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2015年1月の記事

2015年1月31日 (土)

Brian Culbertson 「Live: 20th Anniversary Tour」(2015)

Brian_live

ブライアン・カルバートソンが、デビュー20周年を記念して行ったコンサートのライヴ盤。ブライアンの過去作品から、さながらベスト・セレクションの20曲の演奏。何と言っても、臨場感たっぷりの演奏が聴けるのが嬉しい。スタジオ録音では、隙のない音作りのブライアンだけど、もっと彼の弾けた鍵盤を聴きたい時もある。このライヴ盤のグルーヴを聴けば、そんなフラストレーションが払拭されて大満足。冒頭のMCに続いて始まる「Always Remember」、「Hollywood Swinging」、「Do You Really Love Me ?」は、おなじみの曲で怒涛のファンク・ビートの連続。あの「Bringing Back The Funk」(2008)のファンクの再演、それ以上のパワー。一方、「静」のブライアンも、「Come to Me」、「All About You」、「Beautiful Liar」等で聴けて、リアルで長めの鍵盤フレージングがたっぷり味わえる。ファンクのブライアンは、EW&F以上のブラス・セクションやリズムのアンサンブルが魅力だけれど、このライヴでもガツンとやられる曲が満載。「Get It On」はハイライトなトラック。アタックな鍵盤とブラスから、果てはドラムスとチョッパーへとバンド総動員のブルーヴがたまらない。「Think Free」は、ブライアンの鍵盤がホップするコケティッシュな曲で、どうも新曲のよう。CD2枚分のボリュームだけれど、引き込まれてあっと言う間。じっくり聴きこむというより、ブライアンのグルーヴを「体験」する作品かな。CDフォーマットの方は一曲多くて「Forever」が入っている。

2015年1月29日 (木)

Gerald Albright 「Slam Dunk」(2014)

Slamdunk

ジェラルド・アルブライトのこの作品は、第57回グラミー賞のノミネート作品。ひょっとするとグラミー賞取るかもしれない秀作。聴いていたのにレヴューするの機を逸していて、遅くなってしまった。アルブライトは、2012年のグラミー賞で「24/7」が候補になったのに続く栄誉。「24/7」は、ギター奏者ノーマン・ブラウンとのコラボレート作品だったとは言え、アルブライトはグラミー候補の常連。ソロ作品「Pushing The Envelope」(2010)、「Sax For Stax」(2008)、いずれもグラミー賞にノミネートされて、残念ながら結果は賞を逃している。ノミネートの経歴は、彼の音楽がそれだけ評価されている証。この作品も、自身のサックスの多重録音や、ベースを演奏して作り上げた力作。M1「Slam Dunk」が何しろ秀逸な曲、いずれスムーズジャズの名曲と言われるかも。シート的に重なるブラスとファンキーなビート、何にも増してキャッチーなインスト・メロディーが忘れられない。どの曲のアルブライトのサックスも、クリアな音色で飛び回る。クールというより、フレージングが上質感を漂わせて、ソフィスティケートされているのがこの人の持ち味。M3「Because Of You」のさらっとしたサックスの美しいこと。シンディ・ローパーの名曲M2「True Colors」は上質なポップス、ジェイムス・ブラウンのM4「It’s A Man’s, Man’s, Man’s World」はかなり骨太で、それぞれ必聴のカバー演奏。M8「Where Did We Go Wrong ?」はピーボ・ブライソンが歌ったバラードで、アルブライトのストレート・ジャズなフレージングがたまらない。M9「Fiesta Interlude」でのフルートは情熱的な演奏で心に伝わるし、M10「Split Decision」のファンキーなチョッパーベースはアルブライトの演奏かな?アルブライト自身のソロ作品としては、14作目になるそうで、キャリア充分で、完成度も文句無しの作品だから、高い確率で受賞かもしれない。

Gabriel Mark Hasselbach 「Open Invitation」(2014)

Gabriel

カナダのトランペット奏者、ガブリエル・マーク・ハッセルバッハの、前作「Kissed By the Sun」(2012)に続く、新作。今作は、硬派なコンテンポラリー・ジャズの秀作。題名に銘打ったように、多くのゲスト・アーティストを「招待」しての演奏。参加したアーティストのクレジットを見るだけで、ワクワクしてしまう。こうやって多彩なゲストを迎えての企画は良くあるけれど、オールスター的な顔ぶれのセッションだけというのもありがち。でも、この作品の素晴らしさは太鼓判。曲毎のゲストは、以下の通り。

