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2012年10月14日 (日)

Marc Antoine 「Guitar Destiny」(2012)

Guitardestiny コンテンポラリー・ジャズでの、お気に入りナイロンギター奏者と言えば、アール・クルーと、ピーター・ホワイト、そしてこのマーク・アントワン。マーク・アントワンは、純血ジプシーの家系で、彼のプレイは伝統的なマヌーシュジャズの継承者なのだ。そこが、アール・クルーやピーター・ホワイトと違う、マークならではの魅力。マヌーシュジャズといえばジャンゴラインハルト。マークのスタイルは、ジャンゴのダイナミックなスウィングとは違うけれど、独特な哀愁のプレイは、間違いなくジャンゴに通じている。この新作も、そんなマヌーシュなムードに溢れいているのは、原点回帰という意図なのだろうか。加えて、どの演奏もジャズっぽい。9曲目「Jazz It Up !」は、マークがセミアコに持ち変えて、題名そのまま、ニュージャズ的なアンサンブルを聴かせてくれる。その他の曲は、いつものガットギターでの演奏で、タンゴ、フラメンコやマヌーシュのテイストのスムースな佳曲ばかりだが、どの曲でもマークのアドリブがたっぷり聴けるのがうれしい。1曲目の「Like It Once Was」は、キャッチーなボサノバの曲。サックスが絡むあたりが、スタンゲッツとジルベルトのような魅力の曲、でも、そうだ「ゴンチチ」風なのが「大発見」。ポール・ブラウンと組んだ「Foreign Exchange」はキャッチーな曲ばかりで今でもヘビロテ盤だけれど、このソロ新作も硬派なマークが堪能できる好盤。

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