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2012年8月の記事

2012年8月26日 (日)

U-Nam & Friends 「Weekend In L.A(A Tribute to George Benson)」(2012)

Unamla
ユー・ナムは、パリ出身、本名エマニュエル・アビテブール。フランスでの演奏活動を経て、米国のスムースジャズ・ソウル系のギタリストとして活躍している。ちょっと変わったステージネーム「ユー・ナム」だが、由来は、本名エマニュエルの愛称「マヌー(Manu)」のつづりの逆さ読みをもじって、「U-Nam」、らしい。先行してリリースされていたシングル、ジョージ・ベンソンのカバー「Love X Love」を聴いて初めて知った。その本家顔負けのギタープレイにびっくりだったが、この新作フルアルバムは、その「ベンソン節」がエンジン全開、フルスロットの爆発プレイに「脱帽」である。参加ゲストは、ジョージ・デューク、マーカス・ミラー、パトリース・ラッシェン(!)など、そうそうたるメンバー。ユー・ナム、いったい「何者」なのか、という感じだが、初期はプロデューサーとして、バリー・ホワイト、クール&ザ・ギャングなど、かなりビックアーティストとやっていたらしい。ギタリストとしては、すでに3枚のアルバムを出している。ユー・ナムの弾くギターは、ベンソンと同じ「アイバニーズ」で、まさに本家以上のサウンド。彼のプレイも、ベンソンのオクターブ+5度奏法や、スピーディーに流れるようなピッキング、ブルージーなフレージング、などなど、本家をさらにパワーアップしたスタイルで、このアルバム全12曲(1時間18分!)怒濤のように続き、圧巻である。曲は、まさにベンソンのヒットオンパレードで、M-2「Give Me the Night」、M-9「Never Give Up On a Good Thing」、M-12「On Broadway」などは、オリジナルにも勝るグルーブ感とパワーに、息が抜けない、感動の連続!また、偉大なジョージ・ベンソンが聴きたくなった。ユー・ナムにも注目したい。

2012年8月25日 (土)

Jeff Kashiwa 「Let It Ride」(2012)

Letitride_2
ジェフ・カシワの最新ソロアルバム。2009年の前作「Back In the Day」はShanachieレーベルからだったが、今回は、それ以前アルバムを出していた古巣レーベル、Native Language Musicに復帰しての作品だ。ジェフの作品は、まず自作曲がポップなメロディーの佳曲揃いで、サックス奏者としても、その音色はメローで、メロディアスでスムースなアドリブプレイが魅力だ。今回のアルバム、全10曲プラスボーナストラック1曲、すべて佳曲揃いで、ファンの期待は裏切らない。けれども、今までとは違うムードが漂っているアルバム。今までの路線のトラックに加えて、スピリチュアルなアプローチの曲が入っているからかもしれない。チャック・ローブが客演するM-2「Stomp」は、ジェフが吹くソプラノサックスの主旋律とアドリブはどこか無国籍風。M-8「One More Day」は、ピアノにデビッド・ベノア、ギターはラス・フリーマンが参加した、ニュー・ミュージック風で、タイトルに込められた何か思いが伝わるような美しい旋律のバラード。スパイロ・ジャイラのキーボード奏者トム・シューマン参加のM-10「Sundance」は、そのまま「スパイロ風」の自然讃歌な佳曲。ボーナストラックのM-11「Blue Child」は、アルバムの中でも、一番、スピリチュアルなトラックだ。ゆったりしたリズムに、メローに歌うジェフのサックスがヒーリング効果たっぷり。一方、M-1「Let It Ride」、M-3「The Name Game」、M-4「Up」、ファンキーなM-6「Hot Tin Roof」、M-7「When Will I Know?」、のアーバンポップな曲は、今までの都会的なジェフのサックスが聴けて、個人的には好み。ポップな路線のジェフはやっぱり5スターのスムースジャズプレイヤーだと思うのだけれど、次回作はぜひ思い切りポップな路線を期待。ジェフがフロントサックス奏者をしている「ザ・リッピングトンズ」の新作も近いうちにリリースされるので、こちらも大期待。後は、ジェフと、スティーブ・コール、キム・ウオーターズ3人のファンキーなサックスプロジェクト「ザ・サックス・パック」の新作が聴きたい!


