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2013年7月 1日 (月)

BWB 「Human Nature」(2013)

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BWBは、リック・ブラウン(トランペット)、カーク・ウェイラム(サックス)、ノーマン・ブラウン(ギター)のプロジェクト・ユニット。それぞれの頭文字を取って、BWB。このユニットでは、2002年に「Groovin」を出しているだけなので、この新作は10年ぶりのリユニオン。この新作は、全11曲、マイケル・ジャクソンの名曲をカバーした企画もの。奇しくも、デイブ・コーズの新作「Summer Horns」も、プロジェクト・ユニットでカバー曲を演るという、似たような企画の新作だった。実は、どちらも同じレコード会社「コンコード」からのリリース。企画的には似てはいるのだが、似て非なり。比べるのものではないが、はっきり言ってこちらのBWBの新作に軍配をあげたい。何しろトリビュートする対象が、マイケル・ジャクソンだから、取り上げたカバー曲は誰もが熟知したマイケルのヒット曲オンパレード。それだけで、リスナーは、あのマイケルの残像を期待して、この演奏を聴くと思うが、裏切られる。確かに、旋律はあの名曲だけれど、ここにはマイケルの唄声は聴こえないし、あの天才的なダンスの残像も思い浮かばない。この3人は、マイケルの名曲を、R&Bやブルースのテイストの、上質なコンテンポラリージャズに料理している。M-1「Another Part of Me」の、交互にアドリブする箇所から、3人のユニゾンにまとまる流れにはぞくっとくる。ノーマン・ブラウンが主旋律を弾いて始まるM-2「Billie Jean」は、「ビリー・ジーン」で踊るマイケルが浮かんで、やっぱりあのビート感が足りないな、なんて思っていたら、中間からのノーマン・ブラウンのジョージ・ベンソンばりのスキャットのなんとかっこいいこと。つられてやり取りするリックとカークのアドリブ合戦も聴きもので、これはベストトラック。M-6「She's Out of My Life」は、カークの優しい音色のサックスから入り、壮快なリックのトランペットに続いて、ノーマンのビート感のあるギター、それぞれが美しく雄大な演奏。どの曲も、3人の交互のプレイと、ハモったりユニゾンしたりのアンサンブルがあって、アドリブの会話につながるという構成。聞き覚えのあるメロディーを、3人のインプロビゼーションのキャッチボールは、時に熱くて、時に美しい。マイケルのオリジナルをなぞるのではなく、名曲を、コンテンポラリージャズのフォーマットの名演奏で、マイケルへのリスペクトを表現しようとしている。そんな「想い」が感じられる、すばらしい演奏のアルバム。

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  • スムーズジャズは、最高のコンテンポラリーミュージック。ググっとくるアーティストのバイブレーションを、リアルタイムで聴きたい。独断で選んだ新譜を中心に紹介します。
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