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2014年6月22日 (日)

Paul Hardcastle 「The Jazzmasters 7」(2014)

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ポール・ハードキャッスルは、「Hardcastle」と、「Jazzmasters」の、別名義の代表的プロジェクトを定期リリースしている。初期の作品では、「Hardcastle」は、フロア・ダンスやR&Bのスタイルで、ボーカリストも多用したシリーズ。「Jazzmasters」の方は、サックスやアコピを中心に、今のスムーズ・ジャズを先駆けていたような、チル・アウトなムード・ミュージック志向。名義は違っても、いずれもシンセを駆使したエレクトロ・ジャズと形容できるハードキャッスル「節」で貫かれている。「Jazzmasters」が93年、「Hardcastle」が94年に第一作を出して、20年も続いている定番人気シリーズだ。去年は、「Hardcastle 7」で7作品目、「Jazzmasters」もこの新作で7作品目。近作は、正直言って、シリーズの違いはあまり感じられないが、いずれもチル・アウトでメランコリーなムードに酔える、揺るぎないいつものポール・ハードキャッスルというところがいいのかな。最近は、作品ごとに、ポールの心酔するアーティストをオマージュするのがテーマのようだ。「Hardcastle 6」ではマービン・ゲイ、「Hardcaslte 7」ではクール&ザ・ギャング。そして、この新作ではバリー・ホワイト。M1「Unlimited Love,Pt.1」が、バリー・ホワイトをオマージュした作品で、トランペットはシンディ・ブラッドリーをフューチャーしている。タイトルからして、バリー・ホワイトのラブ・アンリミテッド・オーケストラへのリスペクト。バリー・サウンドの特徴のストリングを強調したアレンジや、リズム・セクションが、「Love’s Theme」を思わせる。シンディのトランペットも、もともと哀愁的なフレーズを吹く人だから、楽曲にピッタリ。その他の楽曲も、70年代のディスコ・ソウルをオマージュしているようで、とは言えそのままのディスコ・リズムが出てくるのではなく、いつものハードキャッスル節のサウンドだ。サックスや、アコースティック・ピアノ、ヴィブラフオンなどを多用して、ヒューマンで哀愁的なムードを作るサウンド・デザインは完成度が高くてさすが。シンセのリズムも気にならず、録音のレンジに奥行きがあって、リスナーのイメージ・トリップを後押しする。シンディ・ブラッドリーは1曲しか出てこないが、サックスはその他曲で多用されて印象的なプレイが聴ける。サックス・プレイヤーは、おそらく、近作で採用しているロック・ヘンドリックスや、ポール・ハードキャッスル・ジュニアだと思うが、このサックスがなかなかいい。それでも、ハードキャッスル演出の中のサウンド・パーツのひとつという位置づけなので、ハードキャッスル・サウンドを離れたそれぞれのサックス・プレイヤーのソロ作品が聴いてみたい。

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