« 2016年2月 | トップページ | 2016年4月 »

2016年3月の記事

2016年3月21日 (月)

Jef Kearns 「The Flute」(2016)

Jefkearns

フルートという楽器は、ソフトなトーンが魅力だが、サックスのメジャーなポジションに比べると、残念ながら分が悪い。とは言え、ジャズの伝統的には、フルートの著名奏者は、意外と多い。ハービー・マンはもちろん、ヒューバート・ロウズ、ボビー・ハンフリー、デイブ・バレンタイン、ケント・ジョーダンなど、フュージョン時代にも活躍したアーティストは多いのだ。最近のスムーズジャズでは、キム・スコット、アルシア・ルネ、レーガン・ホワイトサイド、などいずれも女性フルート奏者が多い。男もいるぞ、というわけで、このトロントのフルート奏者ジェフ・カーンズ。ジェフの特徴は、ヒップホップを洗練させたソウル・ミュージックでフルートを演るところ。「ザ・フルート」と名付けられた、この新作は、既発表の作品の新ミックスを含む5曲入りのミニ・アルバム。新曲は「Hazy」の1曲で、インスト・バージョン(M1)と、歌入りバージョン(M5)が入っている。「Hazy」は、クールなフレージングが美しいフルートの音色と、重量感のあるリズムビートが印象的な、アーバン・ソウルな佳曲。ミディアム・テンポだけれど、この洗練されたムードが心地いい。キャッチーなフック・メロディーが印象的なM2「Harricane」、ジャズをヒップに解釈したM3「Soulfisticated」、バラードのM4「Lavender」と、いずれも既発表の作品の新ミックスなどの再録だが、クールなソウル・ムードは一貫性があって変わらない。秀逸な5曲だけれど、ちょっと満足できない。フル・アルバムの登場を期待したい。

2016年3月 5日 (土)

Jeff Lorber Fusion 「Step It Up」(2015)

Stepitup

新生「ジェフ・ローバー・フュージョン」の作品は、「Now Is The Time」(2010)から、 「Galaxy」(2012)、「Hacienda」(2013)と続いて、この「Step It Up」が最新作。「Hacienda」までは、ジェフ・ローバーと、ベース奏者ジミー・ハスリップ、サックス奏者エリック・マリエンサル、の3人のアンサンブル演奏が中心で、ジャケットにも、3人並んでのポートレートが写っていたので、その3人によるパーマネント・バンドだと思っていたけれど。この新作では、エリック・マリエンサルが抜けて、ローバーとハスリップの2人による作品となった。「Galaxy」から「Hacienda」へ至るに従い、プロデュースからアレンジ、作品の共作と、サウンド作りの中核は、ローバーとハスリップ2人になっていたので、この新作が2人による「完成形」なのかもしれない。この新作でも、ローバー特有のめまぐるしく変わるコード・チェンジや、ハスリップの疾走ベース、サックスも、エリック・マリエンサルに代わって、ゲーリー・ミークという人がほとんどの曲に参加しているので、サウンドのカラーは変わらない。「Hacienda」で、かなり尖ったグルーヴが、このユニットの「頂点」を極めたような演奏作品だったが、それに比べると、この新作はクールでレイドバックした「ノリ」が新しい方向性かもしれない。M1「Get Up」や、M3「Mustang」は、そういったクールなグルーヴが新鮮な演奏で、どこか70年代のスティーリー・ダンを思い出してしまう。ローバーとハスリップの共作、M7「Starfish」と、M8「Tenth Victim」は、ゆったりとしたミディアム・テンポで、それでも重量感を失わないハスリップのベースや、ローバーのポップなフレージングが、それまでのJLFサウンドに比べて新鮮な作品。M6「Right On Time」や、M10「Soul Party」は、ローバーが狙うおそらくこのユニットのテーマである、ファンク・フュージョンの回帰を再現するような、ヘビー級のリズムとホーン・セクションが爽快な演奏。ところで、ジミー・ハスリップは、「Timeline」(2011)を最後に、イエロージャケッツを抜けたけれど、それが残念でならない。後任のベース奏者フェリックス・パトリアスが参加した「A Rise In The Road」(2013)では、正直なところ失速感は否めない。M3「Mustang」は、イエロージャケッツの盟友ボブ・ミンツアーが参加した曲で、ミンツアーのフレージングが主役のコンテンポラリー・ジャズの秀作になっている。こんな音作りをイエロージャケッツもやって欲しいなあ。

« 2016年2月 | トップページ | 2016年4月 »

About This Blog

  • スムーズジャズは、最高のコンテンポラリーミュージック。ググっとくるアーティストのバイブレーションを、リアルタイムで聴きたい。独断で選んだスムース系の新譜を紹介します。Since 2011。UGASAI
2017年3月
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31  

2015 Top Recommend (click)

  • Bob Boldwin「MelloWonder」
  • Brian Simpson 「Out of a Dream」
  • Jonathan Fritzen 「Fritzenized」

2014 Top Recommend (click )

  • Greg Manning 「Dance With You」
  • Rick Braun 「Can You Feel It」
  • Michael Lington 「Soul Appeal」
  • Ed Barker 「Simple Truth」

2013 Top Recommend (click)

  • Jeff Golub 「Train Keeps a Rolling」
  • Oli Silk 「Razor Sharp Brit」
  • Patrick Yandall 「Soul Grind」
  • Boney James 「The Beat」

2012 Top Recommend (click)

  • Euge Groove 「House of Groove」
  • Paul Brown 「The Funky Joint」
  • Chris Standring 「Electric Wonderland」
  • Vincent Ingala 「Can't Stop Now」
  • Phil Denny 「Crossover」