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2014年5月の記事

2014年5月31日 (土)

Cindy Bradley 「Bliss」(2014)

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シンディ・ブラッドリーの待望の新作。前作アルバム「Unscpripted」(2011)は、ビルボードのジャズ・チャートでトップを記録。シングル「Massive Transit」も、スムーズ・ジャズ・ソングスのカテゴリーで6週間トップになり、まさに大ヒットだった。その作品のプロデューサーは、マイケル・ブローニングで、彼の手腕もヒットの要因だったろう。もちろん、ブラッドリーのプレイも、レイドバックして、クールなフレーズを奏でるところが、伝統的なジャズ・トランぺッターを思い起こさせて、魅力的だ。この新作も、ブローニングをプロデューサーに迎えて、トリッピン・アンド・リズム・レコードから出した「Bloom」(2009)から続けての3作目になる。3作品のオリジナル曲は、ほとんどが2人の共作。なので、この新作も前作からの路線を外れることのない、クールなブラッドリーが堪能できる。M3「Riverside Jive」や、M5「49th & 9th」は、「Massive Transit 」を思わせるキャッチーでタイトなリズムに、ブラッドリーらしさを感じて、前作の続きのようで、驚きはないけれど、この安心感もまたいい感じ。ブラッドリーのバラード・プレイも、暖かいフレージングがいい感じで、M2「Bliss」のフリューゲル・ホーンや、M10「Lost and Found」のオープン・プレイで聴ける音色は、じわっと視界が広がるような絵画的でもあり、美しいトラック。前作同様、プログラムされた打ち込み系のサウンドが中心なのだが、その中でも、M4「Squeeze Me」(デューク・エリントンの曲)はちょっと異色。ブラッドリーのミュート・トランペットが主役の、アコースティックなピアノやギターが絡むムード・ジャズを演っていて、これがけっこう新鮮だ。次回は、アコースティックな演奏でアルバムを作って欲しいなあ。ところで、今度の作品、ほとんどの曲で、サックスがフューチャーされている。M7「Comin’ Home to My Baby」でも、ブラッドリーのトランペットと、サックスが、会話を交わすごとくに絡むのだ。サックス奏者は、ダン・シプリアーノという人で、去年、シンディと結婚したそう。アルバムタイトル「Bliss」の意味は、「至福」だからね、なるほど。ごちそうさま。

2014年5月21日 (水)

スムーズなシングル盤 ⑱

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フュージョン的なヴァイブレーションに、ググッと来る新作シングル3枚。トリッピン・アンド・リズム・レコードのスター・アーティストが組んだスーパー・バンドが「ジェネレーション・ネクスト」。デビュー・シングルが「Let It Ride」で、メンバーは、ニコラス・コール(キーボード)、リン・ラウントゥリー(トランペット)、レブロン(サックス)、ジュリアン・バーン(ベース)というから、スムーズ・ジャズ・ファンは必聴。売れて当たり前だけれど、4人の演奏がそれぞれフューチャーされていて、オーソドックスなフュージョン・サウンドなのが嬉しい。アルバムが出たらヒット間違いなしだろうなあ。 サックス奏者ブラッド・ランブールの新作シングルは「Heard You Smile」。ブラッドは、サックスに加えてギターを演奏。グレッグ・マニング(キーボード)とジェームス・イースト(ベース)が参加したサウンドは、グルーヴィーなポップ・チューン。ランブールのギターがロックしているのが聴きもの。ちなみに、ジェームス・イーストは、ネイザン・イーストの弟で同じベーシスト。 ニューヨークのサックス奏者ヴィンセント・イオイアのシングル「No Time Like Now」もなかなか。IT企業で長いキャリアがあり、それも重役クラスから転身してのデビューというから驚き。デヴィッド・サンボーンやラリー・カールトンらと共演したこともあるリッキー・ピーターソン(キーボード)が参加したサウンドは、アーバンなフュージョンで、ヴィンセントのサックスはアタックのある「突抜け」る音色がスカットして気持ちいい。フル・アルバムが待ち遠しい。

