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2015年9月20日 (日)

Walter Beasley 「I'm Back」(2015)

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サックス奏者ウォルター・ビーズリーのデビュー作品が1987年だから、30年弱に及ぶキャリアで、リーダー・アルバムは20枚を超える。バークリー音楽大学出身で、音楽指導は現役だし、近年は自己のレーベルから作品をリリースしている。サックスに加えて、ボーカリスト、作曲家、プロデューサーでもある。コンテンポラリーなジャズやR&Bのスタイルに、キャリアに裏付けられた熟練の技量が味わえるアーティスト。ビーズリーのこの新作は、終始クールなR&Bサウンドが心地良い秀作。彼のサックスは、枯れた音色と本格派のアドリブが魅力だし、時に現代的なヒップなビートに乗るフレージングにも耳を奪われる。タイトル曲M5「I’m Back」は、プログラムされたヒップなリズムが、アルバム中の異色なサウンドだけれど、躍動感のあるサックスが聴きもので、フェイドアウトするのが誠に残念。M5「Haven’t You Heard」は、ビーズリーの本格派ボーカルが聴ける、キャッチーでスウィートなR&Bバラード。歌伴するサックスも、もちろん美しい。M1「Hard Work」は、ゴスペルなテイストの、ミディアム・テンポが骨太なソウル・チューン。M2「Skip to My Lew」は、爽快なスピード感のポップ・チューン。M7「Slippin’ Away」は、ギターとストリングスが入る、ヒーリングなバラード。M4「Music」は、これもビーズリーのボーカル曲で、クールなソウル・チューン。全曲いずれも上質な佳曲揃い。ラストのM9「Aubrey」は超美バラードで、ソプラノから始まり、包容力のあるアルトのフレージングにため息が出ること間違いなし。今年のベスト級の一枚。

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