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2018年8月20日 (月)

Steve Oliver 「Illuminate」(2018)

Soliver illuminateスティーヴ・オリバーの新作は、久しぶりのインストゥルメンタル作品。「World Citizen」(2012)の後、「Best of...so far」(2014)はベスト・アルバム(2曲の新曲入り)だったし、その後の「Pictures & Frames」(2016)は全曲が自身の歌声による、歌詞付きソング、いわゆる歌もののボーカル・アルバムだったので、新曲のインストゥルメンタル・アルバムとしては6年ぶりの新作だ。オリバーは、過去作品でも、必ず数曲はボーカル・ソングを入れていて、シンガーとしても「二刀流」の才能の持ち主。だが、今作はその歌ものを「封印」して、全11曲演奏オンリーの意欲作となった。内容も、文句なしのベスト級だ。
オリバーのトレード・マークである、色彩感豊かなギター・シンセや、ポップな歌詞無しヴォーカリーズ、などを多用したサウンドはいっそう磨きが掛かり、スピード感溢れるギター・フレージングも冴え渡る曲ばかり。サポート・ミュージシャンも巧者揃いで、隙のないグルーヴが堪能できる。特に、半数を占める曲で脇を固めている、ジミー・ハスリップ(ベース)、ジョエル・テイラー(ドラムス)、による鉄板のリズム隊は重量級。フィリピン出身のジャズ・ピアノ奏者タテン・カティンディグの流麗なフレージングも必聴。ゲストのサックス奏者も多彩で、ウェール・ラーソン、ネルソン・ランジェル、チェース・ウナ、ビリーレイ・シェパード、がそれぞれ曲により登場する。18才でデビューしたチェース・ウナはデビュー作「On The Chase」(2017)を、ビリーレイ・シェパードのデビュー作「Silk」(2017)を、それぞれオリバーがプロデュースを手掛けている。
1曲目「Full Tilt」は、スピード感のあるキャッチーな曲。サックスは、ウェール・ラーソン。オリバーの、ギターとヴォーカリーズの爽快感、これこそオリバーの「十八番」のような曲。アルバム・タイトル曲「Illuminate」も、爽快な曲想を奏でる流麗なギターと、リリカルなピアノが活躍する演奏。シングルになっている「Vamonosu」は、キャッチーなラテン調のハイライト曲。サックスは、チェース・ハナ。「Circles」は、コンテンポラリー・ジャズのアンサンブルが秀逸なベスト・トラック。ハスリップ、テイラーのリズム隊に、サックスはネルソン・ランジェル、ピアノはカティンディグ。オリバーのギターは、正統派のジャズ・アプローチを披露する。「Hidden Sun」も、オリバーに、ハスリップ、テイラー、カティンディグによる鉄板のアンサンブル。コンテンポラリー・ジャズの、リリカルでクールなグルーヴが聴くほどに味わいを感じる演奏。「City of Lightning」は、メランコリーなメロディの曲。ビリーレイ・シェパードのサックス、オリバーのアコギとヴォーカリーズ、がブレンドするサウンドが美しい。
前作「Pictures & Frames」は、全曲がボーカル曲だったので、まさかシンガーに「転身」かなと心配したけれど。今作品は、オリバーのギター奏者およびマルチなサウンド・クリエーターとしての実力を遺憾なく発揮した内容に、大安心。

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