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2012年5月の記事

2012年5月28日 (月)

Grady Nichols 「Destinations」(2012)

Destinations
グラディ・ニコルスのニューアルバム。ファンキーな一曲目の「London Baby」から始まる全12曲は、アダルトオリエンテッドなポップ・ロックなアルバムだ。音作りというかオーケストレーションが緻密で、ウェルプロディースされているというか、クオリティの高いスムースジャズアルバムだ。1曲目のファンキーなバイブレーションに匹敵するのが、M−3「You Know Me」で、あのシカゴのビル・チャップリンが客演していて、サウンドがイーグルスの「One of These Nights」のような、黒いウェストコースト・ロックっぽいメロディーとビートが印象的な曲。フロントで吹きまくるニコルスのサックスがしぶい。M-11「You With Me」はベストトラック。アーバンなメロディーを吹くニコルスのサックスはめいっぱいメローだし、最後に出てくるジェフ・ローバーのアコースティックピアノのアドリブがジャージーな佳曲。ニコルスのサックスは、どこかデイビッド・サンボーンを感じるところがあるけれど、M-10「Coming Home」のミディアムバラードが盛り上がる楽曲では、誰かに似ていようが、いいプレイだなと伝わってくるんだから、これはグッドミュージックなんだ。

2012年5月27日 (日)

Michael J. Parlett 「Keep It Movin'」(2012)

Michaeljparlett1
サックス奏者マイケル・J・パレットは、キーボード奏者のジェイム・コラーと組んだプロジェクトで、シングルを3作発表している。「Ocean Tide」(2009)、「Blissful」(2010)、「Moment In Time」(2011)。モダンジャズの西海岸ジャズにならって、さしずめ、西海岸スムースジャズといったサウンドで、カラッと明るいサウンドに溶け込むパレットのサックスが壮快な3曲だった。パレットの個人名義で、モータウンサウンドのオマージュのような「Motown Jammin'」(2011)というシングルもリリースしている。このアルバムは、先行した4作の全シングルも含むニューアルバム。マイケル・パレットという人は、イギリス出身で、プレイヤーとしてのキャリアはかなりベテランだ。80年代から、ロックやポップス系のメジャーアーティストのバックに参加していて、シンプリー・レッド、テイク・ザット、ロイ・エアーズなどの共演をしている。2006年にロサンゼルスに移って、ジェフリー・オズボーン、ランディ・クロフォードといったアーティストと共演、今もロスを拠点に活動している。前作は2005年の「Waiting on You」というソロデビューアルバムで、なぜだか、そのデビューアルバムのタイトルトラック(ボーカルチューン)が、このアルバムのM-11に(おそらく同じトラック)再録されている。M-10は、ボビー・コールドウェルの「What You Won't Do For Love」をカバーしているのは個人的に「涙」もの。M-8「Captain of Her Heart」は、ダブルというスイス出身バンドの隠れた名曲で、それをボーカル入りでオリジナルに近いカバーをしている。M-2「Cha Cha Chiwowa」は、マンボのリズムでホーンセクションと吹きまくる面白い曲。M-9 「El Rancho」はラテンジャズ風の曲でフルートを演奏している。アルバム最後のM-12「Misty」は、ジャズスタンダードの有名曲を、ミディアムスローな8ビートで解釈した演奏で、アーバンな雰囲気がとてもかっこいい。この曲のパレットのアドリブを聴くと、ジャズの本流仕込みだというのが分かる、ベストトラックだ。

2012年5月26日 (土)

