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2016年7月 3日 (日)

Bob Baldwin 「The Brazilian-American Soundtrack」(2016)

Brazilian_american_soundtrack_cover

ボブ・ボールドウィンの新作、22作目にして初めてのCD2枚組は、「大作」にして「傑作」。前半は、ブラジルのアーティストが参加して録音もリオで行われたという、ブラジルがテーマの14曲。後半は、ニューヨークやアトランタで録音制作されたという、いわばニューヨーク・セッションの12曲。ちなみに、ボールドウィンは、2004年に「Brazil Chill」という作品で、ブラジルをテーマにアルバムを作っていて、今作品で改めてのブラジルというのも興味深い。今作のブラジル・セッションでは、ブラジルのコンテンポラリー・アーティストのカバーを取り上げている。イヴァン・リンスの3曲、M9「Anjo De Mim」、M10「The Island」、M13「Love Dance」、ジャバンのM11「En Te Devoro」、クラシックと言っていいアントニオ・カルロス・ジョビンのM5「Corcovado」も。そのカバーも必聴だが、オリジナルのM1「Funky Rio」、M2「Ipanema Fusion」や、M3「Teardrop」は、出色の演奏。特に「Ipanema Fusion」と「Teardrop」は、強力なハイライト曲。サンバとファンクを彼流にブレンドしたような軽快なリズムに、華麗と言っていいボールドウィンの鍵盤インプロビゼーションの心地よさはこの人ならでは。さて、一方のニューヨーク・セッションのサイドでは、コンテンポラリーなムードの曲が並ぶ。M17「My Soul」は、アコースティック・ピアノと、客演のマリオン・メドウズのソプラノ・サックスがブレンドして、沁みるミディアム・スロウのソウル・チューン。M19「Summer Madness」は、クール・アンド・ザ・ギャングの「名曲」のカバーで、弾けるローズ鍵盤の音色に、ソウルフルなコーラスと乾いたビートがアシッドなムードを漂わせるダンス・チューン。ビートルズの名曲、M20「Yesterday」も、ボールドウェインのエレピにかかれば、ゴスペルな解釈で変身する。この作品で、ボールドウィンは、今年2月に亡くなったモーリス・ホワイトにオマージュを表している。M26「The Message」は、自らホワイトへの賛辞を語ったトラック。M16「The Sound of His Voice」は、まさにホワイトに捧げたという楽曲で、モーリス・ホワイトを思わせるコーラスがグッとくる。M6「Greatest Lover」に至っては、終始のファルセット・コーラスが圧巻で、往年のアース・ウィンド&ファイアーを思わせる秀作。ボールドウィンの縦横無尽な鍵盤演奏と、サウンド・デザインは、2時間超える26曲でも退屈することなど無い、超ベスト級の作品。

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