1.Count Me In (アダム・ローリック)
4. Init 2 Winit ( ダミアン・ウオルシュ)
6. Lovelight (Dee & Brittani Cole)
7. Let’s Do This Thang ( Olaf deShield)
8. Let It Slide ( ボブ・ミンツアー)
9. Aurora Borealis (ロック・ヘンドリックス)
10. Carte Blanche ( Cory Weeds )
M1のギターはアダム・ローリックという人、カナダで活躍するギタリスト兼サックス奏者。ガブリエルのトランペットとユニゾンや、さりげないオクターブなど、派手ではないけれど枯れた感じのフレーズがなかなかいい。グレッグ・マニング参加のM2は、キャッチーなテーマのハイライト曲。マニングのアコースティック・ピアノとガブリエルの交互のからみがクールだし、ガブリエルのフルート演奏も聴ける。タイトル曲M3では、カル・ハリス・ジュニアのアコースティック・ピアノがドラマチックな曲想にぴったり。M5は、聴いたらいかにものボールドウィンの鍵盤から始まる、これもクールなジャズ曲。そういえば、ボールドウィンの「Twenty」の快演「Cameleon 3000」では、ガブリエルのペットがフューチャーされていたのが記憶に新しい。M9は、ポール・ハードキャッスルの作品でおなじみのサックス奏者、ロック・ヘンドリックスが参加した演奏。チル・アウトなムードの曲で、かすれ気味の抑えたブローのヘンドリックスのサックスと、ガブリエルのペットやフルートの絡みがとにかくクールな曲。クールを連発してしまったけれど、ガブリエルのサックス、曲によってはフルート、はどこかメランコリーな味わいのある音色とフレーズ。前作のファンキーなビート感は無いけれど、ガブリエルのトランペットとサウンドが、ひたすらジャジーでクールな作品。

2015年1月18日 (日)

NexLevel 「Midnight Blue」(2014)

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ネクスレヴェルは、オハイオ出身のフュージュン系バンド。メンバーは、マーク・ジャクソン(g)、アンソニー・マッケイ(b)、ジェシイ・トンプソン(key)、クリス・ライト(dr)、の4人。初作品は「Level One」(2004)で、これが新作で2作目。M1「As Is…」を聴くと、ロック、それもプログレ、いや懐かしきジャズ・ロックだ。打ち込みかなと思わせる正確無比な8ビートのドラムスと、フェンダーエレキがエフェクトを効かせて浮遊する。こういうギターを聴くと、70年代のジョン・マクラフリンや、ラリー・コリエルを思い出すのだけれど、最近ならマイク・スターンかな。M2「Midnight Blue」も、エフェクトなギターが主役だけれど、ベースが骨太でファンキーな演奏。前半のハードボイルドな演奏から後半は、少しロマンチックな曲想の演奏が並んでいる。M6「Acoustically Speaking」や、M7「Traveling Back Home」は、いずれもアコースティックなギターやピアノが奏でるチルアウトなムードの曲。レイドバックしたムードでも、安定したリズムをキープするドラムスとベースラインが、以外と聴きどころ。M8「Velocity II」は、8ビートのフュージョン・チューンで、4人のヴァイブレーションのファンキーな一体感が秀逸な曲。こういう演奏を聴くと、なかなかのバンドかなと思ってしまう。でも、このアルバムを最後にドラムスが代わるそう。このドラマーの貢献度はなかなかだと思うのだが、さて、次作はどうなるかな。

2015年1月 4日 (日)

Jeff Golub (1955〜2015)

Cd_dangerouscurves

新年から残念なニュース。ギター奏者ジェフ・ゴラブが、新年が明けた元旦に死去したという。享年59才。近年は、視力を失い、地下鉄ホームから落下するなど、不運が続いたが、近作「Train Keeps A Rolling」(2013)では、生き生きとしたプレイを聴かせてくれたのに。数ヶ月前には、病気の悪化が伝えられ、ゴラブの親しいミュージシャン、ミンディ・エイベア、リック・ブラウン、デイブ・コーズ、チャック・ローブらが参加して、支援コンサートを開く予定だったとか。ソロ作品は15作品に及び、アタックのあるブルース・ノートのリフ、ソリッドな音色、バラードの泣きのロング・トーン、などキャラクターのあるギタリストだった。 聞き逃している作品もあるし、網羅などおこがましいけれど、2000年からの5作品は、特に、比較的コンテンポラリーな秀作なので、スムーズ・ジャズ・ファンなら聴き逃せない。

