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2015年3月 8日 (日)

Brian Simpson 「Out of a Dream」(2015)

Simpson

ブライアン・シンプソンの新作は、彼ならではのピアノとサウンドが、爽快感のボルテージを上げてくれる秀作。シンプソンは、お気に入りのピアニストだけれど、通算で5枚のソロアルバムだけだから、最も新作が待ち焦がしいアーティスト。前作「Just What You Need」(2013)から、2年未満での新作とはなんとも嬉しい。彼のピアノはシンプルで爽快なメロディーが魅力、ソフィティケートなアドリブ・フレージングも、フュージョンやコンテンポラリー・ジャズの伝統性があって、簡単なフレーズを繰り返すありきたりなスムーズジャズとは格が違う。M1「One of a Kind」は、視界が思いっきり広がるようなサックス(グレース・ケリー)と、スピード感もあって流れるようなシンプソンのピアノが、浮遊感を体験させてくれるナイス・チューン。M5「Just One Wish」は、ピアノのコードを使ったシンプルなテーマ・メロディーが、これぞブライアン・シンプソンなベスト・トラック。ミッド・テンポのタイトなリズム(ドラムスが素晴らしい)の中で、浮遊するノーマン・ブラウン(ギター)のソロ、オクターブのフレーズを入れるところは聴きものだし、後半の、ギターとシンプソンとピアノの掛け合いがグッと来てしまうのに、フェードアウトはくやしいなあ。M3「When I say Your Name」は、メランコリックなメロディーのバラードで、共演しているのはデイブ・コーズ(サックス)、この人が吹くと演奏が断然と光るんだからさすが。M6「San Lorenzo」は、マーク・アントワン(ギター)が参加したスローサンバの曲で、シンプソンのフェンダーがリリカル。中盤に、フェンダーからアコースティック・ピアノにチェンジする箇所が鳥肌モノ。アントワンのスウイングするギターもカッコイイ。ジョナサン・フリッツエンが共作共演したのはM9「Her Eyes」で、プログラムされたバック・サウンドがいかにもフリッツエンらしくて、そこにシンプソンの枯れたピアノが乗る魅力的なバラード。ブライアン・シンプソンの作品の中では、個人的には「Above The Clouds」(2007)がロング・タイム・ベストだけれど、この新作も勝るとも劣らない彼のベスト級作品で、もちろん今年のベスト級候補。

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