2014年5月17日 (土)

Down To The Bone 「Dig It」(2014)

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ダウン・トゥ・ザ・ボーン(下記DTTB)は、1996年結成のUKのバンド。DJであったスチュワート・ウェイドが中心となって作られたプロジェクト・バンドであるが、ウェイド自身はミュージシャンではなく、プロデュースに専念している。デビュー作「From Manhattan to Staten」(1997)で人気を博して、UKアシッド・ジャズの代表的バンドと称される。DTTBはアシッド、ソウル、ファンク、R&B、ヒップホップのミックスしたグルーヴが魅力で、その点では、同時代から続く、同じUK出身のインコグニート、ザ・ブランド・ニュー・ヘヴィーズ、と共通的な路線。サックス奏者シルツは、このDTTBのオリジナル・メンバーだった。さて、この新作は、DTTBとして10作品目。近年はライブ・バンドとしての活動も活発なようで、UKとアメリカで、それぞれ別のフォーメーション・メンバーで演奏しているようだ。ライブ演奏の活動背景が反映しているのか、この新作は、グルーヴィーな躍動感溢れる秀作。インコグニートや、ザ・ブランド・ニュー・ヘヴィーズが、R&Bやソウル、それもダンス系路線なのと比べると、DTTBはバンドのアンサンブルを重視した、硬派で、クールなファンク・ジャズ。ボーカルに、インコグニートとも共演しているケイティー・レオーネが参加したM4「Happiness Is A Healer」と、M6「Put A Different Spin On It」は、キャッチーなメロディーと、アンサンブルがダンスフロア的であってもヤワにならず、ファンキーなグルーブが魅力なトラック。M7「The Sweetness」は、アーバンなフュージョン風のアンサンブルで、何度も聴きたい。M2「The Bounce」は、ダンスを誘うようなフレージングに、メローなサックスやアコピが絡むクールなチューン。M3「Dig It」は、疾走するブラスとリズムと、ヴィブラフォンのインタープレイが秀逸なベスト・トラック。クレジットが無いのでどの曲か分からないが、ゲストに、オリ・シルクが参加しているようで、スムーズ・ジャズ・ファンは注目。マンハッタンの地下鉄を想起させて、駅名にタイトルとバンド名と矢印とは、うーん、なんともこのジャケットは秀逸。

2014年5月10日 (土)

新作ニュース

ニルスの新作は、彼の過去の5枚の作品からのベスト・セレクション。新曲1曲が入っているよう。スティーヴ・オリバーの新作もベスト・アルバム。こちらは2曲の新曲入り。ジョナサン・バトラーの新作に期待。ジョージ・デュークとの共作も入っているらしい。彼の歌もいいけれど、ギター中心のインスト曲がたくさん聴きたい。ザ・リッピングトンズの新作「Fountain of Youth」も出ます。シャカタクの新作「On The Corner」。どちらも、老舗バンドの、いつものサウンドと分かってはいても、聴いてしまうだろうなあ。ポール・ハードキャッスルの新作は、久々のジャズ・マスターズ・シリーズの7作目。「ハードキャッスル」シリーズのシンセのチルアウトとはちょっと異なり、こちらはスムーズ・ジャズ寄りのサウンドのはず、期待したい、

Nilsbest Steveoliver Livingmydream

Ripps

Shakatak

Jazzmasters

2014年5月 5日 (月)

Incognito 「Amplified Soul」(2014)

