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2016年8月27日 (土)

Stephen Bishop 「blueprint」(2016)

Blueprint

スティーヴン・ビショップの前作「Be Here Then」(2014)は、企画盤などを除けばおよそ20年ぶりのスタジオ作品で、長いこと待たされたファンとしては狂喜のカムバックだった。その後も、新録ライブ作品「Stephen Bishop Live」や、1989年の作品「Bowling in Paris」の再編リマスター盤の再発、アンドリュー・ゴールドの作品カバー「Thank You for Being a Friend」など、あの長い沈黙を忘れるような、積極的なリリースが続いて嬉しい限り。そしてこの新作フルアルバム「blueprint」も、スティーヴン・ビショップらしいナイーヴな歌声と楽曲の並んだ珠玉の作品集。収められたほとんどの楽曲は、以前にデモ集などで発表していたもので、今回すべて新たなアレンジで新録音されている。アルバムタイトルは、かつての「青写真=Blueprint」の作品集というわけ。旧作品といっても、初期の作品だろう、かつての名曲を思い起こして、聴き込むごとに愛着の深まる佳作が並んでいる。M3「Ultralove」は、ナイーヴなメロディーがヒット性を感じるバラード。少し不安定にも聞こえるファルセットの歌声も、これもビショップらしい曲。M10「Someone Like You」も、かつての名曲「Looking for the Right One」を思わせる、切なく美しいバラード。同様に、M7「Before Nightfall」や、M12「Blue Window」など、傾向としては、「おはこ」のラブ・バラードだけれど、聴くたびに心をつかまれる珠玉の楽曲。注目は、M9「Holy Mother」で、エリック・クラプトンとの共作品。オリジナルはクラプトンの「August」(1986)に収録されている。この曲は、オペラ歌手ルチアーノ・パヴァロッティが、クラプトンを迎えて1996年のコンサート「War Child」で歌ったことでも有名。ビショップ自演の録音はこのトラックが初出のはず。クラプトンや、パヴァロッティのバージョンはゴスペルのクラッシックのようだけれど、ビショップが歌うと彼らしいメロディーラインが際立って、この曲はやっぱりスティーヴン・ビショップの作品だと再認識。同様に、珍しいトラックは、60年代オールディーズをカバーしたM1「everyone’s gone to the moon」。オリジナルは、ジョナサン・キングの1965年のヒット曲。ビショップのオリジナル曲のようにも聴こえて、彼の原点なのかな。最後に、アップテンポに編曲された、おなじみの「It Might Be You」も入っているけれど、このヒット曲さえ、少し違和感を感じるぐらい、他の12曲で充実している作品。

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