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2012年2月18日 (土)

Michael Lington 「Pure」(2012)

音源:iTunes Store
レーベル:Trippin 'N' Rhythm

サックスプレイヤー、マイケル・リントンのニューアルバム、かなりリッチで上質な「ポップス」アルバム。スムース・ジャズは、「売れる」というビジネス的視点で見ると、ボーカル無しのポップスというジャンルなのだ。アメリカの市場は、メインストリーム・モダンジャズのようなジャンルは「ニッチ」で、ポップスに包含されるようなインストルメンタル・ミュージックをすべてスムース・「ジャズ」とジャンル分けしている。ポップス路線のほうがはるかに売れるし、リスナーのニーズがそこにある。BGMとして、ダンスミュージックとして、ドライビングミュージックとして、「ボーカル」ミュージックより、聴くシチュエーションははるかに広いし、歌詞の言語の問題も無い。

そういった路線でヒットを連発しているレーベル「Trippin 'N' Rhythm」からの新作である。このレーベルは、飛ぶ鳥落とす勢いで、スムース・ジャズ・チャート上位の常連になっている。所属プレイヤーは、ポール・ハードキャッスル、ジャード、グレッグ・カルカスなどの大物から、数々の有望なアーティストを「売れるように」再生している。

このマイケル・リントンも、これが契約第1作で、いままではケニーGのフォロワーのような感じであったけれど、おそらくキャリアで最大のヒットになるだろうし、再評価されるに違いない。「売れるように」作ったという意図は1曲目から見え見えなのだけれど、やっぱりヘビー・ローテーション入りになってしまった。

M−1「Roadtrip」、アタックの強いメロディーとプレイに、ファンキーな乗りがあって、アルバムの期待を抱かせる佳曲。リー・リトナーのファンキーなギターもかっこいい。M-2「The Serenade」、2曲目は明るいスウィート・ソウルだから、また引き込まれてしまう。

M−3「Playtime」、またまた一転、ブラスアンサンブルで疾走するファンキーチューン。ボーカル入りのM−5「Shotgun」は、マイケル・ボルトンのボーカル、ちょっとロック過ぎて、アルバムの流れからすると好みではない。カットして聴くのがいい。M-6「Like Old Times」は、泣きメロディーのバラード。バックのギターは、聴き逃せないレイ・バーカーJr。

M-7「Lovely Day」はビル・ウィザースの名曲のカバー。パーティーノイズのSEで始まるM-9「Come On Over」、80年代のフュージョンバンド、スタッフのような乗りが出てくるトラック。間奏で入るかっこいいハーモニカは、トーラック・オレスタッド。オレスタッドは、シンガーソングライターとしても自身のアルバムを出しているけれど、ハーモニカプレイヤーとして、アース・ウインド&ファイヤーや、アル・ジャロウなど色々なアーティストのアルバムにゲストでプレイしている。スティービー・ワンダーのような、乗りのいいプレイヤーで、一瞬、スティービーかと驚いた。彼のハーモニカはM-7でも出てくる。

このアルバムを通してゲストがすごいが、最後のM-10「A Simpler Time」、出て来るのはジョナサン・バトラーのギター。ジェントルなサックスとギターのインタープレイに、やっぱり魅了される。

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