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2013年4月13日 (土)

Jeanette Harris 「Summer Rain」(2013)

スムースジャズ系の女性プレイヤー、最近気になります(もちろん音楽的にです)。過去レビューした中から、そして「旬」で活躍中の人を、思いつくまま独断であげてみます。(「ベスト」ではありません。)

シンディ・ブラッドリー(トランペット)、②ジェシーJ(サックス)、③ミンディ・アベール(サックス)、④ポーラ・アサートン(サックス)、⑤キャンディー・ダルファー(サックス)、⑥エリザベス・ミス(ソプラノサックス)、⑦タル・ウィルケンフィルド(ベース)、⑧パメラ・ウィリアムス(サックス)、⑨レーガン・ホワイトサイド(フルート)、⑩ブリットニー・パイバ(ウクレレ)、まだまだいますが、この人、ジャネット・ハリスも注目です。

彼女の4作目になる新作は、スウィートソウルなベスト級の好盤。「胸キュン」のスウィートソウルが好きなリスナーなら絶対気に入るはず。何しろ、あのルーサー・バンドロスの名曲「Here & Now」をカバーしている、ということだけでもその路線が分かるはず。その「Here & Now」の演奏は、原曲メロディーをていねいに吹き上げるジャネットのサックスに、あのルーサーの唄声が聴こえるようで、ちょっと感動です。

その他、全曲が、共作を含めて彼女の自作で、どの曲もつかみのいい(キャッチーということですね)メローなメロディーは、スウィートソウルのテイスト全開。彼女のメロディーメーカーとしての才能にも注目。彼女の前作「Saxified」(2010)のタイトル曲は、ギタリストのノーマン・ブラウンとの共作の楽曲でしたが、その曲は、グラミー候補にもなったアルバム、ノーマンとジェラルド・アルブライトのデュオ作品「24/7」の中に、別タイトル「The Best is Yet to Come」として採用されています。彼女の作曲の才能がただならないという証です。

この新作の白眉は、タイトル曲「Summer Rain」。メローなメロディーと、サックスのソフトな音色が心地よく耳に残るベストトラック。ボーカル入り同曲トラックも入っていて、歌っているのはジョエル・ボウワーズという人。このボーカルバージョンは、ジャネットのサックスがほとんど入らない、ボーカルチューンに変身しています。ジョエルのファルセットを多用する歌声が印象的な(どことなく「平井堅」でニヤリ)、掘り出し物のトラックです。もう一曲のボーカルチューン「Thankful」も、ジョエルのボーカルで、こちらもスウィートすぎるぐらいのR&Bバラード。

これぞスムースジャズな曲ももちろん入っていて、元気いっぱいビートの「Oh so Good」、アーバンなムードの「Passing Time」、メランコリーなラテンテイストの「Muy Caliente」、いずれも楽曲として秀逸で、彼女のサックスから飛び出してくるソウルな音色のパンチにガツンとやられます。「Chillin'」、「Ja'licious」は、ムード満点、レイドバックなバラードで、さりげなく泣くサックスがクールこの上ない。

唯一、ちょっと路線の違うトラックが、コンテンポラリージャズな「The Ride」。ジャネットのジャズサックスプレイヤーとしての力量に納得するトラックです。スローな4ビート(2ビート?)に乗っかる、ブラスセクション(オーバーダビング?)と、ギター(ダレル・クルークス)とサックスの白熱するアドリブ合戦が痛快です。

全13曲はずれ無し、「Summer Rain」のボーカルトラック同様、全曲、歌入りにしたら、大ヒット間違い無しのブラコン・アルバムになりそう。

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