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2018年5月 3日 (木)

Chris Standring 「Sunlight」(2018)

Sunlight

イギリスのギター奏者クリス・スタンドリングの新作は、キャリア20年を祝しての記念碑的な秀作だ。デビュー・アルバム「Velvet」(1988)から数えて、スタジオ作品としては11作目。ほぼ2年にごと、コンスタントに佳作を届けてくれる、スムーズジャズ界の代表的ギタリストで、個人的にもフェバリット・アーティストの一人。アシッドで、ヒップなサウンドと、エレクトリックな音色の浮遊感あふれるギターは、クールなバイブレーションを感じさせてくれる、唯一無二のギタリスト。この新作は、彼のギター演奏、それもインプロビゼーションに比重を置いた内容で、そのクールなグルーヴにたっぷり酔える、素晴らしい作品。いつもの完成度の高い、ポップでダンサブルな曲も、彼の魅力だが、この新作で聴かせてくれるグルーヴ優先のパフォーマンスは、今まで以上にジャズ的で、個人的にはベスト級な内容だ。M1「Static In The Attic」は、レコードのスクラッチ音から始まるところが少し驚かされる曲。スクラッチのノイズと、トークボックスのボイス・エフェクトが絡んだ、ラウンジなムードの背景にファンキーなギターが浮遊するハイライト曲。M2「Aphrodisiac」は、ハンドクラッピングとボイス・エフェクトがヒップな曲。機械的なビートに乗ってスウイングするようなフレージングのなんとクールなこと。ベースとドラムスは、打ち込みではないのに、未来的なビートを感じるリズム・セクションだ。M4「The Revisit」で、ボブ・ジェームスのアコースティック・ピアノ。M6「God Only Knows」(ビーチ・ボーイズのカバー)で、ジョン・ノベロのアコースティック・ピアノ。M2「Aphrodisiac」では、ミッチェル・フォアマンのフェンダー・ローズ、などのゲスト・アーティストが参加した演奏も光っている。CDを買うと、2曲のボーナス・トラックがダウンロードできる。M9「Do Not Adjust Your Set」は、ブランドン・フィールズ(ザ・リッピントンズのサックス奏者)とピート・クリストリーブ(スティーリー・ダンの「Deacon Blues」でのソロ演奏が有名なジャズ・サックス奏者)、二人のテーナー・サックス奏者によるホーン・セクションがサポートする曲。CD本編のバージョンは、ブランドン・フィールズのソロなのだが、ボーナス・トラックは、ピート・クリストリーブがソロを取るバージョンが聴ける。もう1曲は、本編でボブ・ジェームスが参加した「The Revisit」で、ボーナス・トラックはボブのパートを、Hans Zermuehlenという人がシンセを演奏している。ファンにとっては、「お宝」のようなボーナス・トラックが聴けるのが嬉しい。

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