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2015年12月の記事

2015年12月26日 (土)

2015年ベストなスムーズ・ジャズ・ソング15(+1)曲

Nate

今年の、ベストなスムーズ・ジャズ・ソング、15曲。ヘビロテ間違い無し、極上の一級品ソング。(リンクは、収録アルバムのレヴュー)

① 「#Luvit」 ネイト・ハラシム(kyd) 疾走するビートがたまらない。ハラシムの速弾きピアノは必聴。このスリル感はハンパじゃない。アレンジにも、ハラシムの才能が発揮された曲。アルバムの方は、力作でも、ちょっとヘビーな感じだったけれど。この1曲は「すごい」。

② 「One of a King」 ブライアン・シンプソン(kyd) シンプソンならではの、とびきり爽快な曲。グレース・ケリーのサックス、ニルスのギターのサポートも素晴らしい。視界が広がる曲。

③ 「In Deep」 ヴィンセント・インガラ(sax) やっぱり今年はこの人。インガラの、ディープなビートがガツンと来る。解説不要、ノレるダンシング・チューン。

④ 「Remember the Time」 セシル・ラミレス(kyd) セシル・ラミネスのピアノと、ブライアン・カルバートソンのシンセが絡む、ファンクのムードが、ちょっと懐かしい。

⑤ 「Jazz & Wine」 ピート・プロジェクト ピート・プロジェクトのユーロ・ポップな曲。ノリだけでなく、後半の、インスト演奏を聴いてほしい。このヴィアブレーション、この人たちただ者ではないぞ。

⑥ 「Play It Forward」 ジェイムス・ロイド(kyd) ピーセス・オヴ・ア・ドリームのジェイムス・ロイドのソロ曲。アタックなピアノとキャッチーなフレージングに酔わされる。

⑦ 「When Marie Smiles」 ティム・ワトソン(kyd) ティム・ワトソンのメローなピアノが魅力な秀作。絡むジャネット・ハリスのファンキーでパワフルなサックスにも、耳を奪われる。サウンド・プロデュースは、オリ・シルク。

⑧ 「Cabo」 ランディ・スコット(sax) スコットのファンキーなブロウがたまらない。ラテン・ビートのキャッチー・チューン。

⑨ 「Sailing Away」 ジョナサン・フリッツエン(kyd) フリッツエンのピアノ演奏、「セクシー」と表現したいムーディーな曲。

⑩ 「Skip to My Lew」 ウォルター・ビーズリー(sax) ビーズリーの特色、ジェントルなサックス音色に浸れるヒーリングな曲。

⑪ 「Red Hook」 レブロン(sax) 期待の新人、レブロンのシルクのようなサックス。軽やかなミディアム・テンポで、弾むようなブラス・セクション。このヴァイブレーションは聴き捨てられない。

⑫ 「All In」 ピーセス・オヴ・ア・ドリーム ピーセス・オヴ・ア・ドリームのファンキー・チューン曲。客演しているトニー・ワトソン・ジュニアのサックスに注目。

⑬ 「Drumline」 ボニー・ジェイムス(sax) 音色を聴いたらこの人。ボニー・ジェイムの、洗練されたソウル・ムードがたまらない。

⑭ 「Shine On」 ザ・サックス・パック 久しぶりのザ・サックス・パック。この曲は、キム・ウオーターズの代わりにマーカス・アンダーソンが入った、新生トリオの曲。アンダーソンはジャケットに写っていないけれど。皮肉にも、アンダーソン参加の演奏が新鮮。

⑮ 「Blu Sky」 ダーク・K(g) 出たばかりのダークKのニュー・シングル。これが、なかなかの曲。洒落ではないけれど、ダーク・ホースかもしれない。

⑯ 「Juliet」 ケン・ナヴァロ(g) この曲もやっぱり入れておきたい。ケン・ナヴァロのロマンチックなメロディーと、ヒューマンで紡ぐようなギターに、うっとり。

2015年12月25日 (金)

