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2013年10月の記事

2013年10月28日 (月)

スムーズなシングル盤 ⑮

Blakeaaron5

Funk

Painted

 

注目のギタリスト3人の最新シングル3枚。ブレーク・アーロンの前作のシングル「You’re My Miracle」は、ポップなボーカル曲だったけれど、この新曲「Groove-O-Matic」は、横ノリ、ご機嫌16ビートのギターインスト。のっけから、ハンド・クラッピングとブラスセクションに合わせて、ブレーク・アーロンのベンソン風ファンキーフレーズが炸裂するクールなナンバー。ブレーク・アーロンの新作アルバムは、題名「Soul Stories」と発表しているのに、いっこうにリリースくれない。待ち遠しい。さて、ベンソン風といえばこの人、ユー・ナムの新作「C’est Le Funk」。サックス奏者シャノン・ケネディのプロジェクト「Nino Deux」と組んだ新曲。この曲に先立って、Nivo Deux名義で「Love’s No Distance」というシングルでも、ユー・ナムはコラボしている。実態は良く分からないけれど、どちらの曲も、シャノン・ケネディ(sax)と、ユー・ナム(g)の、同じコラボレーション・プロジェクトのようだ。さて、「C’est Le Funk」は、80年代のディスコ・チューンを思わせるファンキーな曲。エレクトロっぽいシンセと、ファンキーなギター・リフに、熱いサックス・ブロウの組み合わせの、ノリノリなナンバー。リーザ・カーンの新曲「Dreamwalker」は、前作「Simple Plan」でも特色だった、どこか民族音楽風なエセニックのムードを漂わせて、それでいて前作以上に、コンテンポラリーで洗練されたクールな曲になった。自己バンドの「ペインテッド・ダイアリーズ」との演奏。このバンドは、なんと、フィリップ・セス(kd)に、アンディ・スニッツアー(sax)がいる、すごいメンバーなのだ。

2013年10月26日 (土)

George Duke 「Dreamweaver」(2013)

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残念なことに、この新作をリリースしたわずか1ヶ月後に、ジョージ・デュークは帰らぬ人となってしまった。2013年8月5日のことで、67歳だった。70年代初頭から今に至るまで、フュージョンから、ディスコやファンク、ポップスの世界で、解説不要の偉大なプレイヤー、アレンジャー、プロデューサーであった。またひとり偉大な音楽家が旅立ってしまった。冥福を祈りたい。この新作はリリース直後から気になっていたのだが、ジョージが他界したと聞いて、なんとなく聴くのをためらっていた。「遺作」であるから、イマイチならそれはそれでいたたまれなくなるだろうし、快作ならそれもそれで切なく、意味なく、聴く機会を先送りしていた。でも、もっと早く聴けばよかった。3年ぶりのこの新作は、ジャンル問わず、ポピュラー音楽の形式を通して、彼の「メッセージ」を載せた、リスナーへの「贈り物」だ、それも、残念だけれど「最後の贈り物」になるなんて。先立つ、ちょうど1年前の2012年7月に、彼は最愛の妻コリーンさんを亡くして、音楽への情熱を失っていたという。ジョージ自身がライナーに寄せているように、この作品はその愛妻コリーンさんとの思い出に捧げたもの。失意を克服して、音楽に新たな情熱を込めた想いが伝わる作品になった。収録された作品のスタイルは様々だけれど、ジョージのピアノやボーカルがどの曲でも人間味にあふれた想いが伝わってくる。もしも、「遺作」でなければ、手放しで暖かい気持ちになれるグッド・ミュージックなのに。M-5「Missing You」は、愛妻への想いを込めたラブソングだろう、メロウなアダルト・オリエンテッド・バラードで、ジョージのアコースティック・ピアノがロマンティック。M-6「Change The World」は、異色な曲だけれどこのアルバムのハイライト。「We Are the World」を思わせるようなメッセージ・ソングで、ジョージの語りで始まる。「核の脅威や、世界中は問題だらけで難しいけれど、夢を見れば希望が持てる、この歌で世界の苦しみに元気を与えたい」。参加したコーラスがすごい、ジェフリー・オズボーン、ビービー・ワイナンズ、ララ・ハザウェイ、フレディー・ジャクソンといった、R&B・ソウルを代表するビック・シンガー達。「We Are the World」スタイルに、彼らが交互に「世界を変えよう」と唄う。この歌を、このアルバムに込めたジョージの人間味に感動してしまう。シンプルなメロディーの心に残るポップ・チューンだ。M-2「Stones Of Orion」もハイライト曲。スタンリー・クラークが参加した、ビック・バンド・スタイルのコンテンポラリー・ジャズ・チューン。もちろん、聴きものは、盟友同士である2人の共演で、ジョージのリリカルなピアノと、スタンリーのベースのストレード・アヘッドなアドリブが堪能できる。アルバムタイトルは「夢の織り人」とでも言うのだろうか。「アーティストは、夢の織り人。私は、音楽のキャンバスに絵を描く。」と、ジョージはこのアルバムのライナーに書き記して、旅立ってしまった。もっと描いて欲しかったのに。合掌。