2012年8月 5日 (日)

Phil Denny 「Crossover」(2012)

Phil_dennyフィル・デニーというサックス・プレイヤーの、フルアルバムのデビュー作品だ。過去にシングルを2曲出していて、「Sway Back」というシングルは、なかなか佳曲であったので、注目していた。プロデュースはネイト・ハラシム。ネイトは、キーボード奏者であり、最近はプロデュースに注目作が多い。ダーレン・ラーンの最新作「Speechless」も、ネイトがプロデュース参加した作品。ダーレンに比べると、フィルのサックスは、ミドルトーンがやわらかで、クセの無いところが特徴だ。ネイトのサウンドプロダクションは、ヒットのつぼを押さえて、どの曲もキャッチーで、アーバンなムードたっぷり。M-1「Traffic Jam」は、ミディアムテンポから少しヒップなサビになると、フィルのサックスがスイングして疾走するのが、曲タイトルを連想する佳曲。タイトル曲M-7「Crossover」はベストトラック。フィルのサックスは、この演奏で一番光っているし、ミディアムトーンで重なりあうサックスのダビングアレンジがかっこいい。M-8「When We Were Friends」は、ミディアムバラード。打ち込みっぽいアレンジのフロントで、熱くならず歌うようなフィルのサックストーンがいい。M-5「Push」は、キャッチーなメロディーを奏でるフィスのサックスと、中盤に出てくるネイトのアコピのアドリブが印象的な曲。都会的なバイブレーションが全10曲連続する正当派スムースなアルバム。聴きやすさではヘビロテ保証できる好盤。4つ★かな。この人は今後注目。

2012年8月 3日 (金)

ブログ1周年

このブログを初めて1年が経ちました。独断で聴いたスムースジャズ系の新譜を紹介するリスニング日記のようなものですが、こんなブログでも、見て頂いている方に、御礼を申し上げます。確固たるポリシーがある訳ではないのですが、紹介するディスクは、新譜に限るようにしています。音源は、ほとんどがiTunes Storeからです。CDしか聴けないものは手に入れますが、最近はほとんどがiTunesで手に入ります。iTunesではアーティストのクレジットなどが分からないことや、音質がイマイチという弱点もありますが、反面、インディーズ系やアーティストの自主配信が手軽に聴けますし、CDを集めるのは物理的に場所を取るのでデジタルに割り切っています。僕のスムースジャズ好きは、70年代後半から80年代のクロスオーバーやフュージョンに始まりました。クルセイダースや、ラリー・カールトン、リー・リトナーに、ボブ・ジェイムスのタッパンジーレーベル、CTI全盛期のデオダート、アール・クルーに、GRPレーベル。それまでは、アドリブのロジックを解き明かすために聴いていたモダンジャズが、ボブ・ジェイムスやリー・リトナーの、ポップなバイブレーションにガツンとやられて以来、ずっと聴いてきました。新譜の情報元は、Billboard.comSmoothJazz.comのチャートを参考にしています。インディーズやマイナーディスクは、CD Babyが参考になります。Smooth Jazz DailySmooth Jazz Therapyといったブログも参考にします。現代ジャズの広範囲な新譜情報は、CriticalJazzが参考になります。なぜか、日本では、スムースジャズはあまり専門的に注目されないのが、残念です。

2012年8月 2日 (木)

Gerald Albright & Norman Brown 「24 / 7」(2012)

247サックス奏者のジェラルド・アルブライトと、ギタリストのノーマン・ブラウンのコラボレーション全10曲の新作だ。ビックネーム同士の組み合わせだから、聴く前から分かるとはいえ、何ともゴージャスな雰囲気たっぷりのアルバム。ボブ・ジェイムスとディビッド・サンボーンだったり、アール・クルーとジョージ・ベンソンだったり、過去にもあっと驚く組み合わせのコラボレーションがあったけれど、そういった名作に匹敵する組み合わせ。ジェラルド・アルブライトは、ソロデビュー「Just Between Us」が1987年だから、20年以上のキャリアの持ち主。ノーマン・ブラウンは、ジェラルドのデビューアルバムと同じタイトルの「Just Between Us」(1992年)以来やはり20年におよぶキャリアのギタリストだ。2人とも、R&Bをベースに洗練されたスムースジャズプレイヤーで、もともと似たところがあるので、このデュオは大成功だ、ノーマンは、1聴してその音さばきから、ジョージ・ベンソン・フォロワーと呼べるスタイルだけれど、いやみが無く、誰かと似ていようがお構いなしのプレイが気持ちいい。ジェラルドは、クルセイダースのウィルトン・フェルダーからファンキー風味を除いたようなカラッとしたブローが魅力だ。というわけで、アルバムの中身はメロディ良しサウンド良しのスムースジャズで、市場にたくさんリリースされる数多のスムースジャズ系の中で、クオリティの違いを堪能できるアルバムだ。女性バックコーラスと、ノーマンのギターと、ジェラルドのサックスが絡み合う、M-7「24 / 7」や、M-8「Champagne Like」は、いずれも上級のコンテンポラリーポップスで、どこかクルセイダースの「Street Life」を彷彿とする印象的なトラックだ。R&BのミディアムバラードのM-3「Perfect Love」も、静かに歌うようなノーマンのギターと、爽やかな高音が心地よいジェラルドのサックスが印象的な佳曲。ボブ・ジェイムスとアール・クルーのコラボアルバムのように、また数年したら続編を作って欲しいなあ。

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  • スムーズジャズは、最高のコンテンポラリーミュージック。ググっとくるアーティストのバイブレーションを、リアルタイムで聴きたい。独断で選んだスムース系の新譜を紹介します。Since 2011。UGASAI
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  • Phil Denny 「Crossover」