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2019年1月12日 (土)

David Garfield 「Jammin' Outside The Box」(2018)

Dg jamminキーボード奏者、デヴィッド・ガーフィールドの「Outside The Box」プロジェクト、前回の記事で紹介した「Jazz」に続く、第2弾。全19曲の収録だが、編集トラック(5曲)、前作収録曲の別バージョン(3曲)が含まれているので、新曲は正味11曲という構成。新曲のほとんどは、前作とはダブらないセッションの演奏で、新たに約60人のプレイヤーが参加して、第1集から引き続き参加するプレイヤーを加えると、総勢100人に及ぶ演奏陣によるスーパー・セッション集だ。今回は、ヴォーカリストをフューチャーした、いわゆる歌モノが6曲入っていて、インストを含めた選曲もR&B/ポップスのカバーが中心の作品集。

その中で、何と言ってもハイライトは、レジェンド・シンガー、スモーキー・ロビンソンが唄う「One Like You」。この曲は、もともと、ジョージ・ベンソンのオリジナル・アルバム「Songs and Stories」(2009)に入っていた曲で、作曲はガーフィールドとロビンソンの共作。スモーキー・ロビンソン自身が歌ったバージョンは、本作が初のセルフ・カバーなのだろうか。唄声こそ枯れたところは隠せないとはいえ、あの、ふるえるハスキー・ボイスのメロウな味わいには魅了される。アルト・サックスはデヴィッド・サンボーンで、バック・コーラスがマイケル・マクドナルド、というドリーム・チームのような演奏も一聴の価値あり。

歌モノ他5曲もカバー・ソングで、ルーファス&チャカ・カーンの「Stay」、ミニー・リパートンの「Lovin' You」、アイズレー・ブラザースの「The Highways of My Life」、アレサ・フランクリンの「Rock Steady」、ボビー・コールドウェルの「What You Won't Do For Love」、いずれも70年代後半を代表するエバーグリーン・ソング。「Stay」のカバーは、チャカ・カーンと共に曲の共作者でもあるリチャード・ムーン・トンプソンがリード・ボーカルを務めて、ギターはジョージ・ベンソン、サックスはデヴィッド・サンボーン、という、必聴の演奏。

インストのハイライトは、スティーヴィー・ワンダーの「Go Home」のカバー演奏。サックス奏者カーク・ウェイラムをフューチャーして、ポール・ジャクソン・ジュニアのギターや、ホーン・セクションとコーラスが繰り出すファンキーなグルーヴが心地いい。とりわけ、印象的なのは、終盤に登場するハーモニカ演奏。一瞬、スティービーが吹いているのかと、耳を疑うフレージング。奏者はティム・ウェルバースで、トゥーツ・シールマンスを師と仰ぐ、オランダ出身のジャズ・ハーモニカ奏者。

第1集にも入っていた「Raibow Seeker」の別バージョンも注目の演奏。ガーフィールドが、こちらではエレキ・ピアノを奏でて、ベースはマーカス・ミラーに、ギターはフュージョン系のトニー・ピューリッチという人。ギターが、プログレ系のハードなフレーズを繰り出してユニークだし、対照的にガーフィールドのリリカルなエレピは、ジョー・サンプルの音色を思わせて、とてもいい。ホットでグルーヴィーな演奏だ。

「Waiting For Your Love」は、ガーフィールドも親交の深かった、TOTOの名曲のインスト・カバー。演奏には、TOTOのメンバー3人、デヴィッド・ペイチ(オルガン、曲の共作者でもある)と、グレッグ・フィリンゲインズ(シンセ)、ジョセフ・ウィリアムズ(コーラス)が参加していて、TOTOサウンドへのオマージュ的トラック。ガーフィールドのジャージーなピアノと、ペイチのオルガン、フィリンゲインズのシンセ、3人によるインタープレイも素晴らしい。

豪華スター級のミュージシャンを集めて、陣頭指揮を取る、デビッド・ガーフィールドのプロデューサー/アレンジャー手腕が遺憾なく発揮された作品。さらに続編が出るというのだから、リスナーに嬉しい興奮を届けてくれる聴き逃せないプロジェクトだ。

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