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2014年7月12日 (土)

Tom Braxton 「The Next Chapter」(2014)

トム・ブラクストンは、90年代から活躍しているサックス奏者。デビュー作「Your Move」(1992)から、8作品を残している。元NBA選手でありベーシストであったウェイマン・ティスデイル(2009年にガン闘病の末他界)のツアー・サイドマンを17年間務めた。トムの2009年作品「Endless Highway」には、ウェイマンを忍んだ「That Wayman Smile!」という曲も入っている。それからほぼ5年振りの新作がこの作品。

ゲストに、アール・クルー、ピーター・ホワイト、ボブ・ジェイムスが参加。また、イエロー・ジャケッツのオリジナル・メンバーであり、フュージョン系セッション名ドラマーだったリッキー・ローソンが参加しているが、リッキーは2013年の年末に他界、享年59才だった。

M5「New Horizons」で聴けるドラムスは、リッキーのラスト・レコーディングだそう。この曲の後半にタイトにブレイクしていって、終盤にスウィングするドラムスは聴きもの。また、オージェイズの名曲のカバーM7「I Love Music」でも、リッキーのドラム・プレイが光る演奏だ。

この他にも、70年代クラッシックのカバーを演っていて、M3「I’ll Be Around」(スピナーズ)、M6「Make It With You(邦題:二人の架け橋)」(ブレッド)、いずれもベタな選曲だけれど、オリジナルの曲想を崩さないアレンジがいい。

トムのサックスは、個性的とは言えないけれど、技量にも裏付けされたクセの無いところこそ貴重なプレイヤー。サウンドも、これぞスムーズ・ジャズの王道で、ミドル・オブ・ザ・ロードなところがいい。音量を落としたらBGM的で、注意を引く事は無いかもしれない。でも、音量を大きくして聴いたら、このリアルなグルーヴと、技量的な演奏にググッと来てしまう。地味な作品かもしれないが、チル・アウトのようなトレンドに寄らない、オーソドックスなスムーズ・ジャズのスタイルを堪能できる好盤。

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