« スムーズなシングル盤 | トップページ | Walter Beasley 「The Best of Walter Beasley: The Affable Years, Vol.1」(2018) »

2018年1月13日 (土)

Christopher Cross 「Take Me As I Am」(2017)

Takemeasiam

クリストファー・クロスの、デビュー作「Christoper Cross(邦題「南から来た男」)」(1979)は、彼の出世作で、最大のヒット作品、何より今でも色褪せない、AORの、いやポップスの「名作」の一枚だ。残念ながら、彼のその後の作品は、チャート的にはそのデビュー作を超えることは無く、「Walking in Avalon」(1998)を最後に、しばらくは録音作品のリリースも無かった。そして、新曲のスタジオ録音としては、13年ぶりとなる「Doctor Faith」(2011)のリリースは嬉しい「復活」だった。その後も、ライブ録音の「A Night in Paris」(2013)、「Secret Ladder」(2014)と、再び積極的な新作のリリースの連続。もうチャートをにぎわすヒット曲は無いけれど、あのハイトーンボイスが聴けるのは嬉しい限りだ。そして、この新作「Take Me As I Am」は、彼の「新機軸」を聴かせてくれる秀作だ。メジャーなレーベルから離れて、自身のレーベルからのリリースだからか、自由奔放で、リラックス・ムードが伝わって来る。何より、特徴は、従来のボーカル・アルバムと異なる構成だ。いずれの曲も、彼が弾く、伸びのあるフェンダーストラスキャスター・ギターが主役で、加えてピアノ(Eddy Hobizal)やサックス(Andy Suzuki)などのインストが中心の演奏だ。全ての曲で、ボーカルやコーラスは、曲の中盤から現れるという構成で、ボーカル自体の録音も、後方に下がったような控えめのミックスで、演奏の1要素の位置づけになっている。 中でも、M4「Down to The Wire」は、「典型的」な構成で、キャッチーなメロディーは往年のクロスを思わせるソフト・ロックだけれど、ギターや、エレキ・ピアノ、サックスの演奏が中心で、彼のボーカルと混声コーラスさえも、曲の中盤、それも3分の1を過ぎた頃に入ってきて、歌詞も同じフレーズのループなので、インスト作品と言ってもいいぐらいだ。彼のボーカルをたっぷり聴きたいファンにしてみると、少し失望するリスナーもいるかもしれないが、ユニークな演奏作品で、ウエストコーストを思わせる視界の広がる爽快なグルーヴは、従来のクリストファー・クロスの音楽世界と変わらない。復活後の作品としては、ベストな新作だと思う。スムーズジャズ・ファンにもぜひ一聴を勧めたい。

« スムーズなシングル盤 | トップページ | Walter Beasley 「The Best of Walter Beasley: The Affable Years, Vol.1」(2018) »

ボーカル」カテゴリの記事

About This Blog

  • スムーズジャズは、最高のコンテンポラリーミュージック。ググっとくるアーティストのバイブレーションを、リアルタイムで聴きたい。独断で選んだスムース系の新譜を紹介します。Since 2011。UGASAI
2018年4月
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30          

2015 Top Recommend (click)

  • Bob Boldwin「MelloWonder」
  • Brian Simpson 「Out of a Dream」
  • Jonathan Fritzen 「Fritzenized」

2014 Top Recommend (click )

  • Greg Manning 「Dance With You」
  • Rick Braun 「Can You Feel It」
  • Michael Lington 「Soul Appeal」
  • Ed Barker 「Simple Truth」

2013 Top Recommend (click)

  • Jeff Golub 「Train Keeps a Rolling」
  • Oli Silk 「Razor Sharp Brit」
  • Patrick Yandall 「Soul Grind」
  • Boney James 「The Beat」

2012 Top Recommend (click)

  • Euge Groove 「House of Groove」
  • Paul Brown 「The Funky Joint」
  • Chris Standring 「Electric Wonderland」
  • Vincent Ingala 「Can't Stop Now」
  • Phil Denny 「Crossover」