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2015年9月の記事

2015年9月27日 (日)

Groove Ltd. 「First Class」 (2015)

Grooveltdfirstclass

ユー・ナムの新作は、女性サックス奏者シャノン・ケネディと組んだユニット、その名も「グルーブ・リミテッド」のファースト・フルアルバム。以前にも、シャノンをフューチャーしたプロジェクト、「Nino Deux」名義で、シングル「Love’s No Distance」(2013)、シングル「C’est Le Funk」(2013)、ミニEP「Open Beta」(2013)を出していた。今回の「Groove Ltd.」は、その「Nino Deux」の発展形だろう。グループ名であっても、ユー・ナムはプロデューサーとして、シャノン・ケネディをフロントに打ち出して作り上げた作品。ユー・ナムならではの、ゴージャスなサウンドはもちろん、シャノンをビジュアル的なアイコンに仕立てた演出に、ユー・ナムのサウンド・クリエイターに留まらないコマーシャルな手腕が見える。やり手のビジネス・マンなのかな。M1「First Class」から始まる全12曲(ミックス違いが2曲)、怒涛のビート・チューンの連続は爽快。シャノン・ケネディのサックスは、どの曲でも、ルックスに反してパワフルでファンキーだし、ユー・ナムのギターのグルーヴは、「ベンソン節」にさらに磨きがかかって、本家(ジョージ・ベンソン)よりかっこいい、かもしれない。ドイツ出身のユニット、スリー・スタイルと、カブるスタイルだけれど、サウンドのパワーは断然にこちらですね。

2015年9月21日 (月)

Nils 「Alley Cat」(2015)

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ギター奏者ニルスの新作は、前作「City Groove」(2012)の後、ベスト集「Jazz Gems」(2014)を挟んで、3年ぶりのオリジナル作品。 最近は、プロデュース業の仕事も目立っている。アル・デグレゴリスや、キース・アンドリューダニー・キューズ、といった新鋭アーティストの作品のプロデュースや、ブライアン・シンプソンネイト・ハラシムといった、著名アーティストの近作での客演も光っていた。サウンド・クリエイターとして、評価が高まっているということだろう。さて、この新作。冒頭の曲、M1「Two of a Kind」のイントロ、あれっ。聴いたことがあると思ったら、ブライアン・シンプソンの「One of a Dream」の、M1「One of a King」と同じ曲? それもそのはず、『One〜』は、シンプソンとニルスの合作曲で、ニルスもギターで演奏に参加していた。『Two〜』のほうは、『One〜』と同じギター・リフとドラムス(リック・ローソン)のバック・トラックをそのままに、新しいギター演奏で新しいメロディーを乗せているようだ。リズミカルでキャッチーなイントロから、スピード感のあるリズムは、ニルスのアイデアをもとに、シンプソンのバージョンが出来上がったのかなと、想像が膨らむ。珍しい背景の2曲。聴き比べると興味深い。 M2「Alley Cat」は、ちょっとブルージーなメロディーに、ブラスセクションのバックが入るところが、サウンドに厚みを増した新境地かな。M11「Milkshake」も、同様にブラスセクションをバックに、低音をフックにしたブルージーなフレージングが新鮮なトラック。M4「Saturday Night」は、十八番のストロークと抜けるようなリフが、やっぱり爽快なファンキー・チューン。M8「Malibu」は、ウェスト・コーストなムードのフォーク・ロックのような爽やかさ。全12曲は佳曲揃いで、期待を裏切らない秀作。 何といっても、シャープでスピード感のある、ニルスならではのギターリフが堪能できる。今まで以上に、サウンドのクオリティが増した感のある、待ってましたの新作。

2015年9月20日 (日)

Walter Beasley 「I'm Back」(2015)

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サックス奏者ウォルター・ビーズリーのデビュー作品が1987年だから、30年弱に及ぶキャリアで、リーダー・アルバムは20枚を超える。バークリー音楽大学出身で、音楽指導は現役だし、近年は自己のレーベルから作品をリリースしている。サックスに加えて、ボーカリスト、作曲家、プロデューサーでもある。コンテンポラリーなジャズやR&Bのスタイルに、キャリアに裏付けられた熟練の技量が味わえるアーティスト。ビーズリーのこの新作は、終始クールなR&Bサウンドが心地良い秀作。彼のサックスは、枯れた音色と本格派のアドリブが魅力だし、時に現代的なヒップなビートに乗るフレージングにも耳を奪われる。タイトル曲M5「I’m Back」は、プログラムされたヒップなリズムが、アルバム中の異色なサウンドだけれど、躍動感のあるサックスが聴きもので、フェイドアウトするのが誠に残念。M5「Haven’t You Heard」は、ビーズリーの本格派ボーカルが聴ける、キャッチーでスウィートなR&Bバラード。歌伴するサックスも、もちろん美しい。M1「Hard Work」は、ゴスペルなテイストの、ミディアム・テンポが骨太なソウル・チューン。M2「Skip to My Lew」は、爽快なスピード感のポップ・チューン。M7「Slippin’ Away」は、ギターとストリングスが入る、ヒーリングなバラード。M4「Music」は、これもビーズリーのボーカル曲で、クールなソウル・チューン。全曲いずれも上質な佳曲揃い。ラストのM9「Aubrey」は超美バラードで、ソプラノから始まり、包容力のあるアルトのフレージングにため息が出ること間違いなし。今年のベスト級の一枚。

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  • スムーズジャズは、最高のコンテンポラリーミュージック。ググっとくるアーティストのバイブレーションを、リアルタイムで聴きたい。独断で選んだスムース系の新譜を紹介します。Since 2011。UGASAI
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