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2015年5月 9日 (土)

Vincent Ingala 「Coast to Coast」(2015)

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スムーズ・ジャズ界の若きスターと言っていい、サックス奏者ヴィンセント・インガラの待望の新作。サックスの音色の著しい成長は目を見張る、いや耳を見張ると言うのか。ロング・セラーとなった前作「Can’t Stop Now」を超えて、洗練されたサウンドは驚嘆に値するベスト級の必聴盤。タイトル曰く、ジャケット・ポートレートの背景のように、まるで「西海岸」を想起させる、青空が広がるようなヌケの良い音質と、ソウル・フレーバーのかかったアダルト・コンテンポラリーな曲想も素晴らしい。曲毎の細かいクレジットは不明だけれど、ゲスト・アーティストは、ピーター・ホワイト、DW3(カリフォルニアのスムーズ・ジャズ・ユニット)、リー・ソーンバーグ(トランペッター、かつてタワー・オブ・パワーのメンバー)、デニース・ローリンズ(英国のジャズ・ファンク系トロンボーン奏者)らが参加している。M1「Coast to Coast」はベスト・トラック、アタックのあるビート感たっぷりで、洗練されたスムーズ・ジャズ・チューン。インガラの健康的でヌケの良いサックスの気持ちい良いこと。M3「Making the Journey」は、西海岸サウンドのような視界の広がるソフト・フュージョンなギター曲。サックスが出てこないけれど、このギターはインガラ自身の演奏かしら。M4「Baby I’m Hooked (Right Into Your Love)」は、コンテンポラリーなボーカル曲。コーラス・ワークが上質なポップ・チューン。スウイートなボーカルとコーラスは、DW3かな。ダンサブルな曲が多いこの新作だけれど、M8「In Deep」はディスコ・ビートに、ホーン・アンサンブルと、ワイルドなエレキ・ギター、が超クールな注目トラック。M9「Gimme Some」は、アコースティックギター(ピーター・ホワイトだろう)と絡むインガラのサックスがぐっと来るメロウな曲。M10「T.L.C.(Tender Lovin’ Care)」は、R&Bなオーケストレーションがラヴ・アンリミッテッドを思わせる。今回の作品、秀逸な曲が揃っていて素晴らしいけれど、インガラのサックス演奏より、オーケストレーションやサウンド・デザインの全体像が優先されたような作品。そういう点では、インガラのサックスをもっとストレートに堪能したい欲求不満が、ちょっぴり残る。

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