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2012年2月の記事

2012年2月25日 (土)

Reza Khan 「A Simple Plan」(2011)

Rezakhan
音源:iTunes Store
レーベル:Painted Diaries

ジャケット写真、アジアのどこかだろうか、変わった形の台車に人を乗せて疾走するブレたスナップ。アルバムのタイトルは「シンプル・プラン」。1曲目を聴こえるメランコリックメロディーとアコースティックギターの旋律は、どこか無国籍なムードで、何か違った音楽感を体験できる期待に膨らむ。M-3「Language of Love」、キャッチーでコンテンポラリーなテーマメロディーを、プログレ風ロックのギターアドリブと、力強いサックスブロー(アンディ・スニッツアー)が盛り上げる佳曲。M-4「Simple Plan」、タイトル曲は、インド辺りのエセニックなイントロから始まる。民族的な器楽音色とコーラスの旋律が、近代的なエレキギターやベース、ドラムと絡む、独特な音楽世界。このジャケット写真を見ながら感じる、何か別の世界。M-8「Funktionality」は、チョーキングフレーズのギターで始まり、アンディ・スニッツアーのこれまたブルージーなブロウが追いかける、ブルースなビート感が伝わってくる演奏で、ここからこのアルバムの旅程が変わる。M-9「Sweetest Things」は、題名のイメージ通り、フォークロックのような旋律をアコースティックギターが紡いで、さわやかな一曲。最後のM-12「September Morning」は、情緒深く奏でるアコースティックギターとエレキバイオリンのバラード曲。全編を通しての無国籍旅行を終えるような瞑想的なムードの曲。
リーザ・カーンは、バングラデシュ出身のギタリスト。インドでCDリリースをしたのがキャリアの始まりのようで、その後、ニューヨークへ留学して、平和活動者として、国際連合で働き、南米、アンゴラ、などを訪れて、南アフリカに住んでいたようだ。その後、アメリカに戻って、2001年にアルバム「Painted Diaries」を発表。
そういった経歴から察するに、この音楽世界から、何かのメッセージ性を感じるかもしれない。このジャケット写真からも。
ちなみに、You Tubeで見れる「Language of Love」のビデオは、映像作品としてなかなか秀逸。

2012年2月19日 (日)

第54回グラミー賞

Davekoz

2月12日、アメリカの第54回グラミー賞が発表された。今回、対象部門のリストラが行われ、107部門から78部門に対象カテゴリーが減らされた。「ラテンジャズ」、「ハワイアン」などが無くなったそうである。日本では、最優秀レコード賞や最優秀アルバム賞が話題になるぐらいなので、細分化されている受賞者やレコードもあまり話題にならない。グラミー賞のオフィシャルサイトでは、候補者や最終受賞がすべて見られるので、興味があればチェックされたい。話題はポップスやロックなどの大衆音楽が中心になるけれど、ジャズやニューエイジ、カントリーまたはプロデュースやプロダクションといった広範囲な楽曲やアーティストを対象にしているのは、さすが多角化されたアメリカの音楽業界の最高栄誉賞である。残念なことに、いまだ「スムースジャズ」というカテゴリーはない。「ベスト・ポップ・インストルメンタル・アルバム」部門が、ジャンル問わずのインストが対象なので、注目したい。今回の、ノミネートは下記5作品。(★は受賞作品。*印は日本のiTunes Storeで買える。)

(1) Daniel Ho 「E Kahe Mallie」(*)
ハワイのウクレレ奏者、ダニエル・ホーのピアノソロアルバム。日本ではジェイク・シマブクロが有名だけど、ダニエルは過去ウクレレソロCDでもグラミーにノミネートされている。マルチプレイヤーで、今回ピアノソロアルバムまで作ってしまった。
(2)Jenny Oaks Baker 「Wish Upon A Star」(*)
ジェニーオークスベイカーは、クラシックのバイオリニストで、このアルバムは題名通り、ディズニー曲のトリビュート・アルバム。
(3)★ Booker T.Jones 「The Road From Memphis」
ブッカーTジョーンズといえば、60年代のMG’s。おそらく68歳ぐらい。2009年に、20年ぶりのソロアルバムを出したのが話題になり、この作品はその後の最新作で、グラミーを受賞。
(4) Dave Koz 「Hello Tomorrow」(*)
われらがスムースジャズのスター、デイブ・コーズの大ヒットアルバム。プロデュースとベースプレイは、あのマーカス・ミラーだし、サポート陣はスムースジャズのビックネームばかりで、クオリティの高さは保証付きのアルバム。発売以来、ヘビーローテーションで聴いてきたので、グラミー賞取って欲しかった。残念。
(5)Brian Setzer 「Setzer Goes Instru-Mental !」(*)
ロカビリーロック・ギタリストのブライアン・セッツアーの、初めての全曲インスト・アルバム。

「ベスト・ジャズ・インストルメンタル・アルバム」部門には、イエロージャケッツ「Timeline」(本ブログ記事参照)がノミネートされたけれど、受賞は逃した。受賞は、コリア・クラーク&ホワイトの「Forever」。その他、「ベスト・ニューエイジ」部門も興味深いが、受賞はパット・メセニーのソロ・アルバム「What's It All About」だった。パットのアルバムでも、ニューエイジになってしまうのか。確かに、ジャズでもないしな。

2012年2月18日 (土)

Michael Lington 「Pure」(2012)

