも身長が6.7フィートつまり2mあるという。ジュリアンも、ギターのようにベースを演奏する。彼の演奏ビデオなど見ると、使っているベースは、5弦ベースで、ピッコロ・ベースとも呼ばれる多弦ベース楽器。これも、ウェイマン・ティスデイルのスタイルと同じ。ちなみに、ピッコロ・ベースはロン・カーターが発明したらしい。4弦、多弦、エレキ、ウッドに関わらず、ベースをギターのように奏でるスタイルの技巧派の巨匠はブライアン・ブロンバーグだろう。さて、ジュリアンの新作は、旧作にも増して、彼のベースがギターのように縦横無尽に活躍する秀作。カバーを含む全11曲、いずれもハズレなしの佳作揃い。特に、ゲストの複数サックス・プレイヤーとのコラボが興味深い演奏が並んでいる。 M1「Bona Fide」は、キャッチーなベスト・トラックで、サックスはスティーヴ・コール。M2「Going Out」のサックスは、エラン・トロットマン。M3「If I Could」のゲストは、キーボード奏者ニコラス・コール。M4「18th & Vine」は、リン・ラウントゥリーのトランペットがゲストで、2人の応酬が必聴のトラック。M5「Joy」のサックスはマーカス・アンダーソン。M6「All I Do Is Think of You」は、ジャクソン・ファイブのカバーで、ボーカルはアンソニー・サウンダース。M7「Breeze」のサックスはレブロンで、スウィート・ソウルなムードにグッと来ます。M8「Remember the Time」は、マイケル・ジャクソンのカバーで、ベースがグイグイ引っ張るファンク・グルーヴがたまらない。今年のベスト・クラスの1枚。

2017年7月17日 (月)

Jackiem Joyner 「Main Street Beat」(2017)

Joyner

ジャッキーム・ジョイナーは、レコードキャリア10年のサックス奏者。スムーズジャズファンなら、追いかけておきたい旬なアーティストの1人。デビュー作品「BabySoul」(2007)から、数えて6作目の新作は、自己ベストで、完成度の高い作品。ファンキーで、かつ唄うようなフレージングの音色が、この人の持ち味。洗練されたサウンドや、キャッチーな自作曲も秀逸で、全曲が非の打ち所がない都会的なビートに溢れた秀作。普段のバンド・メンバーという、ダリル・ウィリアムズ(ベース)、カイル・ボールデン(ギター)、カーネル・ハーレル(キーボード)、レイモンド・ジョンソン(ドラムス)ら、フレッシュなアーティストのアンサンブルも聴きもの。M1「Main Street」は、オーバーダビングのサックスがパワー・サウンドを作り上げて、リピート間違いなしのハイライト曲。M6「Southside Boulevard」や、M11「Get Down Street」は、いずれも疾走するファンク・ビートのサックスとリズム隊がガツンと来る演奏。M10「Don’t Make Her Wait」、M7「That Good Thing」は、打ち込みサウンドをバックに、ソプラノを吹く美メロの2曲。カバーも2曲、M8「Treasure」はブルーノ・マース、M3「Can’t Stop The Feeling」はジャスティン・ティンバーレイク。いずれも記憶に新しいヒット・チューンだけれど、オリジナルに負けないスケールが伝わるインスト演奏。今年のベスト級、イチオシの作品。ところで、ジョイナーは、去年小説家としてもデビュー。作品名は「Zarya: Cydnus Final Hope」という、SF作品。Zaryaという主人公の少女が、住む惑星の危機を救う、という内容のようだ。興味ある方はぜひ読んでみたら如何かな。

2017年6月18日 (日)

George Anderson 「Body and Soul」(2017)

