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2018年8月13日 (月)

Brian Simpson 「Something About You」(2018)

Bsimpson somethingaboutyouブライアン・シンプソンの新作。シャナキー・レコードと契約した最初のアルバム「South Beach」(2010)から数えて、同レーベルから早くも5作目の作品。通算では、8枚目のソロ作品。「South Beach」以前というと、デビュー・アルバム「Closer Still」(1995)の後、「It's All Good」(2005)、「Above the Clouds」(2007)と、12年の間にわずか3作品のリリースだったから、近年の意欲的なリリースは、嬉しい限りだ。この新作も、シンプソンのピアノ・スタイルを高めた素晴らしい内容。今や、彼がスムーズジャズの領域で、間違いなくトップ・アーティストであることを証明する作品だ。
前作「Persuasion」(2016)は、スティーヴ・オリバーとの共作が「新機軸」だったけれど、今作もそのオリバーとのコラボを進化させた作品。全10曲中、オリバーとの共作は7曲。オリバーは、ギターの演奏はしていないが、楽曲の共作と、プログラミング演奏、共同プロデュースで関与している。残り3曲は、これも常連のオリバー・ウェンデル(キーボード)をサポートに迎えての作品となっている。
タイトル曲「Something About You」は、キャッチーなメロディーの佳曲。コーラスを配した色彩感豊かなサウンドは、スティーヴ・オリバーの手腕。「タメた」ステップを踏むかのような、ピアノ・フレージングは、シンプソンならではの美しい演奏。「Morning Samba」は、サンバのリズムに乗って、踊るようなシンプソンのフレージングが心地良い。「Mojave」は、ゲストのギター奏者ヤーロン・レヴィーのアコースティック・ギターと、シンプソンのピアノとのインタープレイが聴きもので、フェード・アウトするのが残念。「Irresistible」はチルアウトなムードの曲で、こちらでもレヴィーがゲストで演奏している。フラメンコ・スタイルのギターと、シンプソンのメランコリーなフレージングに引き込まれる演奏。「Chemistry」は、ゲストのトランペット奏者ロン・キングとの「会話」がブルージーな演奏。ロン・キングは、最後の曲「The Rainbow」でも演奏していて、こちらはミュート奏法で、ジャージーなムードのバラード曲。
今作品は、シンプソンのピアノを際立たせて、統一したムードに彩られている。ほとんど全曲のサポート・ミュージシャンが共通しているのが要因だろう。ギター(Darrell Crooks)、ベース(Alex Al)、パーカッション(Ramon Yslas)による、サポート隊の「いい仕事」は必聴だ。ドラムスがいないというのも興味深いところ。プログラム系の音色が主体になっている曲でも、ベースのオーガニックなグルーヴ感が、「隠し味」のように印象的だ。

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