Pure
音源:iTunes Store
レーベル:Trippin 'N' Rhythm

サックスプレイヤー、マイケル・リントンのニューアルバム、かなりリッチで上質な「ポップス」アルバム。スムース・ジャズは、「売れる」というビジネス的視点で見ると、ボーカル無しのポップスというジャンルなのだ。アメリカの市場は、メインストリーム・モダンジャズのようなジャンルは「ニッチ」で、ポップスに包含されるようなインストルメンタル・ミュージックをすべてスムース・「ジャズ」とジャンル分けしている。ポップス路線のほうがはるかに売れるし、リスナーのニーズがそこにある。BGMとして、ダンスミュージックとして、ドライビングミュージックとして、「ボーカル」ミュージックより、聴くシチュエーションははるかに広いし、歌詞の言語の問題も無い。そういった路線でヒットを連発しているレーベル「Trippin 'N' Rhythm」からの新作である。このレーベルは、飛ぶ鳥落とす勢いで、スムース・ジャズ・チャート上位の常連になっている。所属プレイヤーは、ポール・ハードキャッスル、ジャード、グレッグ・カルカスなどの大物から、数々の有望なアーティストを「売れるように」再生している。このマイケル・リントンも、これが契約第1作で、いままではケニーGのフォロワーのような感じであったけれど、おそらくキャリアで最大のヒットになるだろうし、再評価されるに違いない。「売れるように」作ったという意図は1曲目から見え見えなのだけれど、やっぱりヘビー・ローテーション入りになってしまった。
M−1「Roadtrip」、アタックの強いメロディーとプレイに、ファンキーな乗りがあって、アルバムの期待を抱かせる佳曲。リー・リトナーのファンキーなギターもかっこいい。M-2「The Serenade」、2曲目は明るいスウィート・ソウルだから、また引き込まれてしまう。M−3「Playtime」、またまた一転、ブラスアンサンブルで疾走するファンキーチューン。ボーカル入りのM−5「Shotgun」は、マイケル・ボルトンのボーカル、ちょっとロック過ぎて、アルバムの流れからすると好みではない。カットして聴くのがいい。M-6「Like Old Times」は、泣きメロディーのバラード。バックのギターは、聴き逃せないレイ・バーカーJr。M-7「Lovely Day」はビル・ウィザースの名曲のカバー。パーティーノイズのSEで始まるM-9「Come On Over」、80年代のフュージョンバンド、スタッフのような乗りが出てくるトラック。間奏で入るかっこいいハーモニカは、トーラック・オレスタッド。オレスタッドは、シンガーソングライターとしても自身のアルバムを出しているけれど、ハーモニカプレイヤーとして、アース・ウインド&ファイヤーや、アル・ジャロウなど色々なアーティストのアルバムにゲストでプレイしている。スティービー・ワンダーのような、乗りのいいプレイヤーで、一瞬、スティービーかと驚いた。彼のハーモニカはM-7でも出てくる。このアルバムを通してゲストがすごいが、最後のM-10「A Simpler Time」、出て来るのはジョナサン・バトラーのギター。ジェントルなサックスとギターのインタープレイに、やっぱり魅了される。

2012年2月12日 (日)

Groove55 「À la carte」(2012)

Alacarte200x200_2
音源:iTunes Store
レーベル:123jam.com

正当派のスムースジャズ・バンド。カナダのアーティストで、キーボード、サックス、ドラム、ベースの4人組。サイトの写真を見ると、シニア世代だと分かるのだが、説明によると全員1955年近辺の生まれらしく、バンド名もそこから来ているとか。このアルバムは2作目の最新作。オンラインで披露しているパフォーマンスを見ると、派手なところはないけれど、各人がアンサンブルを重視したプレイに徹しているし、全員がフェアにアドリブプレイを担当するのも、メインストリームジャズのフォーマットを押さえている感じがして、安心感がある。A-1「Skyline」の明るい曲調や、ムーディーでメローなサックスのM-10「Riverside」は、コンテンポラリーで上質なスムースジャズ。こういったスタイルはもちろんいいけれど、70年代のフュージョンのバイブレーションが垣間見える曲が魅力的だ。ワンツーのドラムビートが「ヒップ」でファンキーなM-4「Hip Trip」や、チョッパーベースが響くM-6「Double Click」、エレキフェンダーとアコースティックピアノが交差してジャージーなM-9「Cat Games」、これらの演奏を聴くと、このあたりがこのバンドの良さだと思う。録音のミキシングが、聴きやすい定位で、狙いがバックグランドミュージックのようなおとなしい仕上がりな感じがするけれど、もっとパワフルに音が際立つといいと思うのだが。それでも結構好みのバンドである。


2012年2月 5日 (日)

Alex Bugnon 「Going Home」(2009)

Bugnon
音源:iTunes Store
レーベル:Xela Productions

アレックス・ブーノンは、ジャズ・フェスティバルで有名なスイスはモントルー出身のジャズ・ピアニスト。ハードバップ・トランペッターのドナルド・バードの甥っ子らしい。ニューヨークでセッションピアニストを経て、1989年に「Love Season」でデビュー。以降、数枚のアルバムを発表している。この「Going Home」は2009年の作品。さりげなく絡むホーン・セクションのアレンジはシカゴあたりを想起する黒っぽい雰囲気だし、力強いタッチのピアノはゴスペルやR&Bのテイストで、ライブ感があふれている。ホーン以外は、ベースとドラムのシンプルな2ピースリズム隊で、ピアノのソリッドな音が際立ち、録音もいい。硬派でコンテンポラリーなジャズピアノのアルバム。


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  • スムーズジャズは、最高のコンテンポラリーミュージック。ググっとくるアーティストのバイブレーションを、リアルタイムで聴きたい。独断で選んだスムース系の新譜を紹介します。Since 2011。UGASAI
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