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2014年2月 8日 (土)

Magnus Lindgren 「Souls」(2013)

マグナス・リングレンは、スウェーデンのサックス奏者(フルート、クラリネットも吹く)。作編曲家でもあり、才能溢れるジャズ・アーティストだ。スウェーデン・グラミーなど多くの受賞歴もあり、スウェーデン・ジャズ界を代表するアーティストの1人。ハービー・ハンコック、ジェイムス・イングラム、ニコラス・コンテなど、世界的なミュージシャンとも共演している。同じスウェーデンのミュージシャンで、「スウェーデンのクインシー・ジョーンズ」と呼ばれている(らしい)、トロンボーン奏者ニルス・ラングレン主催のファンク・バンド「ニルス・ラングレン・ファンク・ユニット」のメンバーでもある。ちなみに、この「ファンク・ユニット」は必聴!新譜が出たら紹介したい。

さて、リングレンのこの新作は、ボーカリストを迎えて、リングレンが「歌伴」にまわるという企画的な内容。複数のボーカリストが参加しているので、アルバムの統一感より、コンピレーションのようだが、それぞれカラーが違っても完成度の高い楽曲ばかり。

参加しているボーカリストは、イヴァンス・リンス、グレゴリー・ポーター、マーク・ライリー(マット・ビアンコ)、リグモール・グスタフソン、アンナ・クリストッフェション、マリー・フレデリクソン(スウェーデンのロックデュオ、ロクセットの1人)。中でも、注目は、新人とは思えないカリスマ性のある、男性ジャズ・ボーカリスト、グレゴリー・ポーター。伝統的なジャズボーカルのスタイルであり、黒っぽいソウルな「味」もある唄声の持ち主。

ポーターが参加した3曲、M1「Souls」、M7「Small Stuff」、M8「Broken Heart」は、いずれも「しぶい」ポーターの唄声に耳が奪われる。でも、ゲスト参加ということもあるのか、ポーターは少し「控えめ」な唄いっぷり。それがむしろピッタリな楽曲と言える「Souls」は、AORのような楽曲で、ボーカルとサックスの掛け合いがメローでかっこいい。「Small Stuff」はファンキーな楽曲で、フルートがこんなファンキーなんて、出色のトラック。ボーカル無しのインスト3曲もすばらしい。M3「Creepin」(スティービー・ワンダー)では、オーバーダビングのフルートとサックスの重なりが印象的だし、M6「Barcelona」(これはリングレンの自作曲)はメランコリックなサックスが、これはまさしく正当派ジャズのプレイヤーという感じで、曲のメロディーも、絡むギターも美しい佳曲。

最後の曲は、スティング作のポリスの名曲、M11「Wrapped Around Your Finger」で、ここでも彼のフルートが聴きもののベスト・トラック。色っぽく艶やかで、力強くもある音色は、そうか、まるで「唄声」のようなフルート。これが、リングレンのこのアルバムの「答え」なのかな。

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