2013年10月22日 (火)

Spyro Gyra 「The Rhinebeck Sessions」(2013)

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スパイロ・ジャイラの新作は、ニューヨーク郊外の街、ラインベックにあるスタジオでレコーディングされた。メンバーは、ジェイ・ベッケンスタイン(sax)、トム・シューマン(key)、スコット・アムブッシュ(b)、フリオ・フェルナンデス(g)、リー・ピアソン(dr)、の5人。ジェイとトムは、1978年のアルバム・デビュー当時からのオリジナル・メンバー(35年!)。フリオとスコットは、「Three Wishes」(1992)あたりから、定着しているようなので、その4人としては、20年近く不動のメンバーだ。ドラムスは、前作までのボニー・Bから、新しくリー・ピアソンに変わっている。この人のドラムスがすごいのだ。タイトで、完璧なリズムキープと、色彩豊かというか、縦横無尽に音が炸裂するドラムスだ。ピアソンの加入が、スパイロ・ジャイラに新しい息を吹き込んで生き返らせたと言ってもいい。今回の作品は、即効演奏を主体としたセッション・レコーディングということもあるが、ライブに近い臨場感に溢れた、ビビッドなバイブレーションが爆発する、このバンドの近年のベストと言ってもいいすばらしい演奏だ。80年代初頭の、デビューの頃のビートが感じられて、加えて上級のテクニックが加わった、久しぶりに硬派のフュージョンに、ガツンとくる。改めて、スパイロ・ジャイロに惚れ直してしまった。80年代から今も活躍している老舗フュージョン・バンドといえば、イエロー・ジャケッツザ・リッピントンズ、がいるけれど、この新作を聴けば断然にスパイロ・ジャイラに軍配を上げる。イエロー・ジャケッツは、ベースの重鎮ジミー・ハスリップから、フェリックス・パトリアスに変わってしまい、正直、失速の感が否めないし。ザ・リッピントンズは、ラス・フリーマンのワンマンバンドだから、アンサンブルのバイブレーションという点では比較にならないし。前作「A Foreign Affair」は、色々な曲想が入った作品だったので、ちょっと散漫な感じが否めなかった。この新作は、まさにストレート・アヘッドなフュージョン・サウンドに彩られていて、バンドが生み出すバイブレーションは本当にスリリング。M-3「Not Unlike That」は、パワフルなチョッパーベースが脳天をヒットしてくれる。こんなハードなフュージョン・サウンドを聴くのは久しぶりで、歓喜の、ベスト・トラック。M-5「I Know What You Mingus」は、チャールス・ミンガスをタイトルに入れた通り、4ビートをハード・バップの解釈で展開させるストレート・ジャズ・チューンで、バップ・スウィングが壮快な演奏。M-7「Clubhouse Jam」と、M-8「Odds Gets Even」の2曲は、今回のアルバムを象徴させるハイライト曲。いずれも、プログレ路線でフリーなアドリブ応酬がヒートアップする演奏。このファンキーで、洪水のようなサウンドは、昨今のヤワなスムーズ・ジャズへのアンチテーゼなのか。「Clubhouse Jam」での、ピアソンのドラムスが刻む16ビートは、まるでマシーンのごとく正確に、スリリングに疾走して行く。他メンバーの個々のアドリブは、フリー・スピリットに溢れていて、ここには美メロなんてないけれど、これこそフュージョンだ。

