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2017年5月20日 (土)

Norman Brown 「Let It Go」(2017)

Letitgo

ギター奏者ノーマン・ブラウンのソロ10作目となる新作は、ギター・プレイはもちろんサウンド・プロダクション全て、「上質」という点で、右に出る進行形のアーティストは見当たらない、完成度の高いスムーズジャズ作品。アルバムのコンセプトは、ブラウン自身のライナー・ノーツから理解するに、生命や幸福、愛、といった奥深いスピリテュアルなテーマで作られた作品。ブラウン節のギター・フレーズとサウンドは、いつもどおりグルーヴを感じるが、上品で透明感のある音の奥行には、彼の精神的なメッセージが隠れているのだろう。M2「It Keeps Coming Back」、M3「Let It Go」の2曲はいずれも、ミディアム・スロウ・メロディのコンテンポラリー・インスト曲で、上品なギターとサウンドが秀逸なベスト・トラック。M10「Liberated」は、BWB名義のファンキー・チューンで、BWBファンには嬉しいハイライト・トラック。曲中から聴ける、カーク・ウェイラムリック・ブラウン、ノーマン・ブラウンのボーカルとギター、3者の「がっぷり四つ(三つ?)」の演奏は鳥肌モノ。ちなみにノーマン・ブラウンは、過去のソロ作品に、BWB名義の演奏を入れている。BWBのフルアルバムは3枚しかないけれど、それぞれのソロ・アルバムに「隠れた」BWB演奏が見つけられるので、ファンは要チェック。さて、M11「Remember Who You Are」も、BWB盟友のカーク・ウェイラムがソプラノ・サックスで参加した演奏で、ブラウンのフレージングがたっぷり聴けるコンテンポラリー・ジャズな曲。M4「Ooh Child」は、70年代ソウルのヒット曲、兄弟ソウル・グループの先駆け、ザ・ファイヴ・ステアステップスによるミリオンセラーのカバー演奏。こちらのボーカルは、トレイシー・カーターという人で、キーボードも演奏している。また、ノーマン・ブラウンの実娘である3人姉妹のボーカル・トリオ「S.O.U.L.(Sisters of Unbreakable Love)」が参加した、M5「Conversations」、M6「Living Out Your Destiny」の2曲が興味深い。いずれ、彼女たちもメジャー・デビューするだろうから、注目したい。もちろん、ノーマン・ブラウンのプロデュースだろうから。アルバム最後の曲、M10「Man in the Mirror」は、言わずと知れたマイケル・ジャクソンのカバー曲。ブラウンは、アコースティク・ギターを演奏している。ゴスペル・グループの「サウンズ・オブ・ブラックネス」が参加して、アルバムを締めくくる「賛歌」に仕上げている。ところで、BWBのアルバム「Human Nature」(2013)は、マイケルの作品集。そのアルバムの最後の曲も、「Man in the Mirror」だった。聴き比べてみてはいかがかな。

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