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2014年11月30日 (日)

Danny Kusz 「Sexy.Funk :: Velvet.Jazz」(2014)

Sexysax

スムーズ・ジャズ・ファンで、サックスが好みのリスナーなら、ぜひ聞き逃して欲しくない秀作。ミネアポリス出身のサックス奏者ダニー・キューズの新作。キューズは過去にデビュー作ミニアルバム「Lost In the Groove」(2006)を出しているが、この新作が初めてのフルアルバム。デイヴィッド・サンボーンを目指してサックス奏者になったという。まだ20代前半だというから、将来間違いない成長株だろう。収められた13曲は、どこか古くて新しい、キャッチーでポップなメロディーとサウンド・デザインが秀逸。80年代や90年代のディスコを思わせるリズムやリフは、むしろヒップで先進的。キューズのサックスは、シンセサイザーを施したような音色で、曲によってはダビングを多用。そのサックス音色やヒップなサウンドは、ちょっと聴いただけでは好みが分かれるかもしれないけれど、打ち込みのような軽薄な音ではないし、フレージングやビートにリアルなヴァイブレーションがあって、思いの外、引き込まれるサウンド。M1「Sexy Sax M.F.」は、シンセと、ギターのコードストロークのイントロが、昔のディスコ・チューンを思い出すハイライト曲。シンセを通したサックスも、ファンキーで、ヒップで、カッコイイ。M2「Velvet.love Girl」も、ナイル・ロジャースあたりを思わせるカッティング・ギターとリズムが90年代のオールド・スクール・タイプの曲。M3「When We First Met」も、ニルスがゲスト演奏している、ミディアム・テンポのキャッチーなバラード。キューズのサックスがサンボーンを思わせるベスト・ソング。アルバムのほとんどの曲が、冒頭の3曲で聴けるヒップなサウンド・デザインで統一感があるのだけれど、おそらくライブ・パフォーマンスはファンキーなプレイヤーだろうと思わせてくれるのが、M11「Sexy.funk」。一転、ファンキーなフュージョンの音。パワフルなリズム・ビートと、ファンキーにスウィングするサックスやオルガンは、ソリッドなバンド・サウンドで、このアルバムの中では新鮮。次回作は、もっとストレートなサックスの音色で、フュージョン・サウンドの演奏が聴きたい。

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