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2015年3月23日 (月)

Kenny G 「Brazilian Nights」(2015)

Kennyg ケニーGの新作は、ボサノバ作品集。心地よいサウンドはいつも通りだけれど、実は、意欲的な内容なので注目。まず、ボサノバ作品集というのも、ケニーにとっては初めての企画らしい。ボサノバの名曲カバー曲が5曲、加えて、その名曲に劣らず秀作なオリジナルが5曲。ソプラノ・サックスがケニーのトレードマークだけれど、この作品では、ソプラノは2曲だけ。残りは、テナーとアルトを吹いていて、サックス奏者としての力量を発揮している。カバー曲は、ポール・デスモンド、キャノンボール・アダレイ、スタン・ゲッツ、といった60年代のサックス奏者のジャイアンツの名演5曲を取り上げている。いずれも名作の「ボサノバ集」を残した巨匠だから、ジャズ・サックス奏者にとっては、「ボサノバ集」というのが、ひとつの「勲章」なのかもしれない。「ボーカルとの共演」や、「ストリングスとの共演」というのも、「名作」が多いから、いずれケニーもチャレンジするかな。そんなサックスのヴァチュオーゾ達と、その名盤へのオマージュを込めて、そして、ケニー自身のサックス奏者としての意欲をあらわす作品となっている。M1「Bossa Antigua」は、ポール・デスモンドの同名アルバム(1964)から。ケニーは、デスモンドと同じアルトを吹いての演奏。キーを高くしているのかな、ケニーはデスモンドより抜けのいい音色で爽快な演奏。でも、曲の構成は、デスモンドのオリジナルそのままの感じ。M2「Corcovado」とM8「Clouds」は、キャノンボール・アダレイの「Cannonball's Bossa Nova」(1962)での演奏が、これも下敷きになっていて、ケニーはキャノンボールに倣ってテナーの演奏。M6「Menina Moca」は、スタン・ゲッツの「Stan Gets with Guest Artist Laurindo Almeida」(1963)での演奏が下敷き。ゲッツのセクシーな音色に比べると、ケニーは清潔感のある音色。オリジナルでは、ゲッツの情熱的なスタッカートが印象的で、ケニーも負けずとスタッカートを聴かせるけれど、ソフトに聴かせるところがケニーの持ち味。このカバー4曲、オリジナルを下敷きにした構成は、ストレート・ジャズ・ファンからは厳しい批評が出るかもしれない。でも、スムーズなムードはベスト級だから、堅いことは言いっこなし。オリジナル曲では、M3「Bossa Real」とM10「Summer Love」の2曲でソプラノを聴かせてくれる。爽やかなメロディーの「Summer Love」での、「こぶし」というか、ビブラートの音色は、やっぱりこの人らしい。M4「Brazilian Nights」は、沁みるようなメロディーと音色が素晴らしいベスト・ソング。この作品は、間違いなくケニーの代表作になるはず。

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