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2016年11月の記事

2016年11月27日 (日)

Brian Simpson 「Persuasion」(2016)

Simpson_persuasion

流麗なピアノフレーズはいつも通りの、ブライアン・シンプソンの新作。注目は、ギター奏者スティーヴ・オリバーとの共演で、4曲を共作、共演している。オリバーは、ギターではなく、シンセによるプログラミング演奏。M1「Persuasion」と、M2「Wonderland」は、その二人による作品で、このアルバムのハイライト曲。「Persuasion」は、ボニー・ジェイムスのサックスが参加してのファンキー・チューン。「Wonderland」も、都会的で洗練されたビートに、シンプソンの流れるようなフレーズがクール。M5「Need You Now」は、オリバーのシンセ打ち込みの音を背景にした曲で、ひたすらチルアウトなシンプソンのピアノが美しい。オリバーとの共演以外の曲は、キーボード奏者オリバー・ウェンデルという人との共作共演曲が、5曲。このオリバー・ウェンデルは、シンプソンの近年作品「South Beach」(2010)、「Just What You Need」(2013)、「Out Of A Dream」(2015)、でも数曲ずつ共演していた人。スティーヴ・オリバーの曲とは対照的に、オリバー・ウェンデルとの共作は、ヒューマンなバンド・グルーヴの趣き。M4「Lost In Love」は、ギター奏者ピーター・ホワイトが参加した、ロマンティックな曲想のバラードで、アンサンブルの妙が聴きどころのグッと来る一曲。M8「Starbound」も、同様のウェンデルとの共作で、明るい曲想に華麗に響くシンプソンのピアノが美しい。ラスト曲M10「Always Here for You」は、クールなシンプソンのピアノ・プレイの真骨頂のような曲。近作品でベスト・コンピレーションを作るとしたら、やっぱり最後に持ってきたい、沁みる1曲。前作「Out Of A Dream」に比べると、フューチャー・プレイヤーも少ないから地味なムードの作品だけれど、シンプソンの流れるようなリリカルなピアノを、深く堪能できる秀作。

2016年11月19日 (土)

Roman Street 「Bohemia」(2016)

Bohemiacoverhigherres

「ローマン・ストリート」は、ノアとジョシュ・トンプソンの兄弟によるギター・デュオ。2009年のデビュー以来、フル・アルバムを3枚、クリスマス企画アルバム1枚をリリースしている。彼らのスタイルは、フラメンコ、ルンバ、など伝統的なラテン系からジプシー・スウィングなどのラテン・ジャズを、ギター・デュエットで奏でる。この新作でも、そのスタイルを踏襲した曲が並んでいる。M4「Bohemia」は、バイオリンが絡むマイナーでクラシカルと言っていいフラメンコ。M5「Island Time」は、ジプシー・キングスを彷彿とする、コーラス絡みのリズミカルなルンバ。M8「Minor Swing」は、ジャンゴ・ラインハルトの名曲カバー。スピードアップして行くアンサンブルが聴きどころ。M9「Besame Mucho」もご存知の名曲カバー。そういった伝統的な曲の中で、光っているのが、M6「Mr.Morris」で、サックス奏者ヴィンセント・インガラがゲスト参加した曲。コンテンポラリーなメロディーは、ラテン系の曲群とは違って都会的なムードで、この新作での新境地と言っていい演奏。M2「Cortado」も、ラテンのムードをコンテンポラリーに料理した彼らのオリジナリティを感じるハイライトな演奏。M1「Cinco」は、パワフルなギターの合奏が情熱的なキャッチーな曲。M3「Adria」は、ジプシー・キングスの名曲「Inspiration」(鬼平犯科帳のアレです)を思わせる、エキゾチックなメロディのラテン・バラード。ルックスは見た通りの青年2人が、伝統的なラテン系のギター音楽をやるところがなんとも新鮮。超技巧派ではないけれど、アンサンブルのムードが特色。このデュオには「お手本」があって、スイスの「Tonic Strings」、同様にアコースティックギターのデュオ。彼らの米国ツアーの時に魅了されて音楽活動を始めたという。スイスで本人たちから手ほどきも受けたという。「Tonic Strings」は、超技巧派のギター・デュオで、ラテンやヌマーシュのスタイルは、まさにローマン・ストリートの教科書的。いつか、2組のコラボ作品を作って欲しいなあ。

2016年11月 6日 (日)

Euge Groove 「Still Euge」(2016)

Stilleuge

ユージ・グルーヴの近年作品では、「House of Groove」(2012)にしても、「Got 2 Be Groovin’」(2014)でも、ダンサブルなビート・チューンが魅力的だった。この新作は、そういったビート・チューンはほとんど無くて、ミディアムやスロウ・テンポの曲が並んだ、落ち着いたムードが全体像を占める作品。ソプラノ・サックスは3曲、M1「Twelfth Night」、M3「Coffee and a Kiss」、M8「Push It Forward」。やっぱり、この人のソプラノは極上で、リリカルな音色にうっとりしてしまう。「Twelfth Night」は、イントロからして、グルーヴ節を感じるベスト・チューン。テナーを吹く曲では、M9「Love, Passion and Joy」の明るいテーマ・メロディーのバラードが素晴らしい。静かなブラス・セクションのバックに歌い上げるような、グルーヴのテナーがドラマチック。ギター奏者ピーター・ホワイトが参加したM4「Another Perfect Moment」は、スウィート・ソウルなバラード。トーチ・ソング風のメロディーと、テナーの艶っぽいフレージングと、絡むホワイトのギーターが、なんとも切ないムードの曲。ボーカル曲は2曲。M5「Much Love」は、ソウル歌手ラザン・パターソンが歌う、シブいソウル・チューン。M10「Flower」は、ジャズ/ソウル歌手のオリータ・アダムスが歌う曲。どこか、バカラック曲を歌うディオンヌ・ワーウィックを想わせるアダルトな佳曲。個人的には、グルーヴならグルーヴィーなビート曲が好みだけれど、艶っぽい音色が堪能できるこの作品も、聴くたびに魅力を増す佳作。ファンならフェバリット・ディスク当確でしょう。

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  • スムーズジャズは、最高のコンテンポラリーミュージック。ググっとくるアーティストのバイブレーションを、リアルタイムで聴きたい。独断で選んだスムース系の新譜を紹介します。Since 2011。UGASAI
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