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2014年6月 1日 (日)

Vladimir Cetkar 「Heavenly」(2013)

Cetkar

ウラジミール・チェトカーは、ボーカリスト兼ギタリストの新鋭アーティスト。名前から想像できるとおり、東欧のバルカン半島に位置するマケドニア共和国の出身。現在はニューヨークで演奏活動をしている。マケドニアでもライブ・アルバム「Live at Ohrid Antique Theater」(2005)を1枚出しているが、スタジオ録音のデビュー作品は「We Will Never End」(2008)で、この新作は2作目のスタジオ・アルバム。80年代90年代のディスコ・ソウル、そして近年のジャミロクワイあたりをブレンドしたようなポップな音楽性。ホーンセクションやストリングス、ファスセットを多用するチェトカーのボーカル、そのサウンドはダンス・ミュージックをベースにしたゴージャス系だ。そして、ギタリストとしての才能も、ジョージ・ベンソンの影響を受けたであろう、注目のプレイヤーだ。荒削りなところも見えるけれど、才能の片鱗が見え隠れして、この人はいずれビッグになるような気がしてならない。何と言っても、このアルバムのハイライト曲、M8「Heavenly」にガツンとくる。ポップなメロディーはもちろん、ストリングスから入ってジャズ・スタンダードのような冒頭から、一転ディスコ・ビートへの展開にワクワクするし、中盤のギターとスキャットとセルフ・リエゾンは、ジョージ・ベンソンさながらで、鳥肌ものの聴き所。M2「Time Goes By」や、M5「Lucky Pair」、は、ジャミロクワイそのまんま、でニンマリしてしまう。チェカーのボーカルも、技量の点では心もとないところはあるけれどスウィング感はバッチリで、バックのコード・ストロークのギターの音には「耳」が離せない。M6「All For You」や、M9「Born For The Screen」は、ポップなメロディーに、バックのホーンセクションとファルセット・ボーカルがアース・ウィンド&フィアーを彷彿とするダンシング・チューンで、かっこいい。インスト曲5曲で聴けるギター演奏は、ボーカル曲のダンス・ミュージックとは異なり、アシッド・ジャズの解釈で、奏法はアバンギャルドな早弾きにフレーズを重ねていく、なかなかユニークなプレイだ。このアルバム、デビューアルバムの7曲を含んでいて、デビュー作は未聴なので厳密には分からないが、おそらくバージョンも同じだとすると、新曲を加えた編集盤のようだ。「Heavenly」も、ミックス違いの3バージョンを含んでいて、正味の新曲は7曲(内3曲がインスト)。いずれにしても、新旧録音合わせて、初めて聴くウラジミール・チェトカーにググッと来る好盤。

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