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2011年12月の記事

2011年12月31日 (土)

Roberto Vazquez 「Between Two Worlds」(2011)

Between
音源:iTunes Store
レーベル:Roberto Vazquez Music












ロベルト・バスケスは、キューバ生まれのピアニスト。ラテン系の多くのミュージシャンと競演したり、カジノでは常連ステージを持っているらしい。ユーチューブで、彼のラテンスタイルな歌伴やバンドの演奏が見れる。このアルバムがソロ・デビュー作。全9曲が自作曲。キューバンラテン・ムードたっぷりのメロディアスな曲ばかり。ほとんどの曲がミディアムバラードで、ラテンムードが鼻につくようなことがない、ここちいいスムースジャズ。バスケスのピアノプレイは、繊細で、ちょっとクレイダーマンを思わせるほど、スイートでメロー。若干、軟弱かと思わせるが、聴く度になんだか心に残る。タイトル曲のM1「Between Two Worlds」とM2「Going West」は、ピアノの超美メロディーが秀逸でベストトラック。ラテン系サックス奏者のマリオン・メドウズが参加した2曲、M3「Never Far Away」とM6「Sand Dancers」は、「熱い」ブロウで有名なマリオンが吹いているわりにはメローなビートが心地いい。M-4「In The Rain」とM-5「Thinking of You」は、題名通り、ロマンティックで思いっきりの「泣き」のピアノプレイ。M-8「Feeling It Again」は、歌詞がついてもおかしくないほどキャッチーなマイナーメロディーとピアノのソロが耳に残る。最後の曲M9「Solo Charlie」は、一転して、ラテンビックバンド風のジャズ。Charlieとは、チャーリー・クリスチャンのことかだろうか。ギタープレイはそれ風だし、バスケスの奏でるハモンドトーンのフェンダーもオールドビバップ風。この再後の演奏こそ、美メロピアノプレイヤーだけではないという主張かな。

2011年12月30日 (金)

The Parlett-Colah Project 「Moment In Time (Single)」(2011)

Moment_in_time
音源:iTunes Store
レーベル:Parlett/Colah














ジェームス・コラーは、西海岸で活躍するキーボードプレイヤー兼プロデューサー。プロジェクト名義で、シングルを発表している。自身名のシングルが2曲、サックス奏者のマイク・パレットと組んだプロジェクトで3曲。彼のホームページによると、近いうちにアルバムを発表するらしい。5曲いずれも、西海岸らしい壮快感のある8ビートの演奏。「Moment In Time」は最新曲。軽快なサックスと、後半に登場するアコースティックピアノがうきうきする曲。「Blissful」は、アーバンポップスのようなテーマをサックスが奏でて、アコースティックピアノとの絡み合いは曲名どおり「至福」の感じ。波音のSEで始まる「Ocean Tide」は、ちょっとR&B風のギターがテーマを奏でる。サックスと絡む、こちらはハモンドオルガンがかっこいい。ジェームス・コラー名義の2曲は、「Better Days」と「Touched By The Light」。「Better Days」は、ギターが主役で、終わりのあたりにやっと出てくるアコースティックピアノがもっと聴きたい。「Touched By The Light」は、ジョージ・ベンソンの「ブリージン」のようなギターイントロと、フェンダーエレピの音が印象的。5曲いずれも単発のシングルなので、曲が短くて残念。いずれの曲のメロディーもキャッチーで、ヒット性の佳曲ぞろい。アルバムを期待したい。ちなみに、サックス奏者のマイク(マイケル)・パレットという人。「Motown Jammin'」という最新シングルがiTunesにアップしている。モータウンサウンドのオマージュ。いかにもモータタウン、かっこいい曲。


2011年12月18日 (日)

Jeff Lorber Fusion 「Galaxy」(2011)