2015年のベスト3+1

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今年聴いたディスクからの独断的ベスト3+1です。

① ヴィンセント・インガラ 「Coast to Coast」
② ブライアン・シンプソン 「Out of a Dream」
③ ジョナサン・フリッツエン「Fritzenized」
次点:ピーセス・オブ・ア・ドリーム「All In」
4作品は、どれも甲乙つけがたい優秀作。アダルト・コンテンポラリーで、ソフィスティケートなメロディー、R&Bテイストなビート、インストルメントの魅惑的なアドリブ・フレージング、アンサンブルのグルーヴ。何と言っても、いずれの作品も、ポップなアレンジメントで、聴いていてワクワクするし、まさに、スムーズ・ジャズの王道スタイルと言っていい「名作」の4枚。
インガラの作品は、ヴィヴィッドな彼のサックスが際立ったところはもちろん、ギター、ピアノ、ブラスセクション、など多彩なサウンド・アレンジメントが素晴らしい。ボーカル曲「Baby I’m Hooked」は、ヒット・チャートを上がってもおかしくないグッとくるポップ・チューンなんだから。インガラの才能に驚嘆する力作。
シンプソンの作品も、非の打ち所がない秀作。流れるような、シンプソンのピアノ・フレージングが、随所で聴けて嬉しい。「San Lorenzo」での、フェンダーの軽快で染みる音色なんて、拍手もの。フリッツエンの作品は、「色気」のあるピアノ・サウンドが最高に魅力的な秀作。「Sailing Away」は、コーラスを絡めて、艶のあるピアノの色っぽいこと。
ピーセス・オブ・ア・ドリームは、長いキャリアの熟練サウンドに、新人サックス奏者が加わって新鮮な作品になった。ソフィスティケートなビートとメロディーは、クワイエット・ストームを継承する、このユニットの完成形。さらに新作が聴けることを期待したいユニット。
今年は、その他、ボニー・ジェイムスサックス・パックマリオン・メドウズケン・ナヴァロウォルター・ビーズリーなど、お馴染みのアーティストの作品はいずれも、グッときた作品。ブラインアン・カルバートソンや、カーク・ウェイラムのライブ盤も「力作」だった。
いずれも色褪せないエバーグリーンな作品が多かったのに、グラミーに一枚も選ばれないなんて。このスムーズ・ジャズを聴いてみやがれ!ってんだ。
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さて、下記は、共同企画として毎年の恒例になった「Sound of The Breeze」のマスター「洋楽のソムリエ」さんによる、ベスト3+1です。(注:リンクは、当サイトのレヴューです。)

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2015年ベスト・スムーズ・ジャズ・アルバム

1位 『brazilian nights』Kenny G

ケニーGによるボサノヴァ集。ジャズの作品としてかなり知られ

ているものもあり、頑迷固陋(がんめいころう) なドジャズ・ファ

ンから一言ありそうなアルバムではある。しかし、それがどうした!

ソプラノ・サックスは元より、彼がテナー、アルトでも”ケニーG”

であり、変わらず聴く者を恍惚とさせてくれることを証明する一枚

である。2015 年、最高のボサノヴァ・アルバムが誕生した。

2位 『wallflower』Diana Krall

“ ポピュラー音楽ファンに聴いて欲しいスムーズ・ジャズ” があると

すれば、まさにこの作品だ。デイヴィッド・フォスターの編曲にも、

しびれる。ポップス・ファンなら誰でも知っている曲を唄うというの

は、恐らく勇気の要ること。それをここまで唄いこなすクラールの

技量には、正直驚いた。失礼しました、あなたの巧さにも脱帽です。

3位 『Coast To Coast』Vincent Ingala

彼が演奏する主要な楽器はサックスだ。しかし、ギターやその他の

楽器の腕の確かさには舌を巻く。ドラムは、ラスベガスの「”エルビス・

プレスリー”ショー」で叩いていたというのだから、それこそ”本物”。

アルバムのタイトル曲は、この夏Billboard のスムーズ・ジャズ・チャ

―トでも1位を獲得。また、筆者が選ぶ「2015年のベスト・ダンス・ソング」

でも第10位だった。

次点 『Out Of Dream』Brian Simpson

洗練されたスムーズ・ジャズ・ピアノのアルバム制作では、もうトップ・

クラスの実力者だ。ゲストも豪華なだけではなく、彼らを自家薬籠中の物

として”使いこなしている” のが凄いし、またシタタカである。今後暫くは、

第1級の傑作アルバムをリリースし続けそう。今最も脂が乗っているアーテ

ィストだけに、バンドのリーダーとして来日公演を果たして欲しいもの。

その他の「推奨盤」

昨年、復活のノロシを上げたケン・ナバロの『Unbreakable Heart』は、全盛期を彷彿とさせるデキで、彼を知らない人は、これから聴き始めてもいいだろう。

今年は、”インコグニート” の当たり年だ。もっとも、インコグニートそのものの作品ということではなくブルーイの『Life Between The Notes』とメイサ(リーク) の『Back 2 Love』のこと。スムーズ・ジャズにダンス曲を求める人には、特にお薦めしたい。

