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2018年7月 2日 (月)

Dee Brown 「Remembering You」(2018)

Rememberingyou

アメリカ中西部ミシガン州のデトロイトを基点に活躍する、ギター奏者ディー・ブラウンの新作。スムーズジャズ専門レーベルの「インナーヴィジョン・レコーズ」から、前作「Brown Sugar, Honey-Coated Love」(2014)に続く、2枚目のフル・アルバム。この人のギター奏法は、一聴して分かる「ジョージ・ベンソン」フォロワーだ。大御所ノーマン・ブラウンは元より、ティム・ボウマンや、ニック・コリオーネ、ポール・ブラウン、ユー・ナム、ロニー・スミス、などなど、「ベンソン・スタイル」の系譜を受け継ぐギター奏者は、スムーズジャズ界のメインストリームだ。いかに、ジョージ・ベンソンの影響が偉大かは、そのフォロワーの活躍が証明している。さて、ディー・ブラウン。いずれの曲も、R&B味のスウィート・メロディーに乗って、この人のギターのパッセージとサウンドが繰り出すグルーヴに、ググッと引き込まれる好盤。全11曲いずれもキャッチーな曲ばかり、中でもハイライトはシングルが先行していたM2「Hey Baby」だろう。急逝したという、彼の亡きフィアンセに捧げた曲だという。そのフィアンセは、前作のアルバムやシングルでも、バック・コーラスを担当していた人。「Hey Baby」のイントロで聴けるヴォイスは、フィアンセ本人のもの。という訳で、少しメランコリックなメロディーが心に残るけれど、ファンキーなギターのフレージングや、サックスとのインタープレイのヴァイヴレーションは、むしろ明るくてキャッチーに響き渡る佳曲。M1「I Want You Too」は、スキャットとギター・パッセージのユニゾンが、まさにベンソン風なファンキーでノリのいい曲。繰り出すオクターブや速弾きパッセージが素晴らしい。M10「Beauty Within」も、ボーカルとギターのジャジーなユニゾンが印象的な、スウィート・メロディーのミディアム・バラード。ギターとボーカル(本人だろう)のユニゾンは、ベンソン風と形容する必要なしの、ブラウンらしいスタイルと言っていい佳曲だ。ジョージ・ベンソンと言えば、ギターは日本が誇るアイバニーズのGBモデルだが、ディー・ブラウンの弾くギターは、アメリカのイーストマンというギター。イーストマンは、ヴァイオリンやチェロを創業とするハンド・メイドのメーカー。ロビー・ロバートソン(ザ・バンド)や、リッチー・フューレイ(バッファロー・スプリングフィールド)、リチャード・トンプソン(フェアポート・コンヴェンション)など、ロック、ジャズ、カントリーなどの音楽界で愛好するアーティストが多いギター。ブラウンの使用しているイーストマンのセミアコは、ソフトな音色が特徴的。ミディアムやスロウで奏でるヒューマンな音色は美しい。ラストのバラード曲M11「Remembering You」は、亡きフィアンセのストーリーを知ってしまった以上は、そのフレージングと音色に、ことさらに包容力を感じて、引き込まれてしまうなあ。

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