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2013年3月 7日 (木)

Lori Andrews 「After Hours」(2007)

Loriandrews ハープという楽器の印象は、共鳴しあう弦の調べが、どこか夢の世界でも浮遊するよう な幻想的なもの。このアルバムの演奏を聴いたら、そんなイメージは覆される。これは 骨太な、フュージョンジャズのアルバムだ。それも、ハープが入ったバンドの、ビート とグルーブが一体となったすばらしい演奏。ハープの演奏は、やわなイメージを払しょ くするのに成功している。録音も、一発撮りのようでライブ感たっぷり。バンド編成は、ハープ、サックス、ベース、ドラムの4人に、曲によってパーカッションやシンセが入ったりの全14曲。特に、ベースとド ラムのリズム隊の音が際立って、サウンドのシャープさにガツンとくる。ハープ奏者、 ローリー・アンドリュースを冠にしたアルバムなので、彼女が主役だとしても、彼女は バンドの一員としての立ち位置で、目立つわけでもなく、アンサンブルの一人として、 他のプレイヤーと同等にアドリブをやり、このバンドの一体感を生み出している。演奏 は、友好的なスウィング感にあふれている。タイトル曲「After Hours」のメローなメ ロディや、「City Lights」のポップな色彩は、リピートして何度も聞きたくなる、ス ムースジャズの一級品。「L's Blues」や、「Steppin' Out」、「A Late Night Affair」、 「Cruisin'」で聴ける、グルービーな演奏は、ソリッドなフュージョンの音だし 、ピアノやギターの代役なんて感じさせない、ハープの魅力が発揮されている。 「Midnight Rendezvous」は、セミアコっぽいギターとハープのデュエットのような演奏で、バックにシンセが鳴っているけれど、4ビートを基本に、上質のコンテンポラリー ジャズに仕上がっている。なんとなくビーバップのにおいも感じて、 この演奏が個人的にはこのアルバムのベストチューン。最後の曲「Reflections (of a city asleep)」は、ハープのソロ演奏による小品で、このアルバムの中では際立って美しく て、休息感を与えてくれる。ローリー・アンドリュースは、ジャズハープ奏者として第 一人者で、活躍はジャズからポップスなど幅広く、過去ソロアルバムも7枚出ている。 このアルバムは現時点で最新作。スムースジャズがもっとクラッ シックになっても、きっと「名盤」と言われるに違いない。(thanks to Tsutsui San)

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