2013年10月20日 (日)

Jimmy Webb 「Still Within the Sound of My Voice」(2013)

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ジミー・ウェッブは、言わずと知れた、アメリカのポピュラー音楽を代表するシンガー・ソング・ライター。職業作曲家として、数々のヒット曲を量産している。代表曲は数多く、「恋はフェニックス」(グレン・キャンベル)、「マッカーサー・パーク」(リチャード・ハリス)、「ビートでジャンプ(Up,Up and Away)」(フィフス・ディメンション)、等々、名曲は枚挙に遑がない。1965年ごろを始まりに、公式に発表されている曲は、おそらく500曲は下らないだろう。ジミー自身のソロ作品も数多く、オリジナル・アルバムだけで12作になる。ジミーは67才になるはずだが、最近はツアーなど活発で、合わせて近年はソロ・アルバムも以前に比べると多作になっている。この新作は、交流の深いアーティストをゲストに迎えて、数々の過去名曲を再録した作品集。この企画は、前作「Just Across the River」(2010)と連作になっていて、2枚合わせて全27曲(新曲を含む)の名曲が収められている。ジミーの曲は、失恋や、苦悩や、旅など、普遍的な人生の一遍を切り取って、シンプルでハートフルな言葉とメロディーが魅力。ささやくような導入部から、劇的なサビへ流れていく、構成は典型的な曲が多いけれど、どの曲も、映画的な情景を思い起こす、心に沁み入るのが大きな魅力。この新作も前作も、そういった珠玉の名作が選ばれて、歌のうまさでは巧者たるシンガーが一緒に唄って、耳慣れた過去作品が輝きを増している。それにも増して、この2作は、演奏と録音が素晴らしい。両作品とも、ナッシュビルで録音されて、バンド・メンバーがほぼ同じ。カントリー&ウェスタンの伝統的楽器、バンジョーや、マンドリン、フィドル、アコーディオン、ドブロギター、スティールギター、などが中心なのだが、単なる歌伴でない生き生きとした一体感と色彩豊かな演奏に感激する。演奏はあまりオーバーダブを施していない、バンド演奏を基本とした録音で、ボーカルも粒立ちが良くて、アルバムを通してライブの臨場感に溢れている。ジミーの曲は、盟友グレン・キャンベルへの提供曲に代表されるように、初期から、カントリー&ウェスタン調の曲や、カントリー・シンガーへの提供も多い。ジミー自身シンガーとしても、カントリー・スタイルの歌唱スタイルだけれど、曲の普遍性は、それに留まらず、どんなスタイルの編曲やシンガーでも光り輝くのが、この人の曲の魅力。この2作品で、ゲストととほぼどの曲もデュエットしているのだが、カントリー特有の2声ハーモニーが、男女問わず、鳥肌もの。両アルバムの全27作を、分かる範囲で、発表古い順に並べて解説してみました。

