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2015年7月19日 (日)

Phil Denny 「Upswing」(2015)

Upswing

「Crossover」(2012)は、アーバンなムードに、洗練されたサックスが印象的で、デビュー作品とはいえ、注目の作品だった、サックス奏者フィル・デニー。その後の「The Messenger」(2013)は、クリスマス企画のアルバムだったけれど、お祭り的なホリデイ・ソングだけでなく、ポップな雰囲気のオリジナルも入って、なかなかにクールな佳作だった。そしてこの新作は、派手なところは無いけれど、サックスとサウンドがさらにソフィスティケートされて、クールなムードがさらに磨きがかかった作品。M1「Diggin’On」で始まる、チル・アウト的で、ヒーリング・ムードのバラードが、このアルバムのカラーを代表している。マイナーなメロディーをタイトなリズムで奏でる、M3「Flutter」は、ゆったりとしたミディアム・バラード。ベース奏者ジュリアン・バーンが参加した、M4「Stand Together」も、低音が印象的なバラード。M7「Upswing」も、タイトルとは裏腹に、淡々としたミディアム・テンポから、セルフ・ダビングされたサックスが複雑に重なるところは、ちょっと未来的であっても、メランコリーなところがクールな演奏。ちょっとマイナーなメロディーを、ゆったりとしたミディアム・リズムで、クールに吹くのがこの人の特徴。M2「Soak It Up」は、比較的にビートを強調したスムーズ・ジャズ・チューンで、デニーのサックスもスィングしていてかっこいい。ピアニスト、オリ・シルクが参加した、M5「Shaken Not Stirred」は、ミディアム・テンポだけれど明るい曲調で、シルクのアコースティック・ピアノと、デニーの軽快なサックスとの、インタープレイが印象的なベスト・チューンで、聴きもの。サウンドのスタイルとサックス演奏も進化して、もう、枯れた感じさえ伝わってくる秀作。

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