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2016年4月24日 (日)

Phillip Doc Martin 「Pocket Love」(2016)

Pocketlove

フィリップ・ドック・マーティンは、ワシントンDCで現役の歯科医でもあるユニークな経歴のサックス奏者。つまり、愛称”ドック”は、正真正銘のドクターというわけ。サックス奏者として、この新作は5枚目の作品。収められた全11曲は、ほとんどが3分から4分の長さの曲で、マーティンの小気味の良いサックス演奏と、ポップで上品なR&Bグルーヴの作品が並ぶ。派手なところは無いけれど、曲も演奏も、好印象が後を引く、心地の良い作品。M3「Just the Two of Us」は、ご存知グルーヴァー・ワシントン・ジュニアの名作のカバー。フィリップのサックスは、気負わず、淡々と、グローヴァーの名演を習作のように吹くところが、むしろ好意的な印象を残す、なかなかのカバー名演になっている。M11「All of Me」もジョン・レジェンド作品のカバー演奏、こちらもオリジナル・メロディーを忠実に奏でるフレージングが美しい演奏。マーティンのサックスは、そこかしこに、グローヴァー・ワシントン・ジュニアが見え隠れするけれど、小気味のいいフレージングは、彼自身の魅力的な演奏スタイルだ。M1「Club Life」とM2「Pocket Love」は、両曲とも都会的で洗練されたメロディーがキャッチーな佳曲。続く「Just the Two of Us」まで冒頭3曲は、そのまま繰り返しリピートしたいベスト曲だ。M5「Hip Today」も、ファンキーなメロディーの佳曲で、中低音域のフレージングから一転、高域を力強く吹くマーティンの演奏は必聴。プロデューサーは、マーヴィン・トニー・ヘミングスという人で、作曲でも、5曲をマーティンと共作している。ヘミングスは、R&B男性シンガーのモンテル・ジョーダンの作品プロデュースもした人で、マーティンの過去作品や、ダーレン・ラーンの作品にも関わっている。この作品の出来は、プロデューサーのヘミングスのサウンド・デザインによるところが大きいのだろう。歯医者で治療中でも、この作品を聴いていれば、痛みも忘れてリラックスできる、というオチかな。冗談はさておき、今年のベスト級作品の一枚。

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