1. 「Dangerous Curves」(2000):
この作品は、メジャーのGRPレーベルからの初作品で、プロデューサーは、バド・ハーナー。ハーナーは、これ以降、ゴラブの多くの作品で関わる人。ライブ・ギグのようなソリッドな演奏は、今聴いても新鮮だし、ブルース・テイストが特色のゴラブのギターもエネルギッシュ。彼のオリジナル・バラード曲、M7「Gone But Not Forgotten」での「泣き」のギターが、今は切なすぎる。
2. 「Do It Again」(2002):
クリスレアの「On the Beach」から、ヴァン・モリソンの「Crazy Love」など、有名曲10曲をカバーした企画作品。リチャード・エリオットのサックスをゲストに迎えた「Mercy, Mercy Me」は秀逸なカバー。曲も分かりやすくて、ゴラブのギターも上品。ポピュラー路線ということならイチオシの作品。
3. 「Soul Sessions」(2003):
ジェフ・ローバー、リッキー・ピーターソン、ミンディ・エイベア、ピーター・ホワイトなど多数のゲストが参加してのセッション作品。こういうムードでのプレイが生き生きする人。
4. 「Temptation」(2005):
ポール・ブラウンがプロデュースした作品。ユージ・グルーヴ、ブライアン・カルバートソンらをゲストに迎えて、アーバン・ムードたっぷりのサウンド。ウェス・モンゴメリーにオマージュしたM2「On The Wes Side」では、ゴラブらしいオクターヴ奏法が必聴。M11「Simple Pleasures」は、ブラコン風でクールでメローなギター。いかにもポール・ブラウンのプロデュースで、ゴラブとしてはちょっと異色かな。
5. 「Grand Central」(2007):
セッション・ギグに立ち返って、ゴラブらしい演奏が聴ける、ベストに挙げたい作品。スライ・ストーンの名曲「If You Want Me To Stay」や、ビートルズの名曲「Something」も、レイド・バックしたゴラブのギターがかっこいい。ジャンプ・ナンバーM8「Grand Central」のビート感溢れるギター・リフは最高。こういったセッションをバックに、ヴァイブレーションを重視した演奏を展開するのが、この人の持ち味。
ブルースやゴスペルを下地にした生き生きとしたプレイは、この後の作品、「Blues For You」(2009)、「The Three Kings」(2011)、「Train Keeps A Rolling」(2013)に続いて、この人の揺るがない路線になった。合掌。

2015年1月 1日 (木)

David Petrosyan 「Good Morning Love」(2014)

Petrosyan

デイビッド・ペトロシアンは、アルメニア共和国出身で米国へ移民したサックス奏者。過去に「My World of Love」という作品があって、この新作が2枚目。ケニーGかなと思わせるサックスと、サウンドがロマンティックなムードにあふれた作品。ペトロシアンのサックス以外のクレジットは分からないけれど、ワンマンの音作りなのかもしれない。内容を紹介するには、イージー・リスニングと呼ぶのが分かりやすい。M1「Inner Whisper」のイントロのサックスを聴いたら、まったりしたケニーGか思って、ちょっと軟派なムード・ミュージックかと、敬遠するリスナーもいるだろう。でも、曲の後半に聴けるアタックのあるサックス・プレイを聴くと、ただの軟派なミュージックではない。イージー・リスニングだけれど、なかなかの深みのあるサウンドとメロディーの佳作が並んでいて、少しボリュームを上げて聴くと魅力が倍増する好盤。M8「Good Morning Love」はハイライト曲で、ちょっと甘すぎの美しいメロディーが印象的で、サックスの音色が耳に残る。いずれの曲も、アコースティック・ピアノや、ギター、ボイスなど多彩な音がサックスをバックアップする、なかなか緻密なサウンド構成。だけれど、さりげなく、流れるような音が心地良い。イージー・リスニングでも、聴き込みに価する良い作品。

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  • スムーズジャズは、最高のコンテンポラリーミュージック。ググっとくるアーティストのバイブレーションを、リアルタイムで聴きたい。独断で選んだスムース系の新譜を紹介します。Since 2011。UGASAI
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