独特のグルーヴを持つU-Nam のリリースが無かったことを嘆くあなたにはGroove Ltd. の『First Class』を是非! 女性サックス奏者、シャノン・ケネディとのコラボ作品は、実質ユー・ナム作品だ。

マーカス・ミラーの『Afrodeezia 』は、今年の拾い物のひとつ。「アランフェス協奏曲や「Papa Was A Rolling Stone 」など、それぞれに味があって心地よい。

ボニー・ジェームスの『Futuresoul』も挙げておきたい。理由は、今年のベスト・セラー・アルバムだから。これは、決して皮肉にはあらず。売れるのには理由があるのだ。筆者は、ベスト・セラー作品は努めて買うことにしている。少なくとも、「今を知るため」には必要だからだ。

最後に、珍しく日本制作のものをお薦めしたい。ミカ・サンバ・ジャズ・トリオの『バランス・ゾナ・スル』だ。日本人ピアニスト、Mika によるブラジル録音作品で、スリリングなライヴ感がたまらない。マルコス・ヴァーリも参加している。

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お互いブラインドでセレクトしましたが、ヴィンセント・インガラと、ブライアン・シンプソンが、ダブりました。この2枚は、文句なし、今年のベスト盤でしょう。

2015年12月19日 (土)

スムーズなシングル盤 ㉖

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注目アーティストの新作で、いずれもグッとくる、一押しのシングル3枚。エラン・トロットマンの「Thoughts of Summer」は、ソウル・シンガーのウィル・ダウニングをゲストに迎えた新曲。ダウニングの囁くような歌声と、透明感のあるトロットマンのサックス。近作「Smooth’N Saxy」のカリプソ路線を引き継いで、クールで洗練されたスウィート・ソウル・チューンにうっとり。トランペット奏者ライアン・モンタノは、前作シングル「I'd Like That」も、ただ者ではない、音作りは注目だった。彼の新作「Honey Girl」は、メランコリーでポップな佳曲。若くてイケメンな外見だけでなく、ソフトな音色と、流れるようなフレージングのトランペットは、間違いなくビッグになりそうな才能。フルアルバムに期待。ドイツ出身のギター奏者ダーク・Kは、すでに14枚のソロCDを出しているベテラン。ジョージ・ベンソンのスタイルの継承者と見ていいかな、でもユー・ナムみたいに「弾けて」はいない。ジャージーで、丁寧なフレージングが魅力のマルチ・プレイヤー。新曲「Blu Sky」は、哀愁のあるメロディーのポップ・チューン。ベンソンばりのスキャットとギターのユニゾンがカッコイイ。

2015年12月14日 (月)

第58回グラミー賞ノミネート作品

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第58回グラミー賞のノミネート作品が発表された。今年の、「ベスト・コンテンポラリー・インストルメンタル」のジャンルのノミネート作品は次の5作品。

1. 「Guitar In The Space Age !」Bill Frisell
2. 「Love Language」 Wouter Kellerman
3. 「Afrodeezia」 Marcus Miller
4. 「Sylva」 Snarky Puppy & Metropole Orkest
去年の「第57回グラミー賞ノミネート」には、スムーズジャズ系が大勢を占めたので、期待したのだけれど、今年は、スムーズジャズの影が驚くほど薄くて、残念。大御所マーカス・ミラーや、カーク・ウェイラム、はお馴染みのアーティストだけれど、作品自体はちょっと距離感があるし、その他のアーティストも、知ってはいても馴染みが薄い。
ビル・フリーゼルは、ノンジャンルで、前衛的な作風のギタリスト。ウーター・ケラーマンは、南アフリカ出身のフルート奏者。去年のグラミーでは、参加作品「Winds Of Samsara」が、ニューエイジの最優秀アルバム賞に選ばれた人。スナーキー・パピーは、ジャズ界では、人気沸騰の、アバンギャルドなニュー・ジャズ・ユニット。候補作品は、メトロポール・オーケストラとコラボした、前衛的意欲作。
コンテンポラリー系のジャズや、アカデミックなインストと、幅広いジャンルを網羅したノミネートという感じ。どちらかというとポップ路線なスムーズジャズは、芸術性の点で評価が低いと言うことか。かといって、ポップスのジャンルには、インスト部門は無いので、スムーズジャズは無視されているのか。カーク・ウェイラムの候補作品は、当サイトでも紹介したので、その音楽性は選ばれて当然とは思うが、スムーズジャズ色の濃い作品ではない。ジャンル違いとは言え、「Love Language」を聴いてみた。オーケストレーションをバックにした、ケラーマンのフルートが美しく情景的でヒューマンな作品。芸術性は高いが、ニューエイジかワールド・ミュージックのジャンルに入るような作品。その他は未聴なので、発表までに聴いてみようとは思うが、もっとワクワクする、スムーズジャズの好盤を聴いていた方がいいかな。

