« Bobby Caldwell「Evening Scandal(原題:Bobby Caldwell)」(1978) | トップページ | Euge Groove 「S7ven Large」(2011) »

2011年9月25日 (日)

Spyro Gyra 「A Foreign Affair」(2011)

Spyrogyra
音源:CD(輸入盤)
レーベル:Amherst













日本はモダン・ジャズ「王国」だ。50年代から60年代の、ストレート・アヘッドなジャズはいつでも人気がある。モダン・ジャズのCD名盤は、繰り返し復刻盤が出るし、過去の録音も、まだあったのかと思うぐらい、発掘されて発売される。古いものだけでなく、モダン・ジャズのフォーマットをフォローする新しいプイレイヤーやバンドも次々と現れる。日本ほどモダン・ジャズが売れる市場もないのだろう。比べて、日本ではフュージョンやスムース・ジャズの定着は後進国。世界的には、現代のジャズはけっしてモダン・ジャズのフォーマットを踏襲せず、フュージョンやスムース系の演奏に生きていると言える。ジャズは現代の音楽であり、そのフォーマットはどうであれ、そのスピリットがジャズそのものなのだ。

そのジャズ・スピリットを、フュージョンというフォームで表現し続けているバンドが「スパイロ・ジャイロ」だ。なんたって、もう35年も同じスタイルを続けているし、アルバムも30枚以上。サックスのジェイ・ベッケンスタイン、キーボードのトム・シューマンは、結成時からのメンバーで、今もってこのバンドを支えている。これだけ長くやれるということは、支持するリスナーがいるからこそで、それはやはりジャズに対するマーケットの違いなのだろう。この新作は、初期の大ヒット作「Morning Dance」(1979)を出していたレーベル「アムハースト」に、25年ぶりに復帰した作品。

今回の新作は、曲目にもいろいろな国が登場するように、世界をテーマにした「万華鏡」のようなアルバム。初期のころから、カリプソやラテンなどエスニックなリズムがこのバンドの特色。そのバイブレーションは、アルバムを通してリズムの多様性と明るい曲調に感じることができる。それでも、このバンドの35年変わらぬ生命力は、現代のジャズのスピリットの表現力にある。M−4「Falling Walls」の、インプロビゼーションのアンサンブルのスリリングな展開は、まさにそのジャズのスピリットだ。真骨頂は、M-1「Caribe」、M-9「Antigua」のラテン系リズムの上で浮遊するサックスやギターの哀愁のメロディー。太陽讃歌のような、M−11「Dancing On Table Mountain」やM−3「Sweet Ole Thang」はリズムのスウィング感がうきうきする。M-5は、なんと「Shinjuku」と名付けられた曲。いやな予感がしたが、やっぱり尺八と琴でカンフー・テーマのような出だしに、ちょっと苦笑い。M−8「Cancao de Ninar」は、どこかフォークソングのような、ソプラノが美しい。

このバンドをジャズと呼ぶのに何が疑問なんだ?

« Bobby Caldwell「Evening Scandal(原題:Bobby Caldwell)」(1978) | トップページ | Euge Groove 「S7ven Large」(2011) »

グループ」カテゴリの記事

コメント

この記事へのコメントは終了しました。

About This Blog

  • スムーズジャズは、最高のコンテンポラリーミュージック。ググっとくるアーティストのバイブレーションを、リアルタイムで聴きたい。独断で選んだスムース系の新譜を紹介します。Since 2011。UGASAI
2017年9月
          1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30

2015 Top Recommend (click)

  • Bob Boldwin「MelloWonder」
  • Brian Simpson 「Out of a Dream」
  • Jonathan Fritzen 「Fritzenized」

2014 Top Recommend (click )

  • Greg Manning 「Dance With You」
  • Rick Braun 「Can You Feel It」
  • Michael Lington 「Soul Appeal」
  • Ed Barker 「Simple Truth」

2013 Top Recommend (click)

  • Jeff Golub 「Train Keeps a Rolling」
  • Oli Silk 「Razor Sharp Brit」
  • Patrick Yandall 「Soul Grind」
  • Boney James 「The Beat」

2012 Top Recommend (click)

  • Euge Groove 「House of Groove」
  • Paul Brown 「The Funky Joint」
  • Chris Standring 「Electric Wonderland」
  • Vincent Ingala 「Can't Stop Now」
  • Phil Denny 「Crossover」