(注:「Just Across the River」収録はA、と曲順とゲスト・アーティスト。新作「Still Within the Sound of My Voice」収録はB、と曲順とゲスト。年号はオリジナル発表年度とアーティスト。)
(1)「By the Time I Get to Phoenix」(1965:ジョニー・リバース)[A-6:グレン・キャンベル]
ジミーの出世作で名曲の1つ。グレン・キャンベルにとっても、1967年に唄って、グラミー賞に輝き出世作になった。そのグレンをゲストに迎えての再録。グレンが唄って入ると空気が変わる。ジミーとグレンの2声コーラスが、なんとも切ない。ギターソロは、マーク・ノップラー。
(2)「MacArthur Park」(1968:リチャード・ハリス)[B-13:ブライアン・ウィルソン]
これも説明不要の名曲。もともと、アソシエーションのために書かれたが、ボツになったというのは有名な話。当時、7分を超える曲がヒットするのは異例だった。この新録は、バックコーラスが、ブライアン・ウィルソンで、ビーチ・ボーイズを彷彿とするバージョンになっている。後半のエイト・ビートで聴ける、ドブロ・ギターのソロは、「ドブロの名手」ジェリー・ダグラス。必聴。
(3)「Do What You Gotta Do」(1968:ジョニー・リバース)[A-12]
ジョニー・リバースは、60年代初期のロックンロール歌手として有名で、早い頃からジミーの曲を取り上げていた。グレン・キャンベル以前に「恋はフェニックス」を唄っているし、プロデューサーとして、フィフス・ディメンションのためにジミーを作曲家として採用して、「ビートでジャンプ(Up Up and Away)」が生まれた。
(4)「Wichita Lineman」(1968:グレン・キャンベル)[A-2:ビリー・ジョエル]
この曲も「名曲」。有名な歌詞は、ウィチタの「電線マン」の歌。荒野に継ぎ渡る電線で作業をこなして、恋人に想いをはせる。ビリー・ジョエルの唄声は、荒野のようになんとおおらかなことか。ここでもジェリー・ダグラスのドブロが聴ける。
(5)「Galveston」(1969:グレン・キャンベル)[A-4:ルシンダ・ウィリアムズ]
グレン・キャンベルのご当地ソングはいずれも名作で、フェニックス、ウィチタ、そしてこのガルベストン。ゲストのルシンダ・ウィリアムズは、カントリー歌手だが、いわゆる「オルタナ・カントリー」のジャンルで、フォークやロックやブルースと伝統的C&Wをフュージョンさせて評価されている人。ロックボーカリストとしてもグラミーを受賞している。
(6)「Where's the Playground Susie」(1969年:グレン・キャンベル)[B-4:キース・アーバン]
これもグレン・キャンベルが初出。彼のアルバム「Galaveston」(1969)に入っている。 ゲストのキース・アーバンは、オーストラリア出身の「イケメン」カントリー歌手。2004年にグラミー賞を取っている。ちなみに、奥さんは女優のニコール・キッドマン。
(7)「Sleepin' in the Daytime」(1970:ジミー・ウェッブ)[B-1:ライル・ロヴェット]
ジミー自身のソロアルバム「Words and Music」(1970)の1曲目。カントリー歌手、 ライル・ラヴェットがゲスト。ライルも、ジュリア・ロバーツと結婚(離婚しましたけど)。キース・アーバンといい、ライルといい、カントリー歌手というのはもてるんですね。
(8)「P.F.Sloan」(1970:ジミー・ウェッブ)[A-5:ジャクソン・ブラウン]
最近、ルーマーが近作アルバム「Boy Don't Cry」で取り上げた曲。ちなみに題名のP.F.スローンとは、60年代のソングライター。バリー・マクガイアの「明日なき世界」の作者。60年代のスタジオ・ミュージシャン、いわゆるレッキング・クルーのセッション・ギタリストとして、ママス&パパスの「カリフォルニア・ドリーニング」の演奏者でもあった。しかし、ソロ・アーティストとしては大成せず、業界から消えてしまった。「ノーノー。もうその歌は唄わないで。それはP.F.スローンの曲だから。彼の行き場はわからない。彼の歌も聞かない。彼はいなくなってしまった。」と、商業主義の音楽業界の悲哀を唄っているのだろうか。
(9)「Honey Come Back」(1970:グレン・キャンベル)[B-11:クリス・クリストファーソン]
語りとサビで出来ている典型的なウェスタン。ゲストのクリス・クリストファーソンがとにかくシブくてしびれる。クリスはおそらく77才。エンディングの演奏も秀逸で、スティール・ギターの伸びのある音色が美しい。ベストトラックの1曲。
(10)「All I Know」(1973:アート・ガーファンクル)[A-13:リンダ・ロンシュタット]
アートのソロ・デビュー作「Angel Clare」の1曲。ジミーがアートのために書き下ろした曲。その後、アート・ガーファンクルは、ジミー・ウェッブの曲を好んで取り上げている。「Watermark」(1977)は、全11曲ジミー作品のアルバムの予定だったが、1曲「Fingarpait」だけが、発売時に差し替えられて未だに公式に発表されていない。「Scissors Cut」(1981)では、タイトル曲を含めて3曲唄っている。 エイミー・グラントと組んで作成したクリスマスの企画アルバム「The Animals' Christmas」では、全12曲を唄っている。ゲストのリンダ・ロンシュタットも、ジミーの曲を良く唄っている人で、アルバム「Cry Like a Rainstorm, Howl Like the Wind」(1989)で4曲、「Get Closer」(1982)で2曲を、「Winter Light」(1993)では2曲、唄っている。カントリー・バラードに仕上がったこのバージョンも、リンダとジミーのハーモニーが素晴らしいトラック。これもベスト・トラックの1曲。
(11)「Another Lullaby」(1973:アート・ガーファンクル)[B-8:マーク・コーン]
これもアートの「Angel Clare」の中の1曲。マーク・コーンは90年初頭から活躍しているシンガーソングライター。代表曲「Walking in Memphis」(1991)などを聴くと、ジミーの影響を受けている世代のひとりなのかもしれない。
(12)「The Moon Is a Harsh Mistress」(1974:ジョー・コッカー)[B-7:ジョー・コッカー]
ジョー・コッカーがアルバム「I Can Stand a Little Rain」で唄った名曲。ジョー自身がゲストとして再演。ジョーも70歳になろうかという年齢なのに、この力強い唄声は感動的。クリス・クリストファーソンもしかり、年とともの歌のうまさは脱帽もの。
(13)「Highwayman」(1977:ジミー・ウェッブ)[A-9:マーク・ノップラー]
「By The Time I Get to Phenix」の演奏ではギターを披露したマーク・ノップラーが、このトラックではボーカスで参加している。
(14)「If You See Me Getting Smaller」(1977:ジミー・ウェッブ)[A-3:ウィリー・ネルソン]
大御所ウィリー・ネルソンがゲスト。もしろんウィリーの歌のうまさは表現不要。いやあ、男性デュエットのカントリーソングがこんなにかっこいいなんて。
(15)「Oklahoma Nights」(1981:アロー・ガスリー)[A-1:ヴィンス・ギル]
カントリー歌手ヴィンス・ギルと、ジミーは同じオクラホマ出身で、この歌を取り上げたのは興味深い。2人の初共演は、2001年3月にニューヨークで行われたブライアン・ウィルソン・トリビュート・コンサートで、2人とディビッド・クロスビーが、ビーチボーイズの「Surf's Up」を唄っている。(見た事無いけれど、DVDが出ている。)
(16)「Easy for You to Say」(1982:リンダ・ロンシュタット)[B-2:カーリー・サイモン]
リンダ・ロンシュタットが、アルバム「Get Closer」(1982)で唄っている。カーリー・サイモンも、ジミー作品を唄っている人。「Film Noir」(1997)でタイトル曲、「This Kind of Love」(2008)で4曲、取り上げている。
(17)「I Was Too Busy Loving You」(1982:グレン・キャンベル)[A-10:JDサウザー]
ピアノをバックに、JDサウザーとジミーのデュエットが、しっとりと沁み入るバラード。
(18)「Cowboy Hall of Fame」(1985:グレン・キャンベル)[A-7] ゲストシンガー無しの、ジミーとバンドの演奏。スチールギター、フィドル、マンドリンのアンサンブルが軽快な演奏。
(19)「Shattered」(1985:グレン・キャンベル)[B-14:アート・ガーファンクル]
この曲の初出(おそらく)は、グレン・キャンベルの「It's Just a Matter of Time」(1985)。このトラックの演奏のピアノは、ジミー自身で、アートが唄うと賛美歌を思わせるしっとりとした「アート節」になって美しいことこの上ない。
(20)「Still Within the Sound of My Voice」(1987:グレン・キャンベル)[B-5:ルーマー]
アルバムのタイトル曲。グレン・キャンベルの同タイトルのアルバムで唄い、リンダ・ロンシュタットのバージョンもある。ルーマーとは初共演のデュエット。ルーマーの若々しい声が、このアルバムのゲストの中では異色に聴こえる。ルーマーの「P.F.スローン」が縁での共演なのかな。
(21)「If These Walls Could Speak」(1988:エイミー・グラント)[B-6:デイビッド・クロスビー&グラハム・ナッシュ]
デイビッド・クロスビーとグラハム・ナッシュとのハモりは、鳥肌もので、とたんにCSN&Yのムード全開。アコースティック・ギターと、マンドリンのバッキングが美しい。 ちなみに、デイビッド・クロスビーは、ソロ・アルバム「Thousand Roads」(1993)で、ジミーの曲「Too Young to Die」を取り上げている。
(22)「Elvis and Me」(1993:ジミー・ウェッブ)[B-3:ザ・ジョーダネアーズ]
ザ・ジョーダネアーズは、4人組のゴスペル・コーラス・グループで、50年代から70年代まで、プレスリーのバック・コーラスを務めた。 最後のオリジナル・メンバー、ゴードン・ストーカーは、2013年3月27日に88才で他界。これが最後の録音になったという。
(23)「It Won't Bring Her Back」(1993:ジミー・ウェッブ)[A-11]
ゲストシンガー無しの、ジミーとバンドの演奏。ジミーのソロ「Suspending Disbelief」(1993)に入っていた同曲の再演。
(24)「Adios」(1993:ジミー・ウェッブ)[B-12:エイミー・グラント]
ジミー特有のもの悲しいメロディーが、エイミー・グラントとジミーの男女2声のハモりで、ことのほか美しい曲。アコーディオンのバックもジンと来てしまう。
(25)「You Can't Treat the Wrong Man Right」(1993:リンダ・ロンシュタット)[B-9:ジャスティン・カリー]
ジャスティン・カリーは、スコットランドのロックバンド、「デラミトリ」のオリジナル・メンバーの1人で、ソロ・シンガーとしても活躍している。いずれも初めて知ったアーティストだけれど、こういう新鋭のアーティストと組むのもジミーの真骨頂か。
(26)「Where Words End」(2009:ジョニー・リバース)[A-8:マイケル・マクドナルド]
もう70歳になろうかというベテラン・カントリー歌手ジョニー・リバースの「Shadows On The Moon」に入っている曲。この曲は、ジョニーの93歳の母親が他界したときに作ったそう。この曲の題名はジョニーの提案で、歌詞の「just across the river」がアルバム・タイトルになっている。
(27)「Rider from Nowhere」(新曲)[B-10:アメリカ=ジェリー・ベックリー&デューイ・バネル]
かつて、アニメ映画「The Last Unicorn」(1981)の音楽を、ジミーが作曲して、アメリカが唄った。ネットで見つけたインタビューによると、この曲は、アメリカのために書き下ろした新曲のようだ。アメリカのデビュー曲「A Horse With a No Name」と、タイトルが韻を踏んだように感じるのは錯覚だろうか。「僕は出発点の無いライダーさ」と唄われる、なかなかいい曲。

2013年10月12日 (土)

Lin Rountree 「Serendipitous」(2013)

Lin

トランペット奏者リン・ラウントリーの4作目となる新作は、メジャーレーベルのカットモア・レコード(トリピン・アンド・リズム・レコードの傘下レーベル)からのリリース。プロデュースはネイト・ハラシム。ゲストプレイヤーは、ネイトに加えて、同じレーベルのアーティストであるダーレン・ラーン(sax)、ランディ・スコット(sax)ら、レーベルのスタープレイヤーが客演している。ニコラス・コールも作曲の共作で参加している。先行シングルで出ていたM1「We Chill」は、タイトルそのままのチル・アウトなムードの佳曲で、他にも同様のムードの曲が多く、メランコリックに響くリンのトランペットの音色にぐぐっとくる。ミュートプレイこそ、トランペットでしょう、と個人的な思い入れに答えてくれるのがM8「Let It Groove」で、ミュートでスローファンクを演っているのが光っている。M10「Get Down」も、他の曲調と打って変わって、オン・ビートなスムーズジャズ・チューン。このトラックは、ダーレン・ラーンとチェイスするリンのトランペットは高音が突き抜けて壮快だ。チル・アウトなムードをテーマにしたこの作品は完成度が高くて、音作りも、リンの演奏も洗練されている。それはプロデューサーのネイト・ハラシムの手腕によるものだろう。突っ込む訳ではないけれど、ちょっとスマート過ぎる感じ。高音でバリバリ吹きまくるような、リンのトランぺッターとしての技量を、ヒップで、ディープソウルな、ファンクな演奏で聴いてみたい気がするのだけれど。

2013年10月 6日 (日)

Steve Cole「Pulse」(2013)

Pulse

スティーブ・コールは、シカゴ出身のサックス奏者。1998年にデビュー以来、6枚のソロアルバムを出しているキャリアの長いプレイヤー。ボニー・ジェイムスとデイヴ・コーズは、今やスムーズジャズ界のスターと言っていいほどのサックス奏者だが、このスティーブ・コールも引けを取らない実力者だ。スティーブは主にテナーを吹く人で、時にゴリゴリした骨太な音色が魅力。先の2人のポップなサウンドに比べて、スティーブは本格派という感じで、デイヴィッド・サンボーンを思わせるようなところもある。この新作は、デイヴィッド・マンをプロデューサーに迎えて、ソウルフルなグルーブに、スティーブのテナーがファンキーで、なかなか熱いブローも聴かせてくれる作品だ。詳細は分からないのだが、このアルバムの全10曲は、スティーブとデビッドの共作が中心のようで、デイヴィッド・マンもサックスで参加して、スティーブ・コールとの2管でファンキーなグルーブを作っている。ジャケットデザインからして、ストレートなフュージョン・ジャズを思わせるのだが、M1「Pulse」はまさにそんな感じの演奏。ファンキーなビートに、突き抜けるようなスティーブのサックスが壮快なハイライト曲。M10「Believe」は、一番ファンキーな曲。ブラス・セクションをバックに、スティーブの一番熱いブローが聴ける。スティーブ・コールは、ジェフ・カシワ、キム・ウオーターズの3人サックス奏者で、The Sax Pack というトリオを組んで、2枚の作品を出している。2009年から作品を出していないので、今度はぜひ復活の作品が聴きたい。(The Sax Packは、2012年のツアーから、キム・ウオーターズに替わって、マーカス・アンダーソンが参加している。ホーム・ページでも、すでに、キム・ウオーターズの名前が消えて、マーカス・アンダーソンに替わっているので、次の新作は近いかも知れない。)

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