2015年12月13日 (日)

スムーズなシングル盤 ㉕

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クリスマス向けの、スムーズジャズなシングルを3枚。ジョナサン・フリッツエンは、クリスマスキャロルの名曲「O Holy Night」。フリッツエンのアコースティックピアノよる美メロが堪能できる、聖夜のムードぴったりのトラック。ダーレン・ラーンは、「Angels We Have Heard On High」。これもクリスマスキャロル定番曲。ホーンセクションを従えて、ビート・チューンなアレンジがラーンらしい。ブロウするラーンのサックスがファンキー。スリースタイルは、「Thank God It’s Christmas」。この曲は、クイーンの1984年のクリスマス・ソング。マグダレーナ・チョバンコーバのサックスに、ギター、ちょっとオールド・ファンキーなところがスリースタイルらしい。この曲のプロデューサーは、ドイツ人のレインホールド・マックという人で、実際に、クイーンのオリジナル曲のプロデューサーでもあり、アルバム「The Game」(1980)、「Flash Gordon」(1980)などでも共同プロデューサーやサウンド・エンジニアを務めた人。ディープ・パープルや、ELOの作品にも関わった人で、特にクイーンとは親交が深かったらしい。という訳で、なんとなく、コーラスがクイーンらしい、かな。

2015年12月12日 (土)

Eric Essix 「Move>Trio」(2015)

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ギター奏者エリック・エシックスの新作は、トリオ編成によるバンド名義の作品。「ムーヴ>トリオ」と名付けたユニットは、エシックスと、ケルヴィン・ウーテン(キーボードとベース)、ジェームス・PJ・スプラッジンズ(ドラムス)、の3人。ウーテンはプロデューサーとしても、エシックスの過去作品を手がけている。また、ソウル・シンガーのアンソニー・ハミルトン、やジル・スコット、らのプロデュースもしている人。PJも、エシックスの過去作品や演奏活動に参加している人。気心が知れた3人ということで、繰り出されるサウンドは緻密だし、緊張感のあるグルーヴのライヴ感は白眉。オーソドックスなトリオにあらず、ウーテンのキーボードと時にベース、PJのドラムス、いずれも多彩な展開は、これでトリオ演奏なのかと驚く。ダビングを駆使しているとしても、終始、ソウルフルでソリッドなアンサンブルに、目も耳も覚めるに違いない。M1「Get Ready」は、テンプテーションズのヒット曲のカバー。いきなり意表をつく骨太なロックのビートに驚くが、注目の演奏。ロックなビート・アンサンブルは、M3「King of the Castle」や、M5「Sundress Sunday」でも聴ける。M7「Leave It」では、リズム&ブルースを、M9「All Blues」では、伝統的なブルース・セッション。M8「Every Breath You Take」は、お馴染みのポリスの名曲と、このトリオの縦横無尽に疾走するグルーヴはスリル感満点。一方、M2「By My Side」や、M4「Sabbath Time」の、ゆったりとしたムードのバラードに、ほっとする。エシックスのギターの流れるようなスムーズ・フレージングが美しい。やっぱりこの手のエシックスもいいなあ。

2015年12月 7日 (月)

Fourplay 「Silver」(2015)

Silver

フォープレイの新作は、25周年を記念する作品。ギタリストは、今のチャック・ローブが3人目だけれど、結成以来、ボブ・ジェームス、ネイザン・イースト、ハービン・メイソン、不動のユニット。全員がバチュオーゾといってもいい個性的な巧者にもかかわらず、4人が奏でるサウンドは、まさに無比なフォープレイ・サウンド。隙の無いアンサンブルに、洗練されたグルーヴは、いつもながら、上質で、上品。 M1「Quicksilver」で聴ける、イーストのスキャットと、ローブのギターのユニゾン、これがまさにフォープレイ・サウンド。チャック・ローブが入ってからのフォープレイは、インプロビゼーションに比重を置いたコンテンポラリー・ジャズのアンサンブルが色濃い。M3「Sterling」は、一体感のあるジャズ・アンサンブルが秀逸な7分超の大作。M5「Silverdo」は、かつての2代目ギター奏者ラリー・カールトンが参加して、ローブとの掛け合いが、鳥肌ものの演奏。この二人でアルバムを作って欲しいなあ。初代ギター奏者リー・リトナーも客演したのは、M10「Windmill」で、アコースティック・ギターと、ゆったりとしたグルーブは、初期のフォープレイを思い起こせてくれる。ちなみに、「Windmill」は、リトナーの「Portrait」(1987)に入っていた曲。M6「Mine」は、ボブ・ジェームスのピアノがエレガントな、映画音楽のようで情景的な佳曲。M10「Aniversario」は、イーストのスキャットと、ダイナミックでファンキーなベース演奏が主役の演奏で、ファンとしては嬉しい曲。初めから終わりまで、贅沢で至福の音世界の秀作。結婚記念なら、25年がシルバー・ウェディング。30年は、パール(真珠)ウェディング。5年後の30周年アルバムは、「Pearl」に間違いない。

