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2018年1月の記事

2018年1月27日 (土)

Walter Beasley 「The Best of Walter Beasley: The Affable Years, Vol.1」(2018)

Affable

サックス奏者ウォルター・ビーズリーは、30年のキャリアを有する、20枚以上のソロ作品を出しているスムーズジャズ界有数のプレイヤーである。サックスのみならず、シンガーでもあり、バークリー音楽大学でプロフェッサーも務める教育者でもある。彼のスタイルは、メロウでチルアウトなR&Bテイストのサウンドに、クールな音色のサックスが特徴。グローバー・ワシントン・ジュニアのフォロワーとして形容されることが多いけれど、ポスト・グローバーとして90年代の初期作品から、今につながるスムーズジャズのスタイルを作り上げたアーティストだ。新作はベスト集で、自身のレコード・レーベル「Affable」からの近年作品を中心にセレクトされている。全11曲の内、(おそらく)新曲1曲と、残りの10曲は、過去の6枚のアルバムからセレクトという構成。 新曲は、M8「Late Night Lover」で、R&Bシンガー、ラヒーム・デヴォーンのボーカルをフューチャーしたソウル・ナンバー。ビーズリーのサックスは、歌伴に徹して目立たないけれど、しぶーいフレージングがかっこいい。

2003年のアルバム「Go with the Flow」からは、アルバムタイトル曲のM3「Go with the Flow」を収録。セレクト曲の中では一番古いトラックだけれど、クールなサックスとサウンドは違和感が無い。

2007年の「Ready for Love」からは、2曲で、M7「La Nina」と、「Be Thankful」。 「Be Thankful」は、ビーズリーのボーカルが冴えるカバー曲。オリジナル曲は「Be Thankful For What You've Got」という曲で、フィリー系ソウル・シンガーのウィリアム・デボーンのデビュー曲であり、1974年のヒット曲。ビーズリーのボーカルが、ソウルフルでしぶーい歌声。2010年のライブ・アルバム「In the Groove」でも、演っていたお気に入りの曲のようだ。ちなみに、イギリスの女性歌手ルーマーも、「Love Is the Answer」(2015)でカバーしていた曲で、ルーマーの歌声で洗練されたバージョンだった。スウィートソウルの隠れた名曲かな。

2009年のアルバム「Free You Mind」からは、M1「Barack's Groove」、とM11「She Can't Help It」の2曲。ちなみに、「Barack's Groove」のバラクとは、オバマ前大統領のファースト・ネームで、文字通りオバマ前大統領に捧げたオリジナル曲。この曲を冒頭に持ってきたのは、反トランプ大統領という主張かなと想像してしまうね。

2010年「Backatcha」からは、3曲で、M2「Lovely Day」、M4「Expressway」、とM6「Ellie's Theme」。「Lovely Day」は、ビル・ウィザースの有名曲のカバー。 2015年の「I'm Back」(2015)からは、M9「Skip to My Lew」。最近作のアルバム「Blackstreams」(2017)からは、M5「Come on Over」。

ウォルター・ビーズリーの業績を把握するには最適な作品集。スムーズジャズを語るには、押さえておきたいアーティストだ。第1集となっているので、続編が出るのだろう。

2018年1月13日 (土)

Christopher Cross 「Take Me As I Am」(2017)

Takemeasiam

クリストファー・クロスの、デビュー作「Christoper Cross(邦題「南から来た男」)」(1979)は、彼の出世作で、最大のヒット作品、何より今でも色褪せない、AORの、いやポップスの「名作」の一枚だ。残念ながら、彼のその後の作品は、チャート的にはそのデビュー作を超えることは無く、「Walking in Avalon」(1998)を最後に、しばらくは録音作品のリリースも無かった。そして、新曲のスタジオ録音としては、13年ぶりとなる「Doctor Faith」(2011)のリリースは嬉しい「復活」だった。その後も、ライブ録音の「A Night in Paris」(2013)、「Secret Ladder」(2014)と、再び積極的な新作のリリースの連続。もうチャートをにぎわすヒット曲は無いけれど、あのハイトーンボイスが聴けるのは嬉しい限りだ。そして、この新作「Take Me As I Am」は、彼の「新機軸」を聴かせてくれる秀作だ。メジャーなレーベルから離れて、自身のレーベルからのリリースだからか、自由奔放で、リラックス・ムードが伝わって来る。何より、特徴は、従来のボーカル・アルバムと異なる構成だ。いずれの曲も、彼が弾く、伸びのあるフェンダーストラスキャスター・ギターが主役で、加えてピアノ(Eddy Hobizal)やサックス(Andy Suzuki)などのインストが中心の演奏だ。全ての曲で、ボーカルやコーラスは、曲の中盤から現れるという構成で、ボーカル自体の録音も、後方に下がったような控えめのミックスで、演奏の1要素の位置づけになっている。 中でも、M4「Down to The Wire」は、「典型的」な構成で、キャッチーなメロディーは往年のクロスを思わせるソフト・ロックだけれど、ギターや、エレキ・ピアノ、サックスの演奏が中心で、彼のボーカルと混声コーラスさえも、曲の中盤、それも3分の1を過ぎた頃に入ってきて、歌詞も同じフレーズのループなので、インスト作品と言ってもいいぐらいだ。彼のボーカルをたっぷり聴きたいファンにしてみると、少し失望するリスナーもいるかもしれないが、ユニークな演奏作品で、ウエストコーストを思わせる視界の広がる爽快なグルーヴは、従来のクリストファー・クロスの音楽世界と変わらない。復活後の作品としては、ベストな新作だと思う。スムーズジャズ・ファンにもぜひ一聴を勧めたい。

2018年1月 7日 (日)

スムーズなシングル盤

Colsingle Flipside Pass_thegroove

リリース間近の新作フル・アルバムに先行する、新曲シングル3枚。いずれも、アルバムが待ち遠しくなるパワー・チューンだ。

ブライアン・カルバートソンの「Colors of Love」は、彼の18枚目となる新作の同名アルバムからの新曲。新作アルバムは、ヴァレンタイン・デイに発売されるという、Loveをテーマにしたロマンティックな作品らしい。ファンキーなカルバートソンと打って変わり、この新曲は、美メロのフレージングが胸キュン路線のカルバートソン。

デイヴ・ブラッドショウ・ジュニアの新曲「Flipside」も、同名フル・アルバムに先行してのリリース。彼らしいソウルフルなピアノが爽快なナンバー。オルガンやホーン・セクションを配したアレンジが、ファンキーな曲。

トランペット奏者リン・ラウントゥリーの新曲「Pass The Groove」は、新作アルバム「Stronger Still」からの先行リリース。ワンツーワンツーのダンシング・ビートのループに乗って、ラウントゥリーのトランペットがファンキーに響き渡る。名曲「ライズ」(ハーブ・アルパート)の「現代版」の趣きを思わせるグルーヴが、かっこいい。

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  • スムーズジャズは、最高のコンテンポラリーミュージック。ググっとくるアーティストのバイブレーションを、リアルタイムで聴きたい。独断で選んだスムース系の新譜を紹介します。Since 2011。UGASAI
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