Amplifiedsoul

インコグニートは、結成が1981年で今年35周年、この新作は16作品目。アシッド、ファンク、ヒップホップなど特定の代名詞で留められないほど、今や最強のインスト・ユニット。最近は特に、ソロ作品やシトラス・サンの最近作など、その他プロデュース作品も手がけて、精力的な活動が目立つブルーイの才能が、まさに開花していて、バンド・ユニットとしてもリアルなグルーヴがノリに乗っている。この新作は、70年80年代の伝統的なソウルやダンス・ミュージックに回帰したメロディーやビートが、クラッシックであるけど、そこに未来的なブルーヴを体現できる作品。ダンス・ミュージックを料理したトラックがことさらググッと来てしまう。M5「Hats(Make Me Wanna Holler)」の、タイトな16ビートがキャッチーで、このグルーヴにガツンと来ないリスナーはいないだろう。M6「Silver Shadow」は、アトランティック・スター1985年のヒット曲のカバー。ホーン・セクションを配して、パワフルに蘇えらせた名曲に脱帽。M14「Never Know A Love Like This」はベスト・チューンで、スティーヴィー・ワンダーと思わせるトニー・モムレルと、ヴァネッサ・ヘインズのデュエットがチェイスすることろや、ホーンやリズム・セクションのパワー溢れるグルーヴは、鳥肌もの。スムーズ・ジャズ・ファンとしては、ボーカル無しのインコグニートらしいファンク・インスト曲に期待するのだが、この作品では2曲。M11「Wind Sorceress」は、トランペットが主役のおとなし目のファンク・ナンバー。トランペットももちろんだけれど、この曲の複雑でありスムーズなリズム・セクションはインコグニートならでは。もう1曲のインスト・ナンバーは、タイトル曲M1「Amplify My Soul」のインスト・バージョンM8「Amplify My Soul (part 2)」。リズムとホーン・セクションは、安定感のあるコンビネーションで、飛び回るサックスがヒップで、まさにファンクを感じるナンバー。全曲とは言わないけれど、半分ぐらいインストで固めた作品を作って欲しい。M16「Stop Running Away」は、ブルーイのファルセット・ボーカルがフューチャーされた、かっこいいナンバー。プロモ・ビデオの中の、ブルーイはちょっと「マリオ」みたいなキャラにされているけどね。

2014年5月 4日 (日)

Tony Travalini 「Renaissance Man」(2014)

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ギター奏者トニー・トラヴァリー二は、かつてモータウンから「This Is It(This Is My Love)」(1980)という自作曲をリリースしている。その曲は、YouTubeで聴ける。ファルセット・ボーカルが印象的な、EW&Fを想起するカラッとしたウェスト・コースト風ソウルのキャッチーなナンバー。ちなみに、その曲のプロデュースは、テディ・ランダッツオという人で、オールディーズ・ファンなら周知の人。60年代に活躍したソングライターで、リトル・アンソニー&ザ・インペリアルズのいつつかのヒット曲の作者であり、プロデューサーであった。ザ・インペリアルズの代表曲、「Going Out of My Head」、「Hurt So Bad」などの作品がランダッツオの作品。「Hurt So Bad」は、リンダ・ロンシュタットがカバーしている(1980年の「Mad Love」)。トニー・トラヴァリー二の新作は、かつてのそのモータウンのシングル曲から34年も経ていてつながりがある訳もないのだが、アルバムを通してポップでライト・ソウルなムードは共通項。ギター・プレイは、ローランドのギター・シンセサイザーを多用して、多彩な音色を駆使する。M1「The Nile」の、ドラマチックなオープニングと、アコギの音色が、スティーヴ・オリバー的だけど、なかなかの佳作。M2「Catch Me If You Can」は、キャッチーなジャンプ・メロディーを、電子的だけど明るいサウンドで展開するアレンジが秀逸なポップ・チューン。M6「Take This Love」も、メロディアスなミディアム・バラードで、これもギターを思わせない電子的でユニークな音色と、バックコーラスの組み合わせが印象的。M8「Renaissance Man」は、多重のセルフ・コーラスが特徴的な作風で、セミアコ風の音色のギターは、一番スムーズジャズ的な秀作トラック。M4「Ride A Raindow With You」は、唯一のボーカル・トラック。ミディアム・スローなソウル・ナンバーで、視界が広がるような明るいメロディーと、ファルセットを、さりげなく使うボーカルは、あのデビュー・シングルがかぶるなあ。

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  • スムーズジャズは、最高のコンテンポラリーミュージック。ググっとくるアーティストのバイブレーションを、リアルタイムで聴きたい。独断で選んだスムース系の新譜を紹介します。Since 2011。UGASAI
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