2015年12月 6日 (日)

Andy Snitzer 「American Beauty」(2015)

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アンディ・スニッツァーの新作。前作「The Rhythm」(2013)より前の作品「Traveler」(2011)のようなムードを漂わせる作品。「Traveler」は、個人的には、スニッツァーの代表作だと思うので、この路線は大歓迎。いつもの共同プロデューサー、デヴィッド・マンが協力して、シンセを使ったサウンドと、アンニュイなメロディーやフレージングは、スニッツァーだとすぐ分かる。夜の都会のようなムードが情景的で、ストレートジャズも演る技巧派のサックスのフレージングが、なんといっても秀逸。ポップなスムーズジャズとは一線を画す、ハードボイルドな感じ。M7「On and On」は、物悲しいけどキャッチーなメロディーで、テナーサックスの音色がドラマチックなハイライトトラック。スニッツァーは主にテナーを吹く人だけれど、このアルバムでは、(おそらく)半数曲でアルトを吹いている。M3「She Loves Me」(トランペット奏者リック・ブラウンが客演)、M4「Next to You」、M10「Rain」で、アルトを吹いている(と思うのだけれど)。スニッツァーは骨太のブロワーのイメージがあるので、「Rain」のメロウで柔らかなアルトの音は新鮮。タイトル曲M2「American Beauty」は、まさに「Traveler」の続編のような楽曲で、後半の、ブローを効かせたアドリブを吹くところ、やっぱり、スニッツァーはこれがいいと思うなあ。

2015年12月 5日 (土)

Pieces of a Dream 「All In」(2015)

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ピーセス・オブ・ア・ドリームの、新作。ジェームス・ロイドとカーティス・ハーモンのこのユニットは、バンドに変遷はあっても、この2人が結成からのメンバー。結成以来40年のキャリアでも、前作「In The Moment」(2013)や、ロイドのソロ「Here We Go」(2015)の近作の、どちらも活き活きした内容が、新鮮な秀作だった。この新作は、その近作にも増してベストな内容。フィラデルフィア・サウンドを原点とするこのユニットの、メロウなメロディーや洗練されたフレージングは、長いキャリアを経た完成形。M1「Turn It Up」は、まさにこのユニットらしい、キャッチーな演奏のスムーズジャズ・トラックで幕を開ける。ロイドがソロを出した後なので、もう一人のメンバー、ハーモンがプロデュースしたトラック4曲に目(耳か)がいってしまう。いずれも彼の作曲作品で、ポップなメロディーとカラフルな演奏に注目。M2「All In」、M6「Caribbean Nights」、M8「Up Til Dawn」の3曲が、ハーモン作品で、採用しているサックス奏者トニー・ワトソン・ジュニアという人の、どこかグローバー・ワシントン・ジュニアを彷彿とする演奏が光った秀逸なトラックで、「All In」はベスト・トラック。トニー・ワトソン・ジュニアは、他2曲でもフューチャーされていて、このアルバムの聴きどころ。ロイドの作品、M3「Quiet Night In The City」、M9「Dream On」は、彼のアコースティックピアノ演奏が堪能できるバラード。曲想に合わせたムーディーなインプロビゼーションを聴くと、ジョー・サンプルを思い起こさせて安心感が湧いてくる好演奏。M1「Turn It Up」は、ギター(ローン・ローレンス)のフレーズがキャッチーな、リピート必須のベスト・ソング。ピーセス・オブ・ア・ドリームのベスト作品はもちろん、今年のスムーズジャズ盤ベスト候補。

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  • スムーズジャズは、最高のコンテンポラリーミュージック。ググっとくるアーティストのバイブレーションを、リアルタイムで聴きたい。独断で選んだスムース系の新譜を紹介します。Since 2011。UGASAI
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  • Bob Boldwin「MelloWonder」
  • Brian Simpson 「Out of a Dream」
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