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2018年12月26日 (水)

2018年のベスト3+1

今年のベストな3+1作品です。

① 「Illuminate」Steve Oliver

Soliver illuminate

スティーヴ・オリバーの、大ヒットした「Global Kiss」(2010)は、今でも私の愛聴盤だ。新作が出るたびに、「Global Kiss」の進化を期待して、聴いてきたアーティストである。スピード感のあるポップな楽曲、エキゾチックなメロディー、ギターの独特な音色とドリーミーなパッセージ、彼の音楽世界にはいつも魅了される。ボーカルだけのアルバムを出したあたり、歌手の路線を行くのかと不安に駆られたけれど、この新作は久しぶりにインスト新曲だけで、満足度が高揚した作品だ。ハズレなしの楽曲の素晴らしさはもちろん、特筆は、オリバーのギター演奏。ジャズ寄りのフレージンングも素晴らしい。ギタリストとしての評価も高まって欲しい。


② 「Personal Touch」Vincent Ingala

Vingala ptouch

ポップなスムーズジャズなら、この人、ヴィンセント・インガラ。新作は、サックスのみならず、すべての楽器の演奏と、プロデュースからミックスまでと、全てワンマンで作り上げた会心の作品。タイトル曲を筆頭に、キャッチーで洗練された楽曲が満載。しばらくの間、ヘビー・ローテーションで聴きまくった作品だ。ギターもピアノも、ボーカルも披露して、そのマルチな才能には驚かされるが、やっぱり、この人はサックス。さらに艶っぽくなった音色にグッと来ます。


③「Sunlight」Chris Standring

Sunlight

クリス・スタンドリングは、私のフェバリット・ギタリストの1人。アシッド・ジャズを継承したヒップなサウンド、キャッチーでダンサブルな楽曲に、浮遊感のあるフレージング、といった独特なスタイルが魅力だ。新作は、そのスタイルに磨きが掛かり、最高にクールな作品になった。タイトでシャープなリズム・セクションをバックに、スタンドリングのギターが飛び回る、その独特のグルーヴは、熱量がクールというか、聴き込むほど虜になってしまう。「Like Paradise」のような、キャッチーなダンシング・チューンもかっこいい、何度聴いても飽きない。


次点「Something About You」Brian Simpson

Bsimpson something

ブライアン・シンプソンのピアノは、リリカルでロマンティック。この新作は、近年の作品の中でベスト級だと断言したい。シンプソンのヒューマンなピアノは美しい味わいに満ちていて、かつてのジョー・サンプルを思い出す。それも名盤「Carmel」にリンクしているように感じてしまう。


上記の4枚には選ばなかったとは言え、個性的で印象的な作品の数々を挙げておきたい。

マリオン・メドウズの「Soul City」に、リン・ラウントゥリーの「Stronger Still」は、R&B路線の秀作。メンフィス・ソウルを追い続けるマイケル・リントンの「Silver Lining」、ブルースに傾倒したポール・ブラウンの「Uptown Blues」、フュージョンを進化させるジェフ・ローバー・フュージョンの「Impact」。いずれも、聴き応えが重量級の作品だった。ジェラルド・アルブライトの「30」は、過去作品を再演して、キャリアの実力を示した文句無しのクオリティの高い作品。ボブ・ボードルウィンの「Abbey Road and the Beatles」は、ビートルズの名曲を料理したボールドウィンのアレンジが絶妙な作品。数多のビートルズ・カバー作品の中でも、これはベストに挙げたい。イエロー・ジャケッツの「Raising Our Voice」は、ルシアーナ・ソウザとのコラボが意外だったが、思いのほか新鮮で、ジャケッツ久しぶりの会心作と言える。次点の次点を選ぶなら、このジャケッツの新作を推したい。新人の、ケイラ・ウォーターズの「Coevolve」と、スキニー・ハイタワーの「Retrospect」は、いずれも将来性を感じる素晴らしい作品だった。

さて、毎年恒例の共同企画、「Sound of the Breeze」のマスター「洋楽のソムリエ」さんが選んだベスト作品です。

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The Best Smooth Jazz Album

第1位『Something About You 』Brian Simpson

Bsimpson somethingaboutyou

ブライアン・シンプソンは、筆者にとり、いわゆる ”マスト買いアーティスト” のひとりだ。しかし、それはここ数年リリース頻度が落ちている贔屓のキーボーディストであるグレッグ・カルーカスの代替という意味合いが強かった。

『It’s All Good 』における「I Remember When 」はシンプソンの名曲のひとつだが、筆者の中では、「カルーカスのスタイルを上手く踏襲した作品のひとつ」の域を超えるものではなかった。

しかし、今回の『Something About You 』を聴いて、筆者は「これまでの失礼な評価、ごめんなさい」という気持ちである。レコード会社、Shanachie が手放さないくらいだから、シンプソンはこれまでも優れた作品を出してきたし売れてもいた。ただ、今回の『~About You 』のようにアルバム全体を繰り返して聴いて、なお飽くことが無いというのは初めてである。このアルバムは、それだけ引き付けて離さないのである。

「Morning Samba 」は、筆者が認定する今年のベスト・ダンス曲の第4位だ。タイトル曲をはじめ捨て曲なしのアルバムではあるが、「At First Sight 」もさりげなくこじゃれていて推奨曲だ。

実は、筆者はこれまでも、この “ 年間ベスト” においてシンプソンの来日公演を望む旨のことを書いてきた。Blue Note など招聘元は、彼のようなキーボーディストにはマーケットが無いとみているのだろうか? ならば、せめて以前のようにデイヴ・コーズのサポート役でいいからぜひ彼に声を掛けて欲しいものである。

さて、今回は、ベスト・アルバムの認定が No.1のみとなった。それは、正確にいうと2位以下に該当するものが無かったということではない。今年は例年に比べ、筆者が聴きこんだ作品数が少なかったのだ。1位以外には正当な評価を下す自信が持てなかったのだ。今年は『スムーズ・ジャズを聴けば明日が見える』のマスターが認定したベストを参考に、今年のスムーズ・ジャズ・シーンを振り返って欲しい。


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「Something About You」が、「同感」のベスト作品でした。ぜひ、聴き逃さないで欲しい作品ですね。

当サイトへの、ご意見、ご要望、お待ちしています。

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