Marion Meadows 「Soul Traveler」(2015)
最近のスムーズ・ジャズの「同質化」傾向は、ちょっと不満。数人の売れっ子プロデューサーが目立つし、同じ面子のメジャー・プレイヤーがゲストで参加し合ったり、相変わらずのチルアウトのサウンドもどうだろう。そんな中で、マリオン・メドウズは、オリジナリティーを感じるメジャー・アーティスト。この彼のソロ13作目の新作は、彼のソプラノ・サックスがいつにもまして哀愁的に響き渡る秀作。ソプラノ・サックスで、我が道を行くような、彼の姿勢がいいなあ。今回の作品、前作でも参加していたカルロ・ペニージという人(ギター奏者)が、全曲を、マリオン・メドウズと共作している。プロデュースも共同しているから、この人の影響が大きいのだろう。メランコリックなメロディーは、聴くほど味が出る秀逸な曲ばかりで素晴らしい。ゲストとのインタープレイも注目。M1「Celebration Road」は、ラテン・ナンバーで、ナジーがフルートを吹く。M2「Magic Men」は、エラン・トロットマンのサックスが情熱的。M7「Mother Earth」は、アップ・テンポのフラメンコで、中盤からヒップ・ホップのラップが絡むのが、異質だけれど印象的な曲。前作「Whisper」の延長線にあるけれど、ラテンやフラメンコのメロディーやサウンドの統一感が、前作以上に進化した完成度の高い作品。
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