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2018年3月18日 (日)

Marion Meadows 「Soul City」(2018)

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スムーズ・ジャズは、定義の確立していないジャンルかもしれないが、それはコンテンポラリーな音楽として、時代と共に変容している音楽だからだろう。派生的には、ジャズを始まりとして、コンテンポラリー・ジャズ、クロスオーバー、果てはフュージョンといったスタイルを経たインストルメンタル(演奏中心の楽曲)が中心なので、ジャズのサブ・ジャンルのようなネーミングになったのではないのかな。今や、そのスタイルは、インストに限らず、ボーカル曲であれ、ジャズやフュージョン寄りから、R&Bやポップ・チューンまで様々だ。ちなみに、「Smooth」を付けたネーミングも、スムーズ・ソウルや、スムーズR&B、といった多々の派生形も生まれている。スムーズ・ロックや、スムーズ・ブルース、スムーズ・ラップなんて、あるのかもしれない。それらは、ジャンルというより、文字通り心地いいミュージックの「くくり」ではないかな。それでも、多様な「スムーズ・ジャズ」の中で、そのメインストリームは、ウェル・アレンジメントで構成されたインストメンタル楽曲で、グルーヴがなくてはならない、というのが筆者のこだわりです。さて、スムーズ・ジャズ界のスーパースター、サックス奏者マリオン・メドウズの新作は、いつも通り間違いのないグルーヴを聴かせてくれる作品。豪華なゲスト歌手を迎えて、ボーカル曲が大半をしめる今作は、「スムーズR&B」の秀作だ。M2「Dreamin」は、女性ボーカリストのマイーザを迎えて、ギター奏者ピーター・ホワイトも加わった、ラテン・スタイルのハイライト曲。M5「Time After Time」は、シンディ・ローパーの名曲カバーで、ボーカルは、ピーボ・ブライソン。M8「Samba De Playa」のボーカルは、ウィル・ダウニング。M9「No Wind, No Rain」は、女性ジャズ・ボーカリストのダナ・ローレンが歌うジャージーな曲。ローレンのハスキーなスキャットと、メドウズのムーディーなソプラノ・サックスに、シャープなアコースティック・ピアノの会話が美しい。歌伴でも、メドウズのリリカルなソプラノは魅了的だけれど、やっぱり彼が主役のインスト曲が聴きたい。インスト3曲の中では、M1「Sould City」が光っている。ゲストは、ギター奏者ノーマン・ブラウンと、トランペット奏者のジョーイ・サマービル。3人のインタープレイが聴きものの、スロウ・ファンクな曲。次作は、この路線でインスト・オンリーの作品を期待したい。

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