Galaxy_2
音源:CD(輸入盤)
レーベル:Head Up













待ってました、これぞフュージョン・ミュージック。ジェフ・ローバー率いるバンド「ジェフ・ローバー・フュージョン」の最新作。タイトルの「ギャラクシー」そのままに、スピード感あふれるグルーブは、まさにスペース・トラベルのよう。1曲目から始まるパワフルで、ハードボイルドなビートが、最後の12曲まで怒濤のように押し寄せる。ジェフ・ローバーが奏でるフェンダーが、イントロが終わると入ってくるパターンは、もう鳥肌もの。ジェフに加えて、エロージャケッツのジミー・ハスリップ(ベース)とエリック・マリエンタル(サックス)が中心メンバー。ハスリップは、ジェフと5曲を共作して、共同でプロデュースをする中心的役割。マリエンタルの「熱い」ブローは全曲を盛り上げるが、バックアップするホーンのアンサンブルが、70年代のブラス・ロックのようで、ファンキーでかっこいい。全11曲がまるで1つの組曲のように、連続して疾走してゆく。フェンダーやサックスやベースのサウンドの1つ1つが、光を放つ流星のごとく、どこかへワープさせてくれる。このバンドの音には、スウィートとかメロウとか、はたまたダンサブル、ましてやヒーリング、なんてひとつも無し。ガツンとやられるぞ、今、最もヒップなフュージョンミュージック!


2011年12月11日 (日)

JD Souther 「Natural History」(2011)

Jd
音源:CD(日本盤)
レーベル:Entertainment One













JDサウザーといえば、イーグルスの「New Kid In Town」や「Best Of My Love」の共作者として有名。自身のソロアルバム「You're Only Lonely」(1979)はあの時代の名曲で名盤。でも、彼自身のアルバムは、デビュー(1972)以来数枚('84まで4作)だけだったから、イーグルスやリンダ・ロンシュタット、ジェイムス・テイラー(2人のデュエット'81年の「Her Town Too」は名曲)などに曲を提供したり、コーラスとして競演したりするほうが話題のアーティストだった。70年代のウエストコーストロックのアルバムに、彼の名前がクレジットされているのを、見つけるのが「当り」の証拠だった。そしてこのアルバムは、66歳にして、2008年以来の最新作(これで通算6作目)。デビューアルバムのジャケットポートレートは、あご髭を蓄えた若き哲学者の風貌。そして、この最新作も同じアングルのポートレート。40年を経て、久しぶりに会えたJDは、白くなった髭と顔の年輪は年を隠せないけれど、穏やかに見つめる顔に人生の深みを感じる。

ほとんどの曲がピアノとギター中心のシンプルな演奏で、彼のボーカルが際立つ。66歳にしては若い歌声に驚くけれど、やっぱり年を重ねたから出せるのだろう彼の歌声は心に沁み入る。やっぱり、この曲、M-10「Best Of My Love」。イーグルスのようなバンドサウンドでなく、こうやって、感情表現もさらりと歌われるとうなってしまう。同じイーグルで有名なM-4「The Sad Cafe」やM-6「New Kid In Town」も、そしてあのヒット曲M-3「You're Only Lonely」が、静かに歌うJDの声で聴けるのがうれしい。リンダ・ロンシュタットが歌った「Faithless Love」を、自ら歌うM-2。カントリー調のメロディが、後半マイナーなバラードに変わるところが美しい曲だと再認識。比較的新しい曲M-8「Little Victories」もいいし、さり気ない音色のサックスをバックに歌うM-5「Silver Blue」もしぶい。2曲のボーナストラック、M-12「How Long」、M-13「Heartache Tonight」は、いずれもイーグルスが取り上げたナンバーで、日本盤CDでしか聴けないので貴重。けれど、このアルバムは、M-11「I'll Be Here At Closing Time」で聴き終えたい。彼の誠実な歌声が、「・・・店が閉まる時間まで、僕はここで(君を)待っているよ・・・」って、まるで映画のエンドロールのよう。この曲で、このアルバムの余韻に浸れる。


2011年12月10日 (土)

Yellowjackets 「Timeline」(2011)

