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2013年7月20日 (土)

Walle Larsson 「One Step Closer」(2013)

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カナダのウェール・ラーソンは、すでに5枚のアルバムを出している、キャリアも充分なサックスプレイヤー。カナダはスムーズジャズが盛んなところらしく、ロブ・ターディック(ギター)、ジェシー・クック(ギター)、フォー・80・イーストグルーブ55、などなどプレイヤーが傑出している。ウェール・ラーソンのこの新作アルバムは、独断と偏見で言うけれど、今年のベストなクオリティの一枚。このアルバムのプロデュースに、ジョナサン・フリッツエンと、スティーブ・オリバーが関わっていて、そのコラボレーションが成功している。全曲10曲の内、ジョナサンのプロデュース曲(作編曲もジョナサン)が4曲、スティーブのプロデュース(作曲はウェールとの共作)が4曲で、他2曲がウェール自身のプロデュース作品。ジョナサンとスティーブのキャラの違いは歴然だけれど、ウェールの自作曲を含めて、曲、アレンジ、演奏とも、はずれ曲が無くて完成度が高い。ジョナサンの、ポップス寄りの分かりやすいメロディーとピアノプレイは、ブラインド・リスニング・テストでもあればすぐに分かってしまうほど個性的。ウェールのサックスは、ジョナサンのポップなメロディーをクールに吹いていて、メローでポップなトラックに仕上がっている。M4「Bridges」は、ジョナサンもピアノで参加しているので、彼のピアノが聴こえたとたんにジョナサンワールド。ウェールとジョナサンがユニゾンするメロディーは美しいし、後半のジョナサンのピアノプレイはファンキーで、ウェールのサックスも、抜けがいい音色が壮快で、なかなかいい。M2「Treasure」は、ジョナサン特有のキャッチーなメロディーを、ウェールが丁寧にサックスで吹くのが、ジョナサンがピアノで演奏するより、スケールが増した感じ。方や、スティープ・オリバーの方は、自身の作品ではプログレとドリーミーな曲想が個性だけれど、ここではウェールの個性を引き出すプロデュースに徹している。M1「Laws of Groove」は、スパイロ・ジャイラのトム・シューマン(キーボード)も参加した、フュージョン・タイプのファンキーな曲。ウェールはソプラノを吹いていて、トムとインタープレイする後半のアドリブが聴きもの。M8「Bosso」は、注目のトラック。ラテンムードの曲とアレンジで、ウェールは、ガトー・バルビエリを思わせるような、セクシーでパッションに溢れたサックスプレイを聴かせてくれる。でもアルバム中のベストは、ウェール自身の作品2曲。タイトル曲M7「One Step Closer」は、ミディアムスローなメロディーが都会的で、ソプラノサックスの音色やアドリブはいやみが無いプレイは、コンテンポラリージャズとして完成度の高い一曲。ラストの曲M10「Pieces of Dreams」も、ソプラノが奏でる美しいメロディーのバラード。明るいシンプルなメロディーが、壮快で心地よくスムーズな佳曲。ジョナサン・フリッツエンと、スティーブ・オリバーは、それはそれで質の高いコラボレーションになっているけれど、ウェール自身のプロダクションも秀逸。次作は彼のワンマンプロダクションで固めて欲しいなあ。

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