スムースなシングル盤③

Lovelight_2Blue_moon_2Grand_slam_2










1) 「エレメンツ」という、初めて聴くグループのデビューシングル「Love Light」(2012)。ベース、キーボード、ドラム、サックスの4人組のバンド。この曲は80年代のR&Bの「のり」というかビートがかっこいい佳曲。どこか荒削りなサウンドで、クロスオーバーのクルセーダースやスタッフをちょっと感じさせるグルーブのあるサウンド。フルアルバムが期待できるバンド。
2)ベースプレイヤーのジェイソン・スミスのソロシングル「Blue Moon」(2012)。エレキベースの奏でるリードメロディーがスウィート&メローで美しい。夏のリゾートを思わせるアレンジメントとサウンドプロダクションは、まさにアダルトなスムースジャズの定番という感じ。後半に出てくるチョッパー奏法のメロディーが耳に残る。夏にピッタリなスムース・チューン。
3)サックスマン、ウィル・ドネートが「のりのり」で吹きまくる「Grand Slam」(2012)。なんたって題名は、野球で「満塁ホームラン」だから、ホーンセクションのフロントで、ガツンと吹き捲くるサックスが壮快だ。プロデューサーは、ギタリストのスティーブ・オリバー。このウィル・ドネートはスティーブのアルバムでも吹いていたっけ。「Radio Edit」となっている3分程度のシングルバージョンだけれど、ぜひもっと長いバージョンで聴きたい。元気が出ること間違い無しのパワーチューン。

 

2012年5月19日 (土)

Steve Oliver 「World Citizen」(2012)

Albworldcitizen

スティーブ・オリバーの前作「Global Kiss」(2010)は、ロングランヒットになったアルバムで、表題曲はビルボードのジャズチャートに18週間チャートインしていた。日本ではほとんど話題にならなかったし、今でもスティーブ・オリバーというギタリストもほとんど無名だ。そもそもスムースジャズ系のアーティスト自体が、日本で取り上げられることはないのだが。CDが売れない時代なので、彼の作品も発売されないし、よって作品もラジオでエアプレイされることもない。そういったアーティストでも、今はネットで聴く事が出来るので、いい時代だなと思うが、一方で、日本のポピュラー音楽ジャーナリズムやマスコミから接する音楽は、いつも画一的でリスナーへ選択肢を提供していないということだ。ジャズといえば、50年代や60年代のモダンジャズ信仰が幅を効かせているのは、今のコンテンポラリージャズやミュージックを真面目に発信してくれるマスコミが皆無だからだ。というわけで、このスティーブ・オリバーの新作は、前作以上の期待を受けての作品。この人のギターの、早弾きで流れるようなアドリブパッセージはナチュラルでうっとりしてしまう。この人の楽器は、ギターシンセなので、音色はアレンジできるとしても、ハープの調べのような美しさに魅了される。ちなみに彼の弾くギターは、カルビン・ギターというメーカーで、シンセギターの開発にも協力しているそうだ。全12曲は彼自身による作品で、メロディーラインにラテンやスパニッシュのエキゾチックな雰囲気があるのが特徴だろう。彼はボーカリストでもあり、ちょっとハスキーな声も魅力だ。ニューエイジやスムースジャズだとかジャンル分けは意味が無い。このアルバムは、ただただ「グッドミュージック」なのだ。日本でも聴いてほしいアーティスト。

2012年5月 4日 (金)

Funkee Boy「Philosoulphy」(2012)

Philosoulphy

名前がファンキー・ボーイで、そのまんまで、なんか軽いなあというアーティストネーム。本名はボビー・タマロという人で、フロリダ在住、作編曲をするキーボードプレイヤー。プロデュースもしているらしい。ソロ名義の作品はこれが2作目。この新作は、80年代のソウルやR&B路線の、どこかで聴いたことのあるメロディーやリズムの連続。サウンドも、なんとなくレトロで、「B級」という感じなんだけれど、これが不思議と繰り返し聴いてしまう。M-1「All Up In It」やM-10「Philosoulphy」は、奥深さの無い、B級っぽさがいい、文字通りのファンキーチューン。M-5「In the Moment」や、M-6「Bliss」は、スムースジャズの典型的な「のり」が安心できるし。エラン・トロットマン客演のソプラノサックスがケニーGっぽいM-12「Just Because」は、超美メロディーのバラードで、なかなかいい曲。アコースティックピアノと、サックス(ビンセント・インガラ)がからむミディアムテンポのM-7「Into You」は爽やかなスムースジャズチューンで、ベストトラック。4曲のボーカルトラックは、ちょっと好みでないので、外してシャッフルすると、けっこういいアルバム。


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  • スムーズジャズは、最高のコンテンポラリーミュージック。ググっとくるアーティストのバイブレーションを、リアルタイムで聴きたい。独断で選んだスムース系の新譜を紹介します。Since 2011。UGASAI
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