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2013年5月11日 (土)

Boney James 「The Beat」(2013)

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ボニー・ジェイムスの新作「The Beat」。タイトルは、収録されているセルジオ・メンデスとブラジル66の「Batucada(The Beat)」のカバー曲から。このトラックは名演奏で、このアルバムのハイライト。セルジオ・メンデスを取り上げるというは、ボニーのブラジルミュージックへのリスペクトなのかな。カバーの演奏は、ゲストのリック・ブラウンのトランペットと、ボニーのテナーのフロント2管が、ユニゾンしたり、ハモったり、チェイスし合ったりのノリが聴きもの。リックのトランペットはシャープで、ハーブ・アルパートの「ライズ」を思い出させる。ボニーのブロウも、負けるかって感じで、情熱的で、2管の絡みはぞくっとくる。リズムセクションのアタックも、ズシンと重量級で、タイトル通りのビートな演奏。この曲以外も、このアルバムはオン・ビートがテーマと思いきや、反して、バラードやスローな曲が多い。全10曲中、スローバラードが6曲なので、アルバムタイトルからノリノリのボニー・ジェイムスを期待すると、ちょっと違う。でも、結論から言うと、完成度は5つ星以上で、間違いなく今年のベストな1枚。もともと、ボニーのサックスの特徴は、ボーカリストだとすると、ハスキーでセクシーなところ。バラードやムーディーな曲で本領発揮。ボニー自作曲「Mari's Song」は、明るめのバラードで、ドラムレスで、ピアノとパーカッションで対話するジェントルなボニーのテナーにうっとりする。「Acualento (Lullaby)」は、マイナーなスローバラードで、コンテンポラリーなメロディーを、ささやくような、丁寧なテナートーンがググッとくる。R&Bテイストのとりわけ美メロディーの「Missing You」は、ポップなバラード。この演奏も、ドラムレスで、コーラスと対話する、ボニーのテナーが、セクシーだけどちょっとシニカルでクール。このアルバムの、もう一つの聴きものは、リズムセクション。ほぼ全曲、パーカッションはレニー・カストロ。ドラムスのオマーリ・ウイリアムス。ベースのアレックス・アル。このセクションが、繰り出すタイトなバッキングリズムが、このアルバム全体のシャープなグルーブを作っている。ミディアムテンポの「Sunset Boulevard」と「Powerhouse」では、ムーディーでセクシーなボニーのテナーの後ろで聴けるバッキング、キックでシャープなドラムスと、よけいなおかずを入れない忠実なベースラインと、さりげないラテンビートのパーカッションに耳を奪われる。各曲わずか4分ほどの10曲、無用に長い曲が無いだけ、完成度が高い。ゲストプレイヤーをたくさん入れて作ったアムバムでもなく、バックのリズムセクションも前に出過ぎず、ストレイトアヘッドなボニーのサックスが主役のベスト作品。

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