Timeline
音源:CD(日本盤)
レーベル:Mack Avenue Records














イエロージャケッツは、今、最も「進化」したジャズを演奏するバンドだ。3年ぶりのこのアルバムは、デビュー30周年の最新作。メンバーは、ボブ・ミンツアー(サックス)、ラッセル・フェランテ(キーボード)、ジミー・ハスリップ(ベース)に加えて、ドラマーがかつてのメンバーだったウィル・ケネディに変わった。彼らの演奏はけっして聴きやすくはない。なんたって何拍子なのか分からないような複雑系のリズムの曲が多くて、聴いていると緊張が高まる。ドラムとベースはお決まりの4ビートバックアップのリズム隊ではなく、リズムもインプロビゼーションの一部と化して、メカニカルなビートで疾走するのがこのバンドの持ち味だ。リズムが複雑系でも、ボブの奏でるサックスのストレートな音色はファンキーで、ラッセルのアコースティック・ビアノはリリカルで本当に美しい。

オープニングから4曲目のタイトル曲「Timeline」にいたるまで、怒濤のように、5拍子や7拍子の変拍子の曲が続く。それでも不思議とスイング感を感じる。特にタイトル曲の演奏後半、サックスとピアノのインタープレイは、7拍子でもスイングして素晴らしくファンキー。M-6「A Single Step」は、ラッセルのピアノソロが美しく印象的なミディアムバラード。M-7「Indivisible」も変拍子だけど美しいバラード。M-8「Like Elvin」は7拍子のスインギーなナンバー。M-10「Numerology」は、モダンな解釈の4ビートジャズ(始まりはおやっと思ってしまうが)で、ラッセルのストレートジャズなアドリブにほっとする。M-11「I Do」は、ゴスペル風のボブのバラードプレイが沁みる。日本盤ボーナストラックのM-12「Shine」は、曲調もポップで4人のアンサンブルが楽しい。最後の2曲が、アルバムを通してメカニカルな演奏の緊張感を癒してくれる。

2011年12月 4日 (日)

Paul Brown & Marc Antoine 「Foreign Exchange」(2009)

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音源:iTunes Store
レーベル:Peak Records














マーク・アントワンとポール・ブラウンがコラボレーションをしたギター・デュエットのセッション・アルバム。マークがナイロンギター、ポールはエレクトリック・ギター。マーク・アントワンは、パリ出身のギタリストで、スパニッシュ・テイストのプレイが持ち味。ポール・ブラウンは、スムースジャズ界の売れっ子プロデューサー兼ギタリストで、ブラック・コンテンポラリーな曲作りが持ち味。スムースジャズ界最強の2人が組んだのだから悪いはずがない。
タイトル曲のM-4「Foreign Exchange」がまさにこのアルバムのコンセプトを代表する演奏。ミディアムなエイトビートに乗って、2人のギターのユニゾンで始まるウキウキする旋律と掛け合いの演奏が楽しい。全10曲を2人で共作して、どちらかが主役になるのではなく、お互いがイーブンのコラボレーション。マークのナイロンギターは、フラメンコのテクニックなのかダイナミックなビートを刻んで、ポールのエレキに負けない。ポールのエレキは、時にジョージ・ベンソンを思わせるソフトでメローなプレイ。お互いのアンサンブルは、まるでボーカルのデュエットを聴いているようで、一体感のある演奏は壮快。
ジョージ・ベンソンとアール・クルーのディエット・アルバム「Collaboration」(1987)を思い出す。この「Foreign Exchange」は、あのベンソンとクルーへのオマージュなのかもしれない。ベンソンとクルーのアルバムは、名作だけれど、ベンソンがやっぱり役者が上だった。このマークとポールのアルバムは、お互いが公平に「会話」をしている。パート2を作ってくれないかな。

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  • スムーズジャズは、最高のコンテンポラリーミュージック。ググっとくるアーティストのバイブレーションを、リアルタイムで聴きたい。独断で選んだスムース系の新譜を紹介します。Since 2011。UGASAI
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