Bodynsoul

ジョージ・アンダーソンは、シャカタクのベース奏者で、名盤「Night Birds」(1982)以来、今も現役のメンバー。ソロ作品も、「Positivity」(2011)、「Expressions」(2013)、「Cape Town To London(Live)」(2015)とリリースしていて、シャカタクとは別に自身のバンドによる活動も精力的に行なっている。そして、これが「新作」。シャカタクの洗練されたムードとは異なり、ファンク・ソウルのグルーヴをパワフルに全開するミュージック。アース・ウィンド&ファイヤー、ジョージ・デューク、Pファンク、など、80年代のオールド・スクールなファンクを思い出す。疾走するホーン・セクションに、ソウルフルなコーラス、ガツンと来るビートに、チョッパーのベース・プレイ、沁みるスウィート・テイストのバラード、などなど、これでもかと繰り出される隙のないグルーヴにワクワクしてしまう。M2「G_Funk」は、タイム・スリップしたかのディスコ・ビート全開のハイライト・トラック。M6「Miller Time」は、重厚なホーン・セクションと交差するアンダーソンのチョッパー・ベースが疾走する、ガツンと来る曲。スムーズ・ジャズ・ファンにはイチオシの必聴トラック。M3「Joys of Life」は、都会的なメロディーのポップ・チューンで、これはシャカタク的。M11「All Or Nothing」も、シャカタクを思わせるコーラスだけれど、パワフルなサックスの交差がヘビー級。M7「Beautiful」は、3拍子のバラード曲で、スウィート・ソウルなところがグッときます。M15「Can’t Hide Love」は、EW&Fが「Gratitude」(1975)に入れた曲のカバーのライブ演奏。EW&Fのカバーでしめるあたりが、なんともにくいなあ。ブリティッシュ・ファンク・ジャズのファンには必聴の作品。

2017年6月12日 (月)

Marcus Anderson 「Limited Edition」(2017)

Malte

マーカス・アンダーソンの前作「AND Coffee」は、自身のコーヒー・ビジネスの宣伝(?)を兼ねて、リラックスしたムードの「企画作品」の趣だったから、この新作は、久しぶりに、都会的でヒップでパワフルな彼の持ち味がたっぷり堪能できる作品。M1「Limited Edition」は、未来的なトーク・ボックスのボーカルが印象的な、ヒップなビート・チューン。M2「Backseat Drivers」は、オーバー・ダビングのサックスがスリリングな、まるで「ザ・サックス・パック」のレパートリーになりそうな曲。M5「Understanding」は、ブライアン・カルバートソンが参加したスロー・バラード。カルバートソンのピアノと、アンダーソンのサックス、両者のフレージング交差にグッと来るメロウなハイライト曲。M10「The Art of Gold」は、あのプリンスのサックス奏者だったアンダーソンの「持ち味」が発揮された、と言えるような、ヒップなサックスが怪しげでドラマチックな曲。M14「Give Love」も、ポップなプリンスを彷彿させるようなキャッチーなボーカル・チューン。ボーカルは、アンソニー・サウンダースという人。アンダーソンの歌伴もクリーン・フレージングで、なかなかかっこいいボップ・チューン。M12「Stalker!」は、ゴキゲンなビート・チューンだけれど、ストーカーをテーマにドラマ仕立ての演出が面白い異色な曲。ボーカルとセリフもアンダーソン自身なのかな、コメディー的演技力は必聴です。

2017年6月 4日 (日)

Kirk Whalum 「#lovecovers」(2017)

Lovecovers

カーク・ウェイラムの新作は、ゴスペルとポップスのカバー集。ウェイラムは、ソロに限らず、BWBユニットの活動など、スムーズジャズやコンテンポラリージャズのプレイヤーであるが、「The Gospel According to Jazz」シリーズを代表として、ゴスペル音楽をテーマにした演奏活動に取り組んでいる。今回の新作は、ゴスペルというのか、クリスチャン・ミュージックのカテゴリーに入るポピュラー曲集であり、全曲が歌入りのカバー集。クリスチャン・ミュージックというジャンル自体は、宗教的な違いもあり、日本では馴染みがないが、アメリカのポピュラー音楽界ではメジャーなカテゴリー。歌詞には信仰に基づいた啓示的なメッセージが強い内容ではあるが、カントリーやR&B、ジャズやロックなど多様なカテゴリーがクロスオーバーした音楽シーンで、その分野に特化したメジャー・アーティストも多い。 12曲中には、ビヨンセの「Love Top」(M1)や、スティービー・ワンダーの「Have a Talk with God」(M2)、マービン・ゲイの「God is Love」(M4)、ホイットニー・ヒューストンのカヴァーで有名な「I will Always Love You」(M10)など、ポップスの有名曲もセレクトされている。 参加ミュージシャンには、ゴスペルの名門ワイナンズ・ファミリーからビービー・ワイナンズ、同じくカルヴィン・ワイナンズ。男性歌手ドニー・マクラーキンや、女性歌手ニーア・アーレン、など、いずれもゴスペル音楽界のメジャー級アーティストが参加している。感動的で必聴のトラックは、M11「Tomorrow」。これはワイナンズの名曲(1984)で、メンバーでもあるカルヴィンがボーカルで参加したカバー演奏。過去のニュース速報が引用される演出で、マイケル・ジャクソン、モハメド・アリ、ホイットニー・ヒューストン、プリンス、スティーヴ・ジョブスなど、偉大な人たちの急逝をアナウンサーが伝える。ウェイラムのソプラノ・サックスのなんと美しい音色。ウェイラムがこのアルバムに名付けた「lovecovers」というタイトルは、聖書の言葉からの引用、「愛こそ多くの罪をおおう(cover)」に意味を込めている。つまりは、「love will cover」で、愛をテーマにした「カバー」曲集というわけ。この作品のウェイラムのサックスと演奏は、コンテンポラリーで、清々しく繊細なフレジージングとサウンドに満ちている。スムーズジャズの視線(いや聴線か)でも、ベスト級で魅力的な秀作。

2017年5月27日 (土)

Valeriy Stepanov 「New Beginnings」(2017)

Newbeginning

「スカイタウン・レコード」は、ギター奏者ユーナムが創設したレーベル。スムーズジャズに特化した大注目の新興レーベルだ。ユーナム自身以外にも、サックス奏者シャノン・ケネディと組んだ「グルーヴ・リミテッド」も所属アーティスト。いずれも、ファンク・グルーヴに満ちた「音色」が、このレーベルの特色。そして、このヴァレリー・ステファノフが、スカイタウン・レコードの新たなアーティスト。ヴァレリーは、ロシアのイルクーツク出身、モスクワ音楽院の卒業という経歴の持ち主。ロシアや東ヨーロッパで演奏活動や、レコードのリリースもある、若干27才のキーボード奏者。「スカイタウン・レコード」からのこの新作は、素晴らしい才能の発掘であり、「大型新人」の表舞台での登場だ。チック・コリアを思わせるような、力強くかつ技巧派のピアノ・フレージングや、フェンダー・ローズの弾けるような音色とグルーヴが、この人の特色。M1「Happy People」は、チェロやホーン・セクションと絡んで、フェンダーのグルーヴィーな音色が印象的なトラック。M2「Tonight」は、リリカルで疾走感のあるピアノが爽快で、ユーナムも客演した曲。M3「Walk in the Park」は、前2曲からのビートを引き継いだ、ポップなメロディーを奏でるピアノに惹きつけられる曲。M9「In Common」は、明るいミディアム・バラード、ここで聴けるフェンダー・ローズの、流れるようなフレーズにうっとりさせられる。M10「Butterfly」は、比較的このアルバムの中では異色だけれど必聴の演奏。ヒップなコーラスを使ったアシッド・ジャズのムードで、中盤から展開する疾走するリズムでの、速弾きピアノ・フレージングは、この人の「本格派」な音楽性が聴けるトラック。今年のベスト級の作品であり、将来性有望なアーティストの出現。

2017年5月20日 (土)

Norman Brown 「Let It Go」(2017)

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ギター奏者ノーマン・ブラウンのソロ10作目となる新作は、ギター・プレイはもちろんサウンド・プロダクション全て、「上質」という点で、右に出る進行形のアーティストは見当たらない、完成度の高いスムーズジャズ作品。アルバムのコンセプトは、ブラウン自身のライナー・ノーツから理解するに、生命や幸福、愛、といった奥深いスピリテュアルなテーマで作られた作品。ブラウン節のギター・フレーズとサウンドは、いつもどおりグルーヴを感じるが、上品で透明感のある音の奥行には、彼の精神的なメッセージが隠れているのだろう。M2「It Keeps Coming Back」、M3「Let It Go」の2曲はいずれも、ミディアム・スロウ・メロディのコンテンポラリー・インスト曲で、上品なギターとサウンドが秀逸なベスト・トラック。M10「Liberated」は、BWB名義のファンキー・チューンで、BWBファンには嬉しいハイライト・トラック。曲中から聴ける、カーク・ウェイラムリック・ブラウン、ノーマン・ブラウンのボーカルとギター、3者の「がっぷり四つ(三つ?)」の演奏は鳥肌モノ。ちなみにノーマン・ブラウンは、過去のソロ作品に、BWB名義の演奏を入れている。BWBのフルアルバムは3枚しかないけれど、それぞれのソロ・アルバムに「隠れた」BWB演奏が見つけられるので、ファンは要チェック。さて、M11「Remember Who You Are」も、BWB盟友のカーク・ウェイラムがソプラノ・サックスで参加した演奏で、ブラウンのフレージングがたっぷり聴けるコンテンポラリー・ジャズな曲。M4「Ooh Child」は、70年代ソウルのヒット曲、兄弟ソウル・グループの先駆け、ザ・ファイヴ・ステアステップスによるミリオンセラーのカバー演奏。こちらのボーカルは、トレイシー・カーターという人で、キーボードも演奏している。また、ノーマン・ブラウンの実娘である3人姉妹のボーカル・トリオ「S.O.U.L.(Sisters of Unbreakable Love)」が参加した、M5「Conversations」、M6「Living Out Your Destiny」の2曲が興味深い。いずれ、彼女たちもメジャー・デビューするだろうから、注目したい。もちろん、ノーマン・ブラウンのプロデュースだろうから。アルバム最後の曲、M10「Man in the Mirror」は、言わずと知れたマイケル・ジャクソンのカバー曲。ブラウンは、アコースティク・ギターを演奏している。ゴスペル・グループの「サウンズ・オブ・ブラックネス」が参加して、アルバムを締めくくる「賛歌」に仕上げている。ところで、BWBのアルバム「Human Nature」(2013)は、マイケルの作品集。そのアルバムの最後の曲も、「Man in the Mirror」だった。聴き比べてみてはいかがかな。

2017年5月 5日 (金)

Cindy Bradley 「Natural」(2017)

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シンディ・ブラッドレイの新作は、サックス奏者デヴィッド・マンを共作者に迎えた作品。「Bloom」(2009)、「Unscripted」(2011)、「Bliss」(2014)の過去3作品では、マイケル・ブルーニングがプロデュースと楽曲の共作を手がけたサウンドのキーマンだったので、この新作での変化が注目。M1「Girl Talk」は、サックス奏者ポーラ・アサートンとの共演で、両者のファンキーな掛け合いが必聴。アサートンの「Ear Candy」(2015)で、ブラッドレイがゲスト共演したトラック「Between You & Me」があったので、今回はお返しということ。いつか、この2人でフル・アルバムを作って欲しいなあ。きっと傑作になるはず。M2「Category A」は、ギター奏者クリス・スタンドリングの共作とゲスト参加した曲で、これはハイライト・トラック。聴いたらすぐに分かる特徴的なスタンドリングのギター・サウンドとメロディ。ブラッドレイのフレージングも、ヒップでアシッドなところが新鮮な演奏。タイトル・トラックのM7「Natural」でも、スタンドリングが参加していて、ブラッドレイとのインタープレイがクールな味が印象的。M6「Clean Break」では、ファンキーなビートに乗るエコーの効いたトランペットが、彼女の傑作アルバム「Unscripted」のムードを思い出す。M9「She Bop」は、スウイング・ジャズを思わせるミュート・スタイルで終始演奏する意欲的な演奏。M3「Everyone But You」はメランコリーなメロディの曲、M10「Crush」は爽やかなメロディの曲、いずれもポップス・チューンと言っていい聴きやすいサウンド。このあたりは、今までに見られない新しい路線だろう。過去作品では、シャープでエッジの効いたサウンドが、この人の持ち味だった。それに比べると、今回は少しソフトなムードの印象が残る作品かな。次作では少しハードなビートの演奏が聴きたい。

«Geoff Alpert 「Open Your Heart」(2017)

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  • スムーズジャズは、最高のコンテンポラリーミュージック。ググっとくるアーティストのバイブレーションを、リアルタイムで聴きたい。独断で選んだスムース系の新譜を紹介します。Since 2011。UGASAI
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