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2014年3月 1日 (土)

Dean Grech 「We Got Lost」(2014)

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ディーン・グレッチという人の新作。西海岸を中心に活動している、ギタリストであり、ボーカリストでもあり、作曲家でもあるアーティスト。初めて聴いたアーティストなのだが、これがなかなかいい。まず、ボーカルがいい。中性的でソフトな声で、ジャケットのオジさん(失礼)風貌からは想像出来ない魅力的な唄声だ。チェット・ベイカーとか、ニック・デカロ、はたまたマイケル・フランクスも入っているような感じ、と言ったら想像が付くだろうか。そして、ギターはオーソドックスなジャズ・ギターで、これもなかなか。ウェス・モンゴメリーが乗り移ったようなオクターブ奏法に、ビーバップ・スタイルのセミ・アコがあり、アコギありの巧者だ。過去作品は「Look Out」(2009)というファースト・アルバムがあり、その中の「Funky Talk」という曲は、日本のマクドナルドの宣伝用音楽に採用されたこともあるそうだ。マックを食べながら、知らずに聴いていたのかもしれない。そして、この作品がセカンド・アルバム。クレジットが無いので詳細は分からないのだが、全12曲がグレッチの自作曲だろう。いずれの曲も佳作揃いで、作曲の才能にも目を見張る、いや耳を見張る、か。6曲が歌入りの曲で、残りの6曲がインスト。M2「We Got Lost」は、かつてのボビー・コードウェルかと思わせるキャッチーなメロディーの曲で、グレッチのソフトな唄声がぴったりのAORチューン。ブラスやリズムアレンジをもっとパワフルにしたらヒットしそう。M7「Feeling I Can’t Undo」は、チェット・ベイカーしているスタンダードなジャズ・バラード、でもグレッチのオリジナルなのかな。からむギター・プレイも、スロー・スウィングしたジャズ・ギターのパッセージが、ジャズ・クラブのムード。M8「Suddenly」は、これはマイケル・フランクスかな、リピートしたくなるポップ・チューン。これは、ルーマーのような女性歌手が唄ったらいいと思うのだけれど。インスト曲M6「Playa Rosa」は、フラメンコ調のアコギを奏でる曲で、絡むオルガンやアルペジオがヨーロッパを思わせる哀愁的な曲。M9「Let’s Go」は、ビーバップ・ジャズで、ここで聴けるグレッチのオクターブ奏法は、ウェスそのままに、もっとシャープなアドリブがかっこいい。M12「Altercation」も、ビッグ・バンド・ジャズで、ジミー・スミスを思わせるオルガンとブラス・セクションの4ビートを、グレッチのギターが、ウェスはもちろん、ケニー・バレルが見えたりして疾走するクールな演奏。チェット・ベイカーの唄声と、ウェス・モンゴメリーのギター、合体という感じかな。

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