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2013年9月24日 (火)

Jessy J 「Second Chances」(2013)

Jessy

ジェシーJは、デモを聴いたポール・ブラウンに見出される。ポールは、デビュー作「Tequila Moon」(2008)をプロデュース。次作の「True Love」(2009)、「Hot Sauce」(2011)、とすべてポールがプロデュースや演奏に深く関わっている。いずれも、ポールが作るサウンドの特色の、アダルト・オリエンテッドなR&Bムードに加えて、メキシコ系のジェシーならではのラテン路線をブレンドした洗練されたスムーズジャズ作品だ。ポール・ブラウンの秘蔵っ子と言っていいジェシーだが、よくありがちな方向性として、今回のこの新作「Second Chances」は、ポール・ブラウンが関与しない初めての作品になった。「Second Chances」というタイトルには、「諦めずにチャレンジする」意味を込めたと、ジェシー自身がライナーに記している。「2」をテーマにして、その数字がタイトルに入っている曲が、全10曲中6曲もあるのも面白い。ポール・ブラウンはいないけれど、共演しているのは、ジェフ・ローバーやノーマン・ブラウンなど大御所で、過去作品と遜色は無い内容だ。プロデュースは、ジェシー自身と共同したのが、ジェフ・ローバー(4曲)、ジョニー・ブリット(2曲)で、この2人が演奏にも加わっていて、この2人が関与した作品が、彼女の新しい方向性なんだろう。ジェフ・ローバーは、ベースのジミー・ハスリップに、ギターのマイケル・トンプソンを従えてのバック・アップで、このメンバーは「ジェフ・ローバー・フュージョン」そのまま。M8「Double Trouble」は、そのジェフ・ローバー・フュージョンに、ジェシーJが加わって、ストレートなフュージョン・ジャズのバンド・アンサンブルが聴けるところは、ジェシーの新境地だろう。同じジェフ・ローバーでも、M1「Listen 2 The Groove」、M5「Tango For Two」は、クール&メローな料理の仕方で、両曲はジェシーの今までの路線を踏まえたようなアレンジをしているのが興味深い。だけど、ポール・ブラウンにしても、ジェフ・ローバーにしても、最近のメジャーなスムーズ・ジャズ作品には、必ずどちらかが関与していて、超売れっ子だ。いずれの2人も、音作りも演奏も、間違いなくトップ級で、手堅いのは分かるけれど、音が同質的でちょっと新鮮味に欠ける。一方、ジョニー・ブリットが共同プロデュースした、M2「Second Chances」、M10「Twice」の2曲は光っている。ジョニー・ブリットは、フリューゲルフォン奏者でもあり、ボーカリスト。かつて、IMPROMP2というメローなソウル系デュオグループの一員だったそう。彼のソロ・アルバム「Feels So Good」(2012)は、コンテンポラリーなR&Bスタイルの作品で、彼のキャッチフレーズが「マービン・ゲイ・ミーツ・マイルス・デイビス」というのだから、ビッグな可能性の期待のアーティスト。「Second Chances」には、ギタリストのノーマン・ブラウンも参加、ジョニー・ブリットがコーラスとトランペットで参加している。「Second Chances」も「Twice」も、コンテンポラリーななかなかの楽曲で、ジェシーのサックスも、健康的で明るい音色が発揮されている。ジョニー・ブリットこそ、ポール・ブラウンに替わる、グッド・パートナーという感じがする。次回は全曲、ジョニー・ブリットと組んでみたらどうだろうか。

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