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2013年6月23日 (日)

Andy Snitzer 「The Rhythm」(2013)

Rhytm_lg ボニー・ジェイムスの新作が「ザ・ビート」で、このアンディ・スニッツアーの新作は「ザ・リズム」。ほとんどリリースが同じ2枚、タイトルがダブらなくて良かったななんて、どうでもいい心配をしてしまう。スタイルにほとんど共通性は無いけれど、スムースジャズのサックスプレイヤーを代表する2人の新作が、奇しくもなんとなく似ているのは、「トリビアの泉」的発見だと思うけど、だれも分かってくれないだろうな。さて、前作「Traveler」は、都会の裏側のような雰囲気で、静けさにアンディの骨太のサックスが響き渡る、なかなかいいアルバムだった。今回のアルバムは、前作に比してアップテンポのリズミックな演奏ばかりかというとそうでもなく、音作りは前作の延長にあって、ストレートアヘッドなアンディのブローやインプロビゼーションが力強いし、もの悲しいメロディーラインや、MIDIプログラムのシンセの背景音は聴いただけでアンディと分かるサウンドデザインだ。前作に比べると、メロディーがキャッチーな曲が多くて、この当りは作曲家としての彼の進化が伺える。全11曲、共作も含めて、アンディ自身の作曲。オープニングM1「Candy」とM2「Velvet」は、ハイライトな2曲で、マイナーなメロディーラインが、さりげなく知的な雰囲気のあるいい曲。「Velvet」の、リズムセクション、ドラムとベースがシャープに刻まれて、ギターのバッキングはちょっとR&B風にかっこいいし、後半のアンディのストレートアヘッドなアドリブは、本格派ジャズサックスプレイを味わえるし、出色のトラック。M8「Caso de Amor」ボッサリズムのジャージーな曲で、チャック・ローブとの共作で、チャックもゲスト参加した曲。これがなかなかいい演奏で、スタン・ゲッツを彷彿させてメローに吹くサックスが新鮮。今度、ボサノバのアルバムを作って欲しいなあ。アンディは、デビューのころ、デビッド・サンボーン・クローン(モノマネ)と酷評されたそう。たしかに、サンボーンのフォロワーではあるけれど、今やオリジナリティを確立した出色のサックスプレイヤーだ。ちなみに、アンディは「プロ・ツールス」と呼ばれるデジタル・オーディオ・システムに長けていて、デジタルの音作りはプロ級で、自己のレコーディングはもちろん、ボン・ジョビやデスティニー・チャイルドといったアーティストのデジタルエンジニアも手がけているそう。また、この人、ニューヨーク大学でMBAを取得して、J.P.モルガンで働いていた事もあるというから、頭の構造が違うんだろうなあ。これも「へえー」という「トリビア的」情報でした。

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