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2014年4月 6日 (日)

Paul Taylor 「Tenacity」(2014)

Tenacity

ポール・テイラーの10枚目の新作。メローな美音色のサックス奏者といえば、ケニーG、ナジーマリオン・メドウズ、など、聴き逃せないアーティストが多いが、この人、ポール・テイラーは個人的にベスト・プレイヤーのひとり。いや、最右翼かな。ソウルフルなサウンドや、ファンキーなプレイも、この人の持ち味だけれど、美しいサックスの音色は、知的で、ピュアなところが、一番の魅力。この新作は、全10曲、比較的スローな曲が中心で、バラード作品集という趣のアルバムになっていて、メローなテイラーが堪能できる。特に、M1「Supernova」(ピアノはジョナサン・フリッツエン)、M5「Luxe」、M9「More to Come」、の3曲は、ソプラノ・サックスを吹いているトラックで、その音色とメロディーには癒されてしまう。方や、視界が広がるような心地よさを与えてくれるアルトの音色も魅力的だ。M2「Tenacity」は、ミディアムスローなポップな曲で、ファンキーなサックスだけど、ノリを押さえ気味なところがテイラーらしいサウンド。M8「Open Road」は、バラード中心のアルバムの中で、ミディアム・テンポだけれど爽快感あふれる曲。セルフ・ダビングのサックスがかっこいい。M4「Spur of the Moment」は、R&Bムードの曲で、これも疾走しそうでしないというか、タイトなリズムに乗っかって、ユニゾンダビングされたサックスがファンキーだ。ポール・テイラーのデビュー作「On The Horn」(1995)は、キーボード奏者ケイコ・マツイの夫でありプロデューサーのカズ・マツイがプロデュースした作品。その後、9枚のソロアルバムを、ほぼ2年ごとにコンスタントにリリースしている。テイラーは、1999年頃、ザ・リッピングトンズのサックス奏者でもあった(ジェフ・カシワの後任)。ザ・リッピングトンズのアルバムでは、「Topaz」(1999)、「Live Across America」(2000)が、テイラーのリード・サックスが聴ける作品。今回の新作は、彼のデビュー当時からサウンドを共作していたDino Espositoという人が、プロデューサーで、1曲をのぞく全作品をテイラーと共作している。バックサウンドは、Espositoのキーボードや、リズムもプログラムによるワンマンバンドなので、好みが分かれるところ。もっとR&Bでソウルフルなグルーヴのテイラーなら、近年作の「Burnin’」(2009)がいい。

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