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2019年1月20日 (日)

Ben Tankard 「Rise!」(2018)

Btankard riseベン・タンカードは、「ゴスペルのクインシー・ジョーンズ」と形容される、メジャー級のキーボード奏者。同時に、自己啓発の演説家でもあり、自身のファミリーと共に出演するテレビ番組が人気を博するスターでもある。彼の音楽は、ゴスペルや、コンテンポラリーなクリスチャン・ミュージックと呼ばれる、信仰や啓発を高揚するカテゴリーに入れられる。そんなカテゴリー分けは気にせず、スムーズ・ジャズとして楽しむのに値するグッド・ミュージックです。さて、この新作は、彼のスタイルである、メロウなムードに満ちた心地のいい作品。彼のピアノ演奏は、グルーヴを打ち出すのではなく、ハートに響くようなフレーズを繰り出すのが、特に味わい深いところです。

1曲目「Rise!」は、ハーブ・アルパートの大ヒット曲のカバー演奏。マリオン・メドウズが客演して、タンカードのメロウなピアノが、キャッチーなハイライト・チューン。2曲目の「More Rain」(客演は、ギター奏者ポール・ジャクソン・ジュニア)や、「George the Duke」、「Passionfruit」など、いずれもクワイエット・ストーム的な佳曲が並びます。ラテン・ムードの「Afternoon Nap」も、サックス(カイル・シュレイダーという人)、生ギターとピアノのアンサンブルがエレガントな曲。ゴスペル・ムードの曲では、「Still Here」と、「It's Working」が印象的です。いずれもカバー曲で、「Still Here」は、伝統的なゴスペル・グループのザ・ウィリアム・ブラザーズの2003年ヒット曲。「It's Working」は、男性ゴスペル・シンガー、ウィリアム・マーフィーの曲で、本作のタンカードのカバー演奏は、この曲だけライブ録音のようで、サックスはカーク・ウェイラム。「Still Here」でのタンカードのピアノは、テクニックを駆使するのではなく、エモーションを伝えるフレーズに満ちた曲です。ラストの曲「Piano Hymn」は、映画音楽さながらの美しいメロディーをギターとピアノが奏でる、ハートフルな佳曲です。フューチャリング(客演)として、Neb Draknatと記されているので、誰だろう、と思いきや。タンカード自身の名前の綴りを逆さにしているのですね。本人のワンマン・トラックで作った楽曲だからの、シャレかな。

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