« 2017年10月 | トップページ | 2017年12月 »

2017年11月の3件の記事

2017年11月26日 (日)

Peet Project 「The Bad Boys of Budapest」(2017)

Peet_budapest

ハンガリーのスムーズジャズ・ユニット、ピート・プロジェクトの新作。バイオリン奏者ピーターが率いる5人組バンドは、見た目はボーイズ・ポップ・バンド風ではあるが、ボーカル曲もインスト曲も自らの演奏でこなす技量と、バンドとしてのまとまりはなかなかのもの。曲は、ダンシング・ビートのポップ・チューン中心で、ダンス・バンドのようでもあるけれど、フレッシュで健康的なグルーヴは、ヨーロッパ風にも聴こえて、新鮮。M6「Rosy Cheeks」は、デイヴ・コーズが客演した、キャッチーなハイライト曲。コーズのサックスと、ピーターのバイオリンの際立った掛け合いが必聴の曲。M4「Bring Me to Life」も、ゲストがジョナサン・フリッツェンのピアノと来れば、こちらもスムーズジャズ・ファン必聴の曲。ビートが堪能できる曲こそ、やっぱりこのバンドらしいところ。M1「Downtown Therapy」、M2「Don't Wanna Know」や、M5「Like a Kid」、M8「Shut the Door」、M11「River Cruise」、M13「Kill Your Monster」といった曲は、ボーカルだろうがインストだろうが、「ウキウキ」なダンシング・チューンの佳曲ぞろい。これが、このバンドの特徴的なスタイルで、いずれも二重丸。いつかそのうち、世界的なヒット曲を出すような「気配」、感じませんか。

|

2017年11月23日 (木)

Boney James 「Honestly」(2017)

Honestlyalbum_2

ボニー・ジェイムスの新作は、今までにも増して、メロウなムードに彩られた傑作。前作「Futuresoul」(2015)も、落ち着いたテンポの曲が主体で、クールな印象の作品だった。そういった路線を引き継いだこの新作も、スロウやミッドテンポの曲が並ぶが、抑え気味のバイブレーションが秘めたソウルを感じるような、さらにクールで上質な作品になった。ありきたりに「バラード集」なんて、安易な一言ではまとめられない秀作。M1「Kicks」は、ソプラノサックスの音色がリリカルで、歌うようなジェイムス節が堪能できる、キャッチーなナンバー。M2「Tick Tock」は、導入部分から多用する低音のフレージングが、甘美でファンキーな曲。バックアップするホーンアレンジが、ソウルフルでかっこいい。それもそのはず、アレンジは、ホーン・セクションの巨匠、ジェリー・ヘイ。M3「On the Prowl」も、スロウなグルーヴのソウル・ナンバー。テナーサックスも、低音を多用して奏でるところが新鮮で、グッとくる。M8「Skylark」は、ご存知のスタンダード曲のカバー演奏。ピアノをバックに、ジェイムスのソロ・フレージングが白眉で、美しい演奏。M5「Honestly」は、女性ソウル・シンガー、エイブリー・サンシャインを起用したボーカル・ナンバー。超スロウでも、ハートに染みるソウルなボーカルとサックスがたまらない。M9「If I Can’t Hold You」も歌もの。こちらは、エリック・ロバーソンがボーカルの、スウィートなソウル・バラード。M6「We Came to Party」や、M10「Up All Night」は、アップテンポのファンキーな佳曲。でも、ちょっと抑え気味のビートが、かえって消化不良になってしまう。クールなところも最高だけど、今度は、ビート全開のボニー・ジェイムが聴きたいなあ。

|

2017年11月19日 (日)

Patrick Yandall 「A Journey Home」(2017)

Journeyhome2

パトリック・ヤンダールは、キャリア25年のギタリスト。初期から、ほとんどの作品の発表は自己のプライベート・レーベル「Zangi」からのリリースだけなので、メジャーなシーンから距離を置いて、自身の音楽スタイルを徹底しているようだ。真摯なギター・プレイに徹した作品は、R&Bやソウル、ブルース、ファンクといった要素を、キャッチーなメロディーで消化する佳作ばかり。主にテレキャスターの、繊細かつ伸びのあるギター・トーンは、縦横無尽で、時にメローな柔らかさもあって、ひとつひとつの音に、感情移入せざるを得ない魅力がある。音作りは、ワン・マン・バンドの演奏のようで、ギター以外のオーケストレーションも素晴らしい。というわけで、この新作も、ファンキーでメロディアスな作品が並んだ秀作。M1「A Journey Home」は、ブラスやオルガンを効果的にバックに使って、スライドを多用するギターが印象的な、華やかな曲。M3「Cruising Kuhio Hwy」は、そのキャッチーなソフト・メロディーは爽やかな疾走感で、視界が広がるようなポップ・チューン。中盤の、伸びのいいフレージングに魅了される、ベスト・トラック。M6「Spirit Moves」は、「オー・ヤー」というだけの荒削りなコーラスが、なんともファンキーな曲。ギターに絡むピアノも素晴らしく、これもヤンダールの演奏なのかな。M9「Sunday Offering」は、ミッド・テンポのバラード。中音を駆使したフレージングが美しい。「私小説」的な風合いのある作品群で、演奏も味わい深いところが、この人の良さかな。

|

« 2017年10月